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家族葬で意識したいマナーとは?立場別の注意点

家族葬で意識したいマナーとは?立場別の注意点
家族葬で意識したいマナーとは?立場別の注意点
作成日:2024/09/05 最終更新日:2024/09/05

近年は家族や親戚などの近親者だけで見送る家族葬が増えています。ただし家族葬には明確な定義がないため、マナーが分からないという方も多いでしょう。参列する、しないに関わらず一般的な知識として家族葬のマナーを知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。

この記事では喪主や遺族側、参列する方、参列しない方それぞれの視点で家族葬のマナーを詳しく解説します。

家族葬とは?

一般的な形式の葬儀は「一般葬」とも呼ばれ、遺族・親族の他に故人の関係者(学校・会社・取引先・知り合い)など約50名以上が参列する大規模なものになります。一方、家族葬とは遺族や親族、故人の関係者のみが参列する小規模な葬儀形式です。参列者が比較的少ないため、遺族は参列者への対応に追われずに済むメリットがあります。

家族葬には明確な定義がないため、葬儀のスタイルを自由に決められる点もメリットです。日程や進行は一般葬と同様の手順で行われることが多い傾向にあります。亡くなった当日に遺体を搬送・安置し、翌日に納棺・通夜を行います。亡くなってから3日目に告別式から火葬まで行う手順です。

家族葬は1990年代頃から行われるようになりましたが、近年は増加傾向にあります。特に首都圏では全国平均を超える割合となっています。立場別のマナーを知っていれば、いざというときにも戸惑うことなく対応できて安心です。

喪主・遺族側が意識したい家族葬のマナー

家族葬は親しい人たちばかりの集まりだからこそ、互いにマナーに気を付けて、トラブルが起こらないよう心掛ける必要があります。

ここでは、家族葬を行う際に喪主・遺族側が意識しておきたいマナーを紹介します。

家族葬を行うことへの了承を得る

家族葬は一般葬と異なり、希望すれば誰でも葬儀に参加できるものではありません。呼ばれる人の範囲が限られるため、どうしても故人や遺族の意思によって参列者を選別してしまうことになります。遺族・親族の理解を得られなければ「〇〇を呼びたかった」「身内なのに呼ばれなかった」などのトラブルに発展してしまうこともあるでしょう。

中には家族葬自体をあまり理解していない人がいるかもしれません。家族葬を行う際は、まず身内にしっかりと家族葬はどのようなものなのか、参列者をどの範囲に決定したのかを説明し、了承を得る必要があります。

参列者をどこまで呼ぶか決める

家族葬に呼ぶ参列者の範囲には具体的な定義がなく、喪主・遺族の判断にゆだねられます。家族葬という名称から、家族や親族のみしか参列できないと思われがちですが、実際には故人と親しかった人や、故人が参列を希望していた人などが参列していても問題ありません。

人選に悩んだ場合は、参列者の人数を基準にするのがおすすめです。例えば10名程度なら遺族のみ、30名程度なら遺族と親族などと決めるとよいでしょう。

なお、葬儀を行う旨は参列者以外にも連絡します。黙って近親者のみで家族葬を行うと親族間でトラブルになることもあるからです。またトラブルを避けるために後日、家族葬を行った旨を手紙で伝える方法もあります。

参列をお願いする方への連絡マナー

家族葬の参列者への連絡は、一般的に電話で行います。故人と関係が深い人から順に連絡しましょう。ただし遠方の方には移動時間を考慮し、早めに連絡するのがおすすめです。

参列者は学校や仕事を休まなければならないため、家族葬の日程や場所が決まっていなくても、亡くなったことを知らせる連絡だけは、できるだけ早く行います。家族葬の日時は後から追って連絡する旨を伝えましょう。家族葬の日時や場所は、聞き間違いや勘違いを防ぐためにも、電話した後にメールやFAXで送っておくと安心です。

家族葬にお呼びしない方への連絡マナー

家族葬への参列を遠慮いただく場合は、明確な判断基準を持ってお断りします。「なぜ呼ばれなかったのか」などの問いにも、しっかり答えられるようにしておきましょう。どのような基準で参列者を選定したのか説明できるようにすると安心です。例えば「静かに見送ってほしいとの故人の遺志を尊重した」などと伝えるのが無難です。

なお連絡を受けた方は、訃報の連絡を葬儀の案内と勘違いしてしまうこともあるので、注意してください。訃報の連絡をしたつもりが「葬儀に呼ばれた」と勘違いし、参列の予定がないのに来てしまったというトラブルが起こる可能性があります。喪主・遺族の意志を明確にし、勘違いのないように伝えましょう。参列をお断りする方への連絡には、家族葬の日時や場所を伝えないようにすると、トラブルを防げます。

香典辞退の旨は明確に伝える

家族葬では、喪主・遺族側が香典・供花・供物を辞退することもあります。辞退する場合はその旨をはっきり申し伝えないと、参列者はマナーとして香典を持参してしまうので注意しましょう。

ただし「どうしても香典を出したい」という方もいます。当日に香典を直接渡された場合は、相手の気持ちを尊重して受け取りましょう。

香典を辞退したい場合は、葬儀社へ事前に相談するのもおすすめです。香典辞退を記載した看板を受付に設置するなどの具体策を提案してくれます。

正しい服装を心掛ける

家族葬の参列者は顔見知りの人が多いですが、服装マナーは一般葬と同じです。喪主と家族は正喪服(せいもふく)と呼ばれる服装が基本になります。正喪服は最も格式の高い服装で、弔事における正装です。

男性の正喪服は、黒のモーニングか黒紋付羽織袴になります。女性は、ブラックフォーマルのワンピースやアンサンブルで、和服の場合は黒無地染め抜き五つ紋付きの着物です。

ただし、近年は正喪服を持っていない方が多い影響で、喪主も「準喪服」を着用していることが多いです。正喪服を持っていない場合は、男性はブラックスーツ、女性は光沢がなく肌を露出しない黒無地のワンピース・アンサンブル・スーツなどを着用します。

子どもの場合は制服を着用します。制服がない場合は黒を基調にした服装で参列します。黒を基調としていても、キャラクターものや派手な絵柄が描かれている服は避けましょう。

また子どもの場合、大人ではNGのローファーやスニーカーでも問題ありません。ただし蛍光色が入ったスニーカーなどは避け、靴下も黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のものを選びます。

参列者が意識したい家族葬のマナー

家族葬の参列者は遺族や親族が中心ですが、故人と親しかった関係者も参列をお願いされる場合があります。

ここからは、家族葬の連絡を受けた参列者側が意識したいマナーを紹介します。

家族葬には他の人を誘わない

家族葬に参列する人は、喪主や遺族が決めます。参加者の判断で勝手に案内が来ていない人を家族葬に誘うのはマナー違反です。特に自身が故人の友人として参列する場合は「あの人も仲が良かった」「自分より上司が参加すべきだ」などの理由で、友人や上司を連れだって葬儀に来てしまうケースがあります。

喪主や遺族が知らない人間関係があったとしても、勝手に判断するのは禁物です。家族葬の案内が来たら、なるべく口外せずに一人で参列しましょう。

正しい服装で出向く

家族葬の参列者は、一般葬と同様に準喪服(じゅんもふく)と呼ばれるブラックフォーマルで参列します。

男性の準喪服は、ブラックスーツに白のワイシャツと黒のネクタイを合わせます。靴下や靴も黒です。靴は光沢感がない黒の革靴を履きます。女性の準喪服は、黒のワンピース・スーツ・アンサンブルのいずれかを着用します。ストッキングや靴も黒です。靴は光沢感がなくヒールの低いパンプスがよいでしょう。

ただし葬儀案内の中に「平服でお越しください」などと書かれている場合は、平服でも構いません。平服とは略喪服(りゃくもふく)を指します。

男性の略喪服は、ダークグレーや紺のスーツです。ネクタイは無地の黒で光沢がないものを選びます。女性の略喪服は、黒か濃紺のワンピース・アンサンブル・スーツです。いずれも無地のものを着用しますが、多少の織り柄が入っていてもよいでしょう。略喪服の靴下や靴は準喪服のマナーと同様です。

子どもは男の子の場合、黒・濃紺・ダークグレーの無地ジャケットに白シャツを合わせます。女の子は黒・濃紺・ダークグレーの無地のシンプルなワンピースなどを着用します。

香典の要不要を確認する

家族葬の案内状に「香典辞退」の記載があれば、香典を持参する必要はありません。「本当に渡さなくてもよいのか」と悩んでしまう方もいるかもしれませんが、強引に手渡すと相手に負担をかけてしまうこともあるため、言葉通りに受け取りましょう。

香典の辞退にはさまざまな理由があります。主な理由は参列者に負担をかけたくない気持ちです。参列者が遠方に住んでいる場合は、金銭的負担に配慮した理由もあります。また、なるべく葬儀の準備にかかる負担を軽減するため、香典返しの手間を省きたいという事情もあります。

なお案内状に「香典辞退」の記載がない場合や、喪主・遺族に何も言われない場合は、香典を用意しておきましょう。

供花・供物の要不要を確認する

供花・供物とは、故人に対する感謝の気持ちや、遺族への弔意を表わすために葬儀の際に贈る品物です。一般的に通夜・告別式の際に祭壇や会場に飾られます。家族葬の参列者は基本的に供花・供物の用意は不要です。ただし、故人の会社関係者、親しい親族、深い付き合いの友人などは供花・供物を出すケースもあります。

家族葬では香典同様に供物・供花を辞退するケースもありますが、事前に案内がない場合は供花・供物を出しても問題ありません。複数人で用意する場合は「従業員一同」「学友一同」などの名義で贈りましょう。

お悔やみの言葉は受付か喪主に伝える

お悔やみの言葉とは、参列者が遺族にかける思いやりの言葉です。一般葬では受付などでお悔やみの言葉に続けて「お参りさせていただきます」などと言いますが、家族葬は受付が設けられていないケースもあります。

受付がない場合は、喪主や遺族に直接声をかけても大丈夫ですが、落ち着くタイミングを見計らって簡潔に伝えるのがベストです。一般葬と同じように、葬儀に不適切な言葉は使わないよう注意しましょう。

例えば不幸が重なることを連想させる「たびたび」「重ね重ね」などの忌み言葉や、「死ぬ」「亡くなる」など直接的な言葉は避けます。「急死」は「突然のご不幸」、「生存中」は「ご生前」などと言い換えて弔意を伝えます。

葬儀報告がされるまで参列を口外しない

前述のように、葬儀報告がされるまでは、参列する旨を口外しないのもマナーです。「あの人には連絡が来ているのに私には来ていない」などと遺族に連絡が入ったり、家族葬が終わった後の忙しい時間に遺族の自宅へ弔問客が来るといったトラブルに発展しかねません。

家族葬は一般葬と異なり、限られた人のみが参列できる葬儀です。何事も喪主や遺族の判断あってこそと心得ておき、迷惑をかけるのは避けましょう。

参列しない人が意識したい家族葬のマナー

家族葬は限られた人数で執り行うため、参列を希望しても葬儀に参列できない場合もあります。参列しない場合は、どうしても弔意を示したいという思いから、香典や供花・供物だけでも送りたいと思う人もいるでしょう。しかし家族葬では、参列者以外からの香典は辞退するのが一般的です。

ここでは、参列しない人が心掛けておきたいマナーを紹介します。

喪主に無用な連絡はしない

参列しない人は弔意を示したいという気持ちから、喪主や遺族に連絡をしてしまうことがよくあります。しかし喪主・遺族は多忙です。訃報連絡を受け取った直後や家族葬の前後は電話を控えましょう。

どうしても電話をかけたい場合は、家族葬を終えて数日してからなど、落ち着いたタイミングを見計らって電話するのがマナーです。なるべく喪主・遺族の負担を軽減するよう心掛けましょう。

香典・供花・供物・弔電を辞退していないか確認する

家族葬に参列しない場合は基本的に香典は送りません。供物や供花も香典同様、返礼品が必要になるため喪主や遺族の負担になってしまうことがあります。訃報や家族葬の連絡案内を受ける際に、香典・供花・供物・弔電などを辞退する連絡があればなおさらです。

辞退の連絡がない場合や何も言われない場合は、念のために用意しておくのもよいでしょう。ただし香典・供花・供物は、送ってもよいかどうか事前に喪主・遺族に確認してから送ります。弔電は一般的に送ってもよいとされているので、どうしても弔意を伝えたい場合は弔電に留めておきましょう。

家族葬の香典・香典返しの費用相場

家族葬だからといって、一般葬に比べて香典の相場に大きな差が生じることはありません。香典は一般葬と同じ相場と考えてよいでしょう。香典は一般に、血のつながりが濃いほど高額になる傾向があります。

近年の家族葬の香典額平均は、自分の親の場合2万6,000円ほど、配偶者の親の場合3万6,000円ほど、自分の兄弟・姉妹の場合は2万4,000円ほどとなっています。

香典に包む金額は偶数を避ける、端数を出さない、4や9などの縁起の悪い金額を入れないなどのマナーがあります。2万円・4万円・6万円・8万円は避けて、1万円・3万円・5万円を包みましょう。ただし偶数でも10万円は問題ありません。

家族葬の香典返しは、一般的に頂いた額の半額(半返し)から3分の1程度が相場です。例えば、3万円の香典を頂いた場合、香典返しは半返しの1万5,000円か10,000円ほどが相場となります。香典返しの品物は、食品や日用品などのいわゆる「消え物」が選ばれます。日持ちのする食品やタオル・せっけんなどの消耗品が一般的です。高額な香典を頂いた場合には、カタログギフトが喜ばれます。

まとめ

家族葬で意識したいマナーを「喪主・遺族」「参列者」「参列しない人」それぞれの立場で解説しました。家族葬は参列者が限られた比較的新しい葬儀の形式なので、周囲の理解を得て行うことが大切です。また家族葬に参列する人・しない人は、喪主や遺族の立場になって、相手の意向に沿った対応をしましょう。

株式会社サン・ライフでは、一般葬の他に家族葬のご相談も承っています。神奈川や東京で家族葬を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

近年は家族や親戚などの近親者だけで見送る家族葬が増えています。ただし家族葬には明確な定義がないため、マナーが分からないという方も多いでしょう。参列する、しないに関わらず一般的な知識として家族葬のマナーを知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。

この記事では喪主や遺族側、参列する方、参列しない方それぞれの視点で家族葬のマナーを詳しく解説します。

家族葬とは?

一般的な形式の葬儀は「一般葬」とも呼ばれ、遺族・親族の他に故人の関係者(学校・会社・取引先・知り合い)など約50名以上が参列する大規模なものになります。一方、家族葬とは遺族や親族、故人の関係者のみが参列する小規模な葬儀形式です。参列者が比較的少ないため、遺族は参列者への対応に追われずに済むメリットがあります。

家族葬には明確な定義がないため、葬儀のスタイルを自由に決められる点もメリットです。日程や進行は一般葬と同様の手順で行われることが多い傾向にあります。亡くなった当日に遺体を搬送・安置し、翌日に納棺・通夜を行います。亡くなってから3日目に告別式から火葬まで行う手順です。

家族葬は1990年代頃から行われるようになりましたが、近年は増加傾向にあります。特に首都圏では全国平均を超える割合となっています。立場別のマナーを知っていれば、いざというときにも戸惑うことなく対応できて安心です。

喪主・遺族側が意識したい家族葬のマナー

家族葬は親しい人たちばかりの集まりだからこそ、互いにマナーに気を付けて、トラブルが起こらないよう心掛ける必要があります。

ここでは、家族葬を行う際に喪主・遺族側が意識しておきたいマナーを紹介します。

家族葬を行うことへの了承を得る

家族葬は一般葬と異なり、希望すれば誰でも葬儀に参加できるものではありません。呼ばれる人の範囲が限られるため、どうしても故人や遺族の意思によって参列者を選別してしまうことになります。遺族・親族の理解を得られなければ「〇〇を呼びたかった」「身内なのに呼ばれなかった」などのトラブルに発展してしまうこともあるでしょう。

中には家族葬自体をあまり理解していない人がいるかもしれません。家族葬を行う際は、まず身内にしっかりと家族葬はどのようなものなのか、参列者をどの範囲に決定したのかを説明し、了承を得る必要があります。

参列者をどこまで呼ぶか決める

家族葬に呼ぶ参列者の範囲には具体的な定義がなく、喪主・遺族の判断にゆだねられます。家族葬という名称から、家族や親族のみしか参列できないと思われがちですが、実際には故人と親しかった人や、故人が参列を希望していた人などが参列していても問題ありません。

人選に悩んだ場合は、参列者の人数を基準にするのがおすすめです。例えば10名程度なら遺族のみ、30名程度なら遺族と親族などと決めるとよいでしょう。

なお、葬儀を行う旨は参列者以外にも連絡します。黙って近親者のみで家族葬を行うと親族間でトラブルになることもあるからです。またトラブルを避けるために後日、家族葬を行った旨を手紙で伝える方法もあります。

参列をお願いする方への連絡マナー

家族葬の参列者への連絡は、一般的に電話で行います。故人と関係が深い人から順に連絡しましょう。ただし遠方の方には移動時間を考慮し、早めに連絡するのがおすすめです。

参列者は学校や仕事を休まなければならないため、家族葬の日程や場所が決まっていなくても、亡くなったことを知らせる連絡だけは、できるだけ早く行います。家族葬の日時は後から追って連絡する旨を伝えましょう。家族葬の日時や場所は、聞き間違いや勘違いを防ぐためにも、電話した後にメールやFAXで送っておくと安心です。

家族葬にお呼びしない方への連絡マナー

家族葬への参列を遠慮いただく場合は、明確な判断基準を持ってお断りします。「なぜ呼ばれなかったのか」などの問いにも、しっかり答えられるようにしておきましょう。どのような基準で参列者を選定したのか説明できるようにすると安心です。例えば「静かに見送ってほしいとの故人の遺志を尊重した」などと伝えるのが無難です。

なお連絡を受けた方は、訃報の連絡を葬儀の案内と勘違いしてしまうこともあるので、注意してください。訃報の連絡をしたつもりが「葬儀に呼ばれた」と勘違いし、参列の予定がないのに来てしまったというトラブルが起こる可能性があります。喪主・遺族の意志を明確にし、勘違いのないように伝えましょう。参列をお断りする方への連絡には、家族葬の日時や場所を伝えないようにすると、トラブルを防げます。

香典辞退の旨は明確に伝える

家族葬では、喪主・遺族側が香典・供花・供物を辞退することもあります。辞退する場合はその旨をはっきり申し伝えないと、参列者はマナーとして香典を持参してしまうので注意しましょう。

ただし「どうしても香典を出したい」という方もいます。当日に香典を直接渡された場合は、相手の気持ちを尊重して受け取りましょう。

香典を辞退したい場合は、葬儀社へ事前に相談するのもおすすめです。香典辞退を記載した看板を受付に設置するなどの具体策を提案してくれます。

正しい服装を心掛ける

家族葬の参列者は顔見知りの人が多いですが、服装マナーは一般葬と同じです。喪主と家族は正喪服(せいもふく)と呼ばれる服装が基本になります。正喪服は最も格式の高い服装で、弔事における正装です。

男性の正喪服は、黒のモーニングか黒紋付羽織袴になります。女性は、ブラックフォーマルのワンピースやアンサンブルで、和服の場合は黒無地染め抜き五つ紋付きの着物です。

ただし、近年は正喪服を持っていない方が多い影響で、喪主も「準喪服」を着用していることが多いです。正喪服を持っていない場合は、男性はブラックスーツ、女性は光沢がなく肌を露出しない黒無地のワンピース・アンサンブル・スーツなどを着用します。

子どもの場合は制服を着用します。制服がない場合は黒を基調にした服装で参列します。黒を基調としていても、キャラクターものや派手な絵柄が描かれている服は避けましょう。

また子どもの場合、大人ではNGのローファーやスニーカーでも問題ありません。ただし蛍光色が入ったスニーカーなどは避け、靴下も黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のものを選びます。

参列者が意識したい家族葬のマナー

家族葬の参列者は遺族や親族が中心ですが、故人と親しかった関係者も参列をお願いされる場合があります。

ここからは、家族葬の連絡を受けた参列者側が意識したいマナーを紹介します。

家族葬には他の人を誘わない

家族葬に参列する人は、喪主や遺族が決めます。参加者の判断で勝手に案内が来ていない人を家族葬に誘うのはマナー違反です。特に自身が故人の友人として参列する場合は「あの人も仲が良かった」「自分より上司が参加すべきだ」などの理由で、友人や上司を連れだって葬儀に来てしまうケースがあります。

喪主や遺族が知らない人間関係があったとしても、勝手に判断するのは禁物です。家族葬の案内が来たら、なるべく口外せずに一人で参列しましょう。

正しい服装で出向く

家族葬の参列者は、一般葬と同様に準喪服(じゅんもふく)と呼ばれるブラックフォーマルで参列します。

男性の準喪服は、ブラックスーツに白のワイシャツと黒のネクタイを合わせます。靴下や靴も黒です。靴は光沢感がない黒の革靴を履きます。女性の準喪服は、黒のワンピース・スーツ・アンサンブルのいずれかを着用します。ストッキングや靴も黒です。靴は光沢感がなくヒールの低いパンプスがよいでしょう。

ただし葬儀案内の中に「平服でお越しください」などと書かれている場合は、平服でも構いません。平服とは略喪服(りゃくもふく)を指します。

男性の略喪服は、ダークグレーや紺のスーツです。ネクタイは無地の黒で光沢がないものを選びます。女性の略喪服は、黒か濃紺のワンピース・アンサンブル・スーツです。いずれも無地のものを着用しますが、多少の織り柄が入っていてもよいでしょう。略喪服の靴下や靴は準喪服のマナーと同様です。

子どもは男の子の場合、黒・濃紺・ダークグレーの無地ジャケットに白シャツを合わせます。女の子は黒・濃紺・ダークグレーの無地のシンプルなワンピースなどを着用します。

香典の要不要を確認する

家族葬の案内状に「香典辞退」の記載があれば、香典を持参する必要はありません。「本当に渡さなくてもよいのか」と悩んでしまう方もいるかもしれませんが、強引に手渡すと相手に負担をかけてしまうこともあるため、言葉通りに受け取りましょう。

香典の辞退にはさまざまな理由があります。主な理由は参列者に負担をかけたくない気持ちです。参列者が遠方に住んでいる場合は、金銭的負担に配慮した理由もあります。また、なるべく葬儀の準備にかかる負担を軽減するため、香典返しの手間を省きたいという事情もあります。

なお案内状に「香典辞退」の記載がない場合や、喪主・遺族に何も言われない場合は、香典を用意しておきましょう。

供花・供物の要不要を確認する

供花・供物とは、故人に対する感謝の気持ちや、遺族への弔意を表わすために葬儀の際に贈る品物です。一般的に通夜・告別式の際に祭壇や会場に飾られます。家族葬の参列者は基本的に供花・供物の用意は不要です。ただし、故人の会社関係者、親しい親族、深い付き合いの友人などは供花・供物を出すケースもあります。

家族葬では香典同様に供物・供花を辞退するケースもありますが、事前に案内がない場合は供花・供物を出しても問題ありません。複数人で用意する場合は「従業員一同」「学友一同」などの名義で贈りましょう。

お悔やみの言葉は受付か喪主に伝える

お悔やみの言葉とは、参列者が遺族にかける思いやりの言葉です。一般葬では受付などでお悔やみの言葉に続けて「お参りさせていただきます」などと言いますが、家族葬は受付が設けられていないケースもあります。

受付がない場合は、喪主や遺族に直接声をかけても大丈夫ですが、落ち着くタイミングを見計らって簡潔に伝えるのがベストです。一般葬と同じように、葬儀に不適切な言葉は使わないよう注意しましょう。

例えば不幸が重なることを連想させる「たびたび」「重ね重ね」などの忌み言葉や、「死ぬ」「亡くなる」など直接的な言葉は避けます。「急死」は「突然のご不幸」、「生存中」は「ご生前」などと言い換えて弔意を伝えます。

葬儀報告がされるまで参列を口外しない

前述のように、葬儀報告がされるまでは、参列する旨を口外しないのもマナーです。「あの人には連絡が来ているのに私には来ていない」などと遺族に連絡が入ったり、家族葬が終わった後の忙しい時間に遺族の自宅へ弔問客が来るといったトラブルに発展しかねません。

家族葬は一般葬と異なり、限られた人のみが参列できる葬儀です。何事も喪主や遺族の判断あってこそと心得ておき、迷惑をかけるのは避けましょう。

参列しない人が意識したい家族葬のマナー

家族葬は限られた人数で執り行うため、参列を希望しても葬儀に参列できない場合もあります。参列しない場合は、どうしても弔意を示したいという思いから、香典や供花・供物だけでも送りたいと思う人もいるでしょう。しかし家族葬では、参列者以外からの香典は辞退するのが一般的です。

ここでは、参列しない人が心掛けておきたいマナーを紹介します。

喪主に無用な連絡はしない

参列しない人は弔意を示したいという気持ちから、喪主や遺族に連絡をしてしまうことがよくあります。しかし喪主・遺族は多忙です。訃報連絡を受け取った直後や家族葬の前後は電話を控えましょう。

どうしても電話をかけたい場合は、家族葬を終えて数日してからなど、落ち着いたタイミングを見計らって電話するのがマナーです。なるべく喪主・遺族の負担を軽減するよう心掛けましょう。

香典・供花・供物・弔電を辞退していないか確認する

家族葬に参列しない場合は基本的に香典は送りません。供物や供花も香典同様、返礼品が必要になるため喪主や遺族の負担になってしまうことがあります。訃報や家族葬の連絡案内を受ける際に、香典・供花・供物・弔電などを辞退する連絡があればなおさらです。

辞退の連絡がない場合や何も言われない場合は、念のために用意しておくのもよいでしょう。ただし香典・供花・供物は、送ってもよいかどうか事前に喪主・遺族に確認してから送ります。弔電は一般的に送ってもよいとされているので、どうしても弔意を伝えたい場合は弔電に留めておきましょう。

家族葬の香典・香典返しの費用相場

家族葬だからといって、一般葬に比べて香典の相場に大きな差が生じることはありません。香典は一般葬と同じ相場と考えてよいでしょう。香典は一般に、血のつながりが濃いほど高額になる傾向があります。

近年の家族葬の香典額平均は、自分の親の場合2万6,000円ほど、配偶者の親の場合3万6,000円ほど、自分の兄弟・姉妹の場合は2万4,000円ほどとなっています。

香典に包む金額は偶数を避ける、端数を出さない、4や9などの縁起の悪い金額を入れないなどのマナーがあります。2万円・4万円・6万円・8万円は避けて、1万円・3万円・5万円を包みましょう。ただし偶数でも10万円は問題ありません。

家族葬の香典返しは、一般的に頂いた額の半額(半返し)から3分の1程度が相場です。例えば、3万円の香典を頂いた場合、香典返しは半返しの1万5,000円か10,000円ほどが相場となります。香典返しの品物は、食品や日用品などのいわゆる「消え物」が選ばれます。日持ちのする食品やタオル・せっけんなどの消耗品が一般的です。高額な香典を頂いた場合には、カタログギフトが喜ばれます。

まとめ

家族葬で意識したいマナーを「喪主・遺族」「参列者」「参列しない人」それぞれの立場で解説しました。家族葬は参列者が限られた比較的新しい葬儀の形式なので、周囲の理解を得て行うことが大切です。また家族葬に参列する人・しない人は、喪主や遺族の立場になって、相手の意向に沿った対応をしましょう。

株式会社サン・ライフでは、一般葬の他に家族葬のご相談も承っています。神奈川や東京で家族葬を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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