香典は、弔意を示すために非常に重要なものです。多くの場合、通夜や葬儀のときにこれを持参し、お渡しするやり方を取ります。しかし通夜や葬儀に参列できない場合もあるでしょう。その場合は、「郵送」というかたちで対応することになります。
    ここでは、香典を郵送するときの基本やマナー、そのタイミングや手紙の書き方などについて解説していきます。

    香典は郵送してもよい

    香典は郵送してもよい
    香典(本来は「香典」は仏教に限られた名称であり、キリスト教などのほかの宗派の場合は「不祝儀」となる。ただ多くの人にとってなじみ深い言葉なので、ここでは「香典」で統一)を郵送すること自体は、マナー違反ではありません。
    そのため、通夜や葬儀に参列できない場合は、「郵送」というかたちでお渡ししても問題ありません。
    遠方に住んでいたり、けがや病気で外出が難しかったりする場合もあるでしょう。しかし「郵送」ならば、香典とともに弔意を伝えることができるわけです。

    香典を郵送する際の基本

    ここからは、香典を郵送するときの基本ついて解説していきます。

    現金書留で送る

    香典は「現金」であるため、必ず現金書留で送らなければなりません。普通郵便や宅配便で送ることは、日本の法律(郵便法第17条および84条)によって禁じられています。ちなみにこの法律を犯した場合、300,000円以下の罰金刑が課せられます。
    香典を送る場合には、添え状(手紙のこと。後述します)も同封します。つまり、香典を送る場合に必要なのは、以下の4つです。

    • 現金書留の封筒
    • 香典袋
    • お金
    • 添え状

    送り先を確認する

    香典の送り先は、「自宅もしくは葬儀社あるいは葬式を行う会場」にします。
    ただし葬式を行う会場は葬儀が終われば原則として足を運ばない場所ですし、葬儀社とのやり取りも葬式が終わってしまえばそれほど頻繁に行うものではありません。そのため、「通夜や葬儀の日に届けられる場合は葬儀社もしくは葬儀会場、それ以降に着く場合は自宅に送る」と考えるとよいでしょう。
    また、葬儀社や葬儀会場に送る場合は、まず葬儀社または会場へ電話等で「香典を送付したい」旨の確認をします。送付が可能であれば、「どの家にあてたものか」が分かるように、喪主名をフルネームで記します。また、このときには「〇〇葬儀場 気付 ▼▼様」などのように表現することがあります。この「気付」とは弔電などにみられる宛名の書き方で、「弔電(など)を届ける関係先につけて使う言葉」です。そのため、自宅に送る場合は用いません。
    なお現在は、「家族葬につき香典を辞退する」というご家庭も増えています。そのため、その意向をご家族が示されているのならば送ってはいけません。香典を送る場合は、念のため葬儀社に問い合わせてご家族の意向を聞くとよいでしょう。

    香典を郵送する際に気を付けるべき点

    香典を郵送する際に気を付けるべき点
    香典を郵送するときに気を付けるべき点として、以下の3つがあります。

    • できるだけ早く送る
    • 忌み言葉は使わない
    • 薄墨で書く

    1つずつ解説します。

    葬儀後1か月以内に届くように送る

    香典は、なるべく早く郵送します。可能ならば1週間以内、遅くても1か月以内に相手に届くように手配するとよいでしょう。
    ちなみに現金書留の場合は、日付指定で送ることが可能です。これを使えば、通夜や葬儀の当日に、葬儀会場に送ることも可能です。

    忌み言葉は使用しない

    葬送の場では、忌み言葉は使いません。たとえば不幸が重なることを連想させる重ね言葉や繰り返しを意味する言葉、生死を直接的に表す言葉がこれにあたります。
    また、「その宗教のみに使えるお悔やみの言葉」もあるため、これも理解しておきましょう。

    <主な忌み言葉>
    重ね言葉 重ね重ね(かさねがさね)、益々(ますます)、度々(たびたび)、重々(じゅうじゅう)、次々(つぎつぎ)、再三(さいさん)、いよいよ、くれぐれも、かえすがえすなど
    繰り返しを意味する言葉 続く、引き続き、再び、再々、次に、なお、また、追って、追いかけるなど
    生死に関わる表現 死亡、逝去、死ぬ、生きる、存命中、自殺など
    不吉な表現 浮かばれない、大変なことになる、消えるなど
    宗教・宗派で使っていけない言葉 神式やキリスト教式の場合:成仏、供養、往生など仏式の表現
    浄土真宗の場合:霊前、冥福など

    薄墨で書く

    香典の表書きは、薄墨の毛筆もしくは筆ペンを使って書きます。
    これは「悲しみのために墨をする力もありません」「涙を落して墨がにじんでしまいました」ということを表す表現だと考えられています。
    なお、選ぶ香典袋は、黒白の結び切りの水引で、白い無地の封筒のものを選ぶのがもっとも無難です。そして表書きは「御霊前」としましょう。厳密に言えばこの表記がNGとなる宗派もありますが、基本的にはこのスタイルはどの宗教・どの宗派でも許容されます。相手の宗派までは分からない……という場合でも、このスタイルなら大丈夫です。

    ▼【宗派別】香典の書き方に関する記事も参考になります。
    香典の書き方は宗派ごとに違う|正しい書き方と基本的なマナーを解説します!香典の書き方は宗派ごとに違う|正しい書き方と基本的なマナーを解説します!

    香典を郵送するタイミングと宛先

    香典を郵送するタイミングと宛先
    上記では、「香典を送るときには手紙を添える」としました。これは、弔意を示す意味でも非常に重要です。
    このときに書くべきことと例文を紹介していきます。

    香典を郵送するときの手紙(添え状)の書き方

    手紙(添え状)に書くことは、次の4つです。

    • 故人へのお悔やみ
    • 参列できないことの詫び
    • 香典を送ること
    • 哀悼の気持ち

    それぞれ解説していきます。

    最初から故人に対するお悔やみの言葉を書く

    冒頭に、故人に対するお悔やみの言葉を記します(下記、「このたびは、お悔やみ申し上げます。」に相当)。
    なお香典を送るときの手紙(添え状)には季節の挨拶などは記しません。本文から始めます。

    参列できないことを詫びる

    葬式に参列できないことを記し、詫びます。ここにご家族への寄り添いの気持ちも記しましょう。
    下記の「大切な方のご逝去、ご家族様に置かれましてはさぞご心痛のことと思います。ご葬儀に参列できなかったこと、心よりお詫び申し上げます。」「本来であればご葬儀に参列すべきところではございますが、入院中につき叶わず、心よりお詫び申し上げます。」がここに相当します。

    香典を郵送・同封する旨を伝える

    手紙(添え状)の趣旨である「香典を郵送したこと」を記します。謙遜の意味での「心ばかり」などを入れたり、「霊前に供えてほしい」ということもここで言いましょう。
    下記の「心ばかりのものではございますが、香典を同封いたしました。どうぞ御霊前にお供えいただければと思います。」がここにあたります。

    ▼香典の書き方に関するマナーの記事も参考になります。
    香典袋への正しいお札の入れ方│金額相場と渡すタイミング香典袋の書き方のマナー│金額相場と渡すタイミング

    心より哀悼の意を表す

    下記の「改めて、〇〇様の旅路が安らかならんことをお祈り申し上げます」のように、最後に故人への哀悼の意を記します。また、ご家族への寄り添いの文章にしても構いません。

    お悔やみの手紙の例文

    ここからは、お悔やみの手紙(添え状)の例文を2つ紹介します。

    ご葬儀に参列できなかった場合

    <例>
    〇〇様のご逝去、謹んでお悔やみ申し上げます。
    訃報を受けまして私も大変驚きと悲しみを抱いておりますが、大切な方のご逝去、ご家族様に置かれましてはさぞご心痛のことと思います。
    本来であればご葬儀に参列すべきところではございますが、入院中につき叶わず、心よりお詫び申し上げます。
    心ばかりのものではございますが、香典を同封いたしました。どうぞ御霊前にお供えいただければと思います。改めて、〇〇様の旅路が安らかならんことをお祈り申し上げます」

    ご葬儀後に訃報を知った場合

    <例>
    このたびは、心よりお悔やみ申し上げます。
    お亡くなりになったことを存じ上げず、ご弔問にお伺いできなかったことを大変申し訳なく思っております。遅ればせながら、〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。ご家族様もさぞお力落としのことと拝察いたしますが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
    〇〇様のご冥福をお祈りし、心ばかりのものを同封させていただきました。御霊前にお供えいただければと存じます。

    まとめ

    香典は、郵送しても構わないものです。ただ送るときは現金書留とし、送り先は自宅(葬式後)・葬儀社もしくは葬儀会場(通夜葬儀当日)にしなければなりません。なお、送るタイミングは遅くても1か月以内とされていて、薄墨の使用や忌み言葉の不使用が求められます。
    香典に添える挨拶状は、「お悔やみの言葉」「参列できないことの詫び」「香典を郵送する旨」「故人やご家族への寄り添いの文章」で締めます。
    香典の郵送についてご不安やご不明点がありましたら、サン・ライフへお気軽にご相談ください。