虫の音に秋の気配を感じられる頃になりました。
暑い夏も過ぎて過ごしやすい日が多くなってきましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
八王子滝山ファミリーホール佐藤です。
仏式のご葬儀でよく使われる言葉「旅支度」についてご説明させて頂きます。
仏教では、亡くなられた方は来世へと旅立ち、その道のりは四十九日間続くとされています。
そこで、故人様が無事に来世へ到着できるよう、ご家族のみなさまで旅の支度をします。
旅支度には、揃えるべきものがいくつかあります。
そのひとつひとつに意味があり、仏事に関するマナーと言えます。
特に多く見られるマナーが、「逆さ事」です。
これは、不幸を避けるという意味を込めて、あえて日常とは反対の状態にすることです。
◆仏衣
故人様に着せる着物のことで、白装束とも呼ばれます。
通常着物は右前で着ますが、あえて反対の左前にして不幸が重なることを避ける意味があります。
◆足袋
足に履かせ、足袋についている紐は縦結びにします。
◆脚絆
すねに脚絆を付けます。
すねを守り、疲れにくくするという役割があります。
脚絆には紐が2ヵ所付いていて、こちらも縦結びにします。
◆手甲
手元に手甲を付けます。
輪の部分を中指に通し、紐は縦結びです。
◆頭陀袋
頭陀袋は、僧侶が修行や托鉢に出るときに使用する袋で、経文やお布施を入れるものです。
旅支度では、ここに三途の川の渡し賃である六文銭を入れます。
現代では六文銭を用意することは難しいので、
代わりに六文銭を印刷した紙や、燃える素材の寛永通貨を入れます。
◆数珠
まだ念の入っていない数珠を遺族に念を込めて頂き、念数にして故人様に持たせます。
◆天冠
亡くなられた方の額に付ける三角形の布です。
その由来には「閻魔大王に失礼にならないように正装させたい」
「冠を付けて高貴な身なりでおくってあげたい」など諸説あります。
現代では直接額に付けず、編み笠に付けて棺の中へ納めるのが一般的です。
◆編み笠
現代では頭にかぶらせず、天冠と一緒に枕元に添えて棺の中に納めます。
◆草履
本来は足に履かせるものですが、直接履かせることが難しいので、足元に添えて棺の中に納めます。
◆金剛杖
つく杖ではなく、旅の道中、魔物を払う為の杖です。
利き手の反対側に納めます。
以上、旅支度に必要なものを紹介しました。
訃報は突然、訪れます。
通夜や葬儀の準備をしながら、旅支度の道具をひとつひとつ用意するのは大変です。
揃え忘れや、マナーにかなっていない物を揃えてしまう恐れもあります。
必要な道具はすべて当社で準備可能ですので、お任せいただくと安心かと思います。
当社ではいつでもご相談を受け付けておりますので、
何かわからないことがありましたらいつでもご相談ください。
八王子滝山ファミリーホール 佐藤 千恵香