無宗教葬儀とは
ここでは、無宗教葬儀の概要について解説します。
無宗教について
「無宗教」とは、特定の宗旨・宗派を進行していない立場・思想を示す言葉です。特定の宗旨・宗派を信仰していないだけであり、神の存在を否定しているわけではありません。そのため、神の存在を否定している「無神論」とは意味の異なる言葉です。
無宗教葬儀について
無宗教葬儀とは、特定の宗旨・宗派や形式にとらわれない葬儀のことを指します。自由葬や無宗教葬などとも呼ばれ、幅広いスタイルでの葬儀プランで行うことが可能です。
無宗教葬儀では宗教者を呼ばないことから、僧侶による読経や説教なども行われません。読経の代わりに黙祷を行い、焼香の代わりに献花を行うことが、無宗教葬儀では一般的です。
日本では特定の宗教にこだわらない方や形式よりも故人とのお別れを大切にする方がいることから、無宗教葬儀が選択されることも少なくありません。
無宗教葬儀の流れ
ここでは、無宗教葬儀の流れについて解説します。
【一般的な流れ】
- 1. 参列者入場
- 2. 開式
- 3. 黙祷
- 4. 献奏(けんそう)
- 5. お別れの言葉
- 6. 献花
- 7. 閉式
ただし、ここで紹介する流れは一般的な例であり、実際には異なる流れで信仰されることもあります。
参列者入場
遺族に続いて葬儀への参列者が入場し、あらかじめ決められた席に座ります。無宗教葬儀の場合、入場中に故人が生前好きだった曲を流すようなこともあります。
葬儀の規模が大きくなるようであれば、迷ってしまう参加者が出ないように、会場の入り口に案内係を置くのがおすすめです。
開式
参列者の入場・着席が住んだら、次に司会者から「ただいまより故○○のお別れ会を執り行います」と開式の挨拶があります。
挨拶に加えて故人の人生を偲ぶメッセージや、無宗教葬儀を執り行うに至った経緯の説明などが、併せて行われることもあるでしょう。読んで欲しいメッセージがある参列者は、開式よりも前に親族や司会者に伝えておくことが大切です。
黙祷
次に、黙祷を全員で行います。無宗教葬儀においては宗教者を呼ばないことから、僧侶が経を読むことはありません。
そのため、経を読む代わりとして黙祷を行うのです。故人の生前の姿を思い浮かべながら、黙祷を捧げます。黙祷時は目を閉じ、少し頭を下げて行うことが一般的です。
献奏(けんそう)
献奏では故人を偲ぶ時間として、故人が生前好んでいた曲を流したり、故人の思い出や経歴などをナレーションやビデオなどで紹介したりします。ナレーションにおいてはスライドショーを用いる、曲を流す際にはバンドによる生演奏を行うなど、無宗教葬儀ならではの演出がある点が特徴的です。
生演奏の対応をはじめとして、葬儀業者によって対応できる演出が異なるため、事前にしっかりと確認・打ち合わせしておくことが求められます。
お別れの言葉
献奏の後には、参列者によるお別れの挨拶が行われます。参加者全員が挨拶をすることもあれば、1人のみの場合や複数人の場合など、ケースはさまざまです。
一般的な葬儀における「弔辞」にあたり、故人への思いや故人との思い出を参列者が思い思いに伝えます。参列者によっては、手紙を用意して読み上げることもあるでしょう。
献花
一般的な葬儀の焼香にあたる、献花を行います。故人をともらうために実施するものであり、菊やカーネーションなどを使用することが一般的です。
ただし、故人が生前好きだった花があれば、その花を使用することもあります。献花は、遺族・親族・参列者の順番に行うことが通常です。
この際、故人が生前好きだった曲を流すようなケースもあります。
閉式
最後に遺族代表が閉式を告げて、葬儀は終わりです。閉式の言葉は喪主から参列者に対する挨拶であり、故人との生前の付き合いや参列そのものに対する感謝を伝えます。
閉式後は葬儀場から出棺し、火葬場に向かうことが一般的です。そして火葬後、親しい方で会食をすることもあります。
無宗教葬儀のメリット
無宗教葬儀のメリットとしては、以下が挙げられます。
- 故人の遺志や遺族の希望を反映させやすい
- 自由な形式で故人とお別れができる
- 菩提寺がない家でも葬儀を行える
- 僧侶に渡すお布施が発生しない
- 戒名料や法名料が発生しない
無宗教葬儀のメリットは、故人や遺族の思いを反映させやすい自由さです。また、経済的な面でも、お布施や戒名料などの負担が発生しない点が挙げられます。
無宗教葬儀のデメリット
無宗教葬儀のデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 菩提寺とのトラブルやお墓へ納骨できない可能性がある
- 親戚や知人から反発される可能性がある
- 内容を決めなくてはならない点が負担になることも
無宗教葬儀は自由な葬儀であるために、菩提寺との関係に悪影響が発生する可能性があります。
また、まだ一般的に認知されている葬儀のスタイルではないため、親族をはじめとする関係者から理解を得にくいことも考えられるでしょう。自由さはメリットでもあるのですが、演出や流れを考えなくてはならないことは遺族にとって負担になることもあり得ます。
無宗教葬儀後のお骨の供養
ここでは、無宗教葬儀後のお骨の供養について解説します。無宗教葬儀では菩提寺の墓地に納骨できない可能性もあるため、墓地についてもしっかりと考慮しておくことが必要です。
永代供養
永代供養墓がある寺院・霊園などに納骨することで、お骨の供養・管理をお願いする方法です。
最終的には合祀されますが、基本的には宗旨・宗派を問わずに納骨できます。お墓を購入する場合よりも費用を抑えられ、管理や供養も専門スタッフに依頼できる点が特徴的です。
自宅供養
自宅供養とは、自宅に遺骨を保管して供養する方法です。
お墓がない、マンションに住んでいて仏壇が置けないなどのときに、自宅で供養できる点が特徴です。自宅供養には、骨壺をそのまま安置したり、収骨できる仏壇を購入したりする方法があります。
海洋散骨
海洋散骨とは、文字通り海にお骨をまく供養の方法です。「自然葬」と呼ばれる供養方法の1つであり、近年人気が高まっています。
お墓への納骨と比較して費用を抑えられる点や、お墓の維持管理にかかる費用も発生しない点が特徴的です。また、海洋散骨の他にも、しっかりと許可を取っている土地に樹木を墓標として埋葬する樹木葬も、自然葬の例として挙げられます。
公営の墓地
公営墓地とは、自治体が所有・管理している墓地のことです。基本として当該自治体の管轄地域の住民のために用意されている墓地ですが、近隣地域の住民でも利用できるケースはあります。
公営墓地は、自治体が運営していることから経営が安定している点が特徴的です。宗教の制限を受けず、利用料金も抑えられる方法だといえるでしょう。ただし、応募要件が比較的厳しいことが一般的である点には要注意です。
宗教を問わない墓地
墓地の中には、宗教を問わない墓地もあります。無宗教葬儀をした場合、菩提寺から納骨を断られることがあり、宗教を問わず幅広く納骨を受け入れてくれる墓地を選ぶことが必要です。
まとめ
無宗教葬儀とは、特定の宗旨・宗派にこだわらず自由な形式で執り行う葬儀のことです。故人とのお別れに重点を置いており故人の遺志を反映させやすいなどの理由から、近年人気が高まりつつあります。
ただし無宗教葬儀を行う際には菩提寺から納骨を断られることもあり、供養の方法についても考えておくことが重要でしょう。詳細に関しては、無宗教葬儀を行っている葬儀社に相談することも大切です。
「サン・ライフ」では、宗教者による儀式を伴わず、お別れの会のみを行うプランも取り扱っています。
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厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査 1級葬祭ディレクター高橋 竜一
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