身内に起こる不幸は、いつも突然です。たとえ長患いをしているご家族がいたとしても、その死の正確な日時はだれも分からないものです。このような「突然の不幸」に襲われた時、人は混乱してしまいます。
    この混乱を最小限にするために、ここでは「身内の不幸があった場合に、喪主(となるべき人)が行うこと・ご親族が行うべきこと」や「必要な手続きとは何か、気を付けるべきことは何か」を抑え、身内に不幸があった場合に取るべき行動について網羅的に解説していきます。

    「身内の不幸」の意味

    「身内の不幸」とは、家族や親族など血縁・近しい関係にある人が亡くなったり、重篤な事態に陥ったりすることを指す表現です。主に家族や親しい親戚に死去や事故といった不幸な出来事が起きた状況を表します。
    この表現は、ビジネスシーンや日常生活において、仕事の約束を守れなかったり、予定していたイベントを欠席したりする理由として使われることが多いです。「誰々が亡くなった」と直接的に説明するのではなく、「身内の不幸」という婉曲表現を用いることで、自分にとって重大かつ避けられない事態が発生したことを伝え、相手に理解と配慮を求めます。
    この言葉を使うことで、プライバシーに関わる詳細を語らずとも、深追いしてはいけない類の事情であることが相手に伝わりやすくなります。また、具体的な状況を問われるのを避け、一般的な表現で情報を伝えることができるという利点もあります

    身内の不幸があった際に喪主が行うこと

    身内の不幸があった場合に喪主が行うべきこと
    身内に不幸があった場合、その連絡を受けた人が取るべき行動について解説していきます。
    なおここでは、喪主となりうる立場の人が、身内の不幸の連絡を最初に受けた場合を想定してお話していきます。喪主とは一般的に、故人と最も近しい関係の者で、かつ年長の者が務めます。最も多いケースとしては配偶者、その次に子ども(長女・長男)が当てはまります。ただし、友人や知人が喪主となる場合など一部例外もあるため、一概に決まっているわけではありません。
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    親族や関係者へ訃報連絡

    訃報を受けた人がまず行うべきことは、「家族や親族、関係者への連絡」です。連絡をする順番には優先順位があります。

    1. 家族
    2. 三親等以内の親族(※ただし三親等に入っていなくても、故人との仲が良かった人には連絡する)
    3. 故人の友人知人、関係者
    4. 家族の友人知人、関係者
    5. 町内会や自治会など

    なお、現在非常によく選ばれる「家族葬」の場合は、原則として「家族葬に呼ぶ人」にしか声を掛けません。ただし、学校や勤務先がある場合は忌引き休暇を取らなければならないので、「亡くなったこと」は伝えるようにしましょう。菩提寺がある場合は、菩提寺への連絡も欠かさずに行います。
    また連絡手段は、基本的に電話で行います。電話が繋がらない場合は、メールなどを利用しましょう。

    葬儀社への連絡

    家族・親族・関係者への連絡と並行して、葬儀社に連絡を行います。葬儀社は365日24時間電話を受け付けていますから、亡くなった時点で連絡をしましょう。病院で亡くなった場合でも、霊安室は長くは使えないため、葬儀社にはすぐに連絡するようにしましょう。
    その後、故人を葬儀社の寝台車に乗せて安置場所まで運びます。
    この場合の注意点として、葬儀場をどこにするか悩む時間がないということがあります。「亡くなってから安置場所に移動するまで」にかけられる時間は、非常に短く、その中で葬儀社を選ばなければいけません。誰も予期しない突然の不幸の場合は仕方がないこともありますが、可能であればその前から、葬儀社を選んでおくことがおすすめです。

    菩提寺への連絡

    菩提寺がある場合は、菩提寺への連絡も行いましょう。
    葬儀をする場合は、ご家族のスケジュール・菩提寺のスケジュール・火葬場の空き状況・葬儀ホールの空き状況(※「特にこの葬儀ホールで行いたい!」という強い希望がある場合)をすりあわせて日程を決めていかなければなりません。
    原則、菩提寺のご都合を最優先して葬儀日程を決定しますが、どうしてもスケジュールが合わない場合は、菩提寺側から「都合のつく同系列のお寺」を紹介してもらえる場合もあります。注意点として、菩提寺への連絡をせずに葬儀のスケジュールを決定してしまうことは避けるようにしましょう。

    身内の不幸があった場合に家族・親族が行うこと

    上記でも少し触れましたが、「忌引きのための連絡」は非常に重要です。これは、通夜から葬儀で学校や会社を休まなければならない人すべてに関わってくる話です。

    上司や取引先への連絡

    会社勤めの場合は、まず上司や取引先に連絡をします。この場合は葬儀の日程などを伝える必要がありますが、「夜の23時に亡くなり、明日の朝の9時に会議がある」などの場合は、葬儀の日程が決まっていなくても、取り急ぎ「亡くなったこと」だけでも伝えるようにしましょう。
    連絡の仕方については後に解説します。

    忌引休暇の取得

    多くの会社では、「忌引き休暇」を設けています。
    忌引き休暇とは、「身内が亡くなったときに、一定期間与えられる休暇」のことです。
    この忌引き休暇は、実は法律上で定められたものではありません。そのため、忌引き休暇の有無や日数は、会社ごとに異なります。ここでは、一般的な忌引き休暇の目安となる日数を紹介します。

    故人との関係 忌引き日数
    配偶者 10日間
    実父母 7日間
    5日間
    兄弟姉妹 3日間
    祖父母 3日間
    配偶者の父母 3日間
    配偶者の祖父母 1日間

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    身内の不幸があった場合に必要な手続き

    ここからは、身内に不幸があった場合に行うべき手続きについて解説します。
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    死亡後すぐに行うべき手続き

    年金受給停止手続き(死亡後14日以内)

    亡くなった人が年金を受け取っていた場合には、早期に年金事務所に連絡をして年金の受給停止の手続きをしましょう。手続きを怠ると、本来もらえないはずの年金を受給することになってしまいます。
    【手続きを行う場所】
    年金事務所、年金相談センター
    【必要書類】
    ・年金受給権者死亡届(報告書)
    ・年金証書
    ・死亡の事実を明らかにできる書類(死亡診断書のコピーや戸籍抄本など)
    【提出期限】
    ・国民年金の場合、死亡後14日以内
    ・厚生年金の場合、死亡後10日以内

    介護保険資格喪失届(死亡後14日以内)

    故人が65歳以上、または40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた場合、介護保険の資格喪失の手続きが必要です。
    【手続きを行う場所】
    市区町村役場
    【必要書類】
    ・介護保険証
    ・介護保険資格喪失届

    世帯主の変更届(死亡後14日以内)

    故人が世帯主だった場合、同居人が新たに世帯主になる場合は市区町村役場で住民票の「世帯主変更届」を提出しなければなりません。
    【手続きを行う場所】
    市区町村役場
    【期限】
    死亡後14日以内
    その他、以下の公的手続きが必要になります。
    ・雇用保険を受給していた場合の雇用保険受給資格者証の返還(死亡後1か月以内)
    ・所得税準確定申告、納税(死亡を知った翌日から4か月以内)
    ・相続税の申告、納税(死亡を知った翌日から10か月以内)
    ・国民年金の死亡一時金請求(死亡日の翌日から2年以内)
    ・健康保険に加入している場合の埋葬料請求(死亡日の翌日から2年以内)
    ・葬祭料、家族葬祭料請求
    ・故人が国民健康保険に加入していた場合の葬祭費請求((葬儀から2年以内)
    ・高額医療保険の請求(医療費支払いから2年以内)
    ・遺族年金の請求(死亡後5年以内)

    葬儀と初七日までに行う手続き

    ①死亡診断書の受け取り
    親や家族が亡くなったら、すぐに病院の医師から「死亡診断書」を受け取ります。事故死や突然死などの場合には警察に連絡する必要があります。その場合には検視の後、「死体検案書」を作成してもらい受け取るようにして下さい。
    ②死亡届の提出と火葬許可証の受け取り
    死亡診断書や死体検案書と一体になっている「死亡届」に必要事項を記入して、「火葬許可申請書」とともに役所に提出しましょう。これらの書類と引き換えに役所から「火葬許可証」が交付されます。
    【死亡届の提出期限】
    死亡を知った日から7日以内。期限内に提出しないと、5万円以下の過料
    ③葬儀社へ連絡
    葬儀社へ連絡して葬儀の打ち合わせを行います。葬儀社は事前に決めておくことが望ましいですが、決まっていない場合は病院から紹介を受けるか遺族で早期に探してコンタクトを取りましょう。なお、死亡届や火葬許可証の提出については、葬儀社が代行してくれる場合が多いため、相談してみるといいかもしれません。
    ④葬儀の手続きと初七日
    火葬許可証を葬儀社に渡し、葬儀を行います。葬儀とは一般的に通夜、葬儀式、告別式、火葬までを含む言葉です。初七日は、亡くなってから7日目の法要のことですが、近年では、葬儀と一緒の日に済ませることが多くなっています。

    その他の手続き

    以下の手続きもなるべく早く行うようにしましょう。
    ・生命保険金の請求
    ・不動産や預貯金
    ・株式などの名義変更
    ・自動車の所有権移転
    ・電話や公共料金の名義変更または解約
    ・クレジットカードの解約
    ・運転免許証の返納
    ・パスポートの失効手続

    身内の不幸があった際の連絡方法

    身内の不幸があった場合に必要な手続き
    身内に不幸があった場合は、分かりやすく、簡潔にかつ間違いなく伝えなければなりません。
    連絡をする際は、主に以下の内容を含めるようにしましょう。

    • 自分の名前
    • 故人の名前と、故人と自分の関係
    • 故人が亡くなった日
    • すでに葬儀の日程が決まっているのであればその日程(※家族葬の場合でも必要)
    • すでに葬儀の場所が決まっているのであればその場所(※家族葬の場合は必須ではない)
    • 喪主の名前と、自分との関係性(※家族葬の場合は必須ではない)
    • 供花や供物などを辞退する場合はその旨
    • 対会社・学校に忌引き休暇の取得を伝えたい場合は、その日程

    ここからは、身内の不幸があった場合の伝え方について解説していきます。

    身内の不幸があった際の伝え方例文 – 電話の場合

    葬儀の参列を予定している三親等以内の親族に、取り急ぎ亡くなったことを伝えて、すぐに来てほしい場合は要点だけを伝えるようにしましょう。

    お世話になっています、××です。本日の昼ごろ、父の〇〇が亡くなりました。通夜などについては決まり次第御連絡します。喪主は私が務める予定で、連絡先は(自分の携帯番号)です。よろしくお願いいたします

    身内の不幸があった際の伝え方例文 – メールの場合

    親族や関係者へ送るメールの例文

    親族や関係者へ身内の不幸を伝えるメールの例文は以下のようになります:

    件名:○○(故人の名前)の訃報のお知らせ
    本文:
    ○○様
    突然のご連絡で恐縮ですが、父(故人との関係)○○(故人の名前)が本日(日付)、(死因)のため他界いたしました。
    ここに謹んでお知らせ申し上げます。
    通夜:○月○日(曜日) ○時より
    葬儀・告別式:○月○日(曜日) ○時より
    場所:○○斎場(住所)
    なお、葬儀の詳細につきましては追ってご連絡させていただきます。
    何かございましたら、下記連絡先までご連絡ください。
    連絡先:○○○-○○○○-○○○○(携帯電話番号)
    ○○○○(あなたの名前)

    この例文は、訃報を丁寧に伝えつつ、必要な情報を簡潔に記載しています。状況に応じて、故人との思い出や感謝の言葉を追加することも適切です

    職場や取引先へ送るビジネスメールの例文

    上司への連絡例

    件名:ご連絡 父親の訃報
    本文:
    営業部 営業推進課課長 ○○○○様
    お疲れ様です。
    本日〇時、父 ○○○○(フルネーム)が他界いたしました。
    以下をご報告申し上げます。
    死亡者氏名:○○○○
    年齢:享年78歳
    死亡日時:20○○年○月○日 ○時○分
    続柄:父
    通夜:令和○年○月○日(○) 18:00より
    葬儀告別式:令和○年○月○日(金) 14:00~15:00まで
    場所:○○会館 (住所、電話番号)
    仏式:浄土真宗
    喪主:○○○○(長男)
    忌引休暇のお願い:○月○日から○月○日の〇日間、忌引休暇の申請をいたします。
    連絡先:営業部 営業推進課○○○○(フルネーム)080-****-****
    自宅住所:〇〇県○○市○○○町○丁目○番地○
    明日の朝、改めてお電話いたします。何卒よろしくお願い申し上げます。

    身内の不幸があった際の伝え方例文 – 学校にメールで連絡する場合

    件名:訃報〇〇逝去のお知らせ
    いつもお世話になっております。(××部署の××)(▽▽の母親)です。
    本日昼、息子▽▽が亡くなりました。
    葬儀につきましては、〇月×日に行う予定ですが、近親者のみの家族葬で見送る予定です。また、ご厚志に関しましても、大変恐縮ながら辞退申し上げます。
    つきましては、忌引き休暇を★月◇日~◆日までいただければと思います。
    ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
    喪主(私です)の連絡先は、◆◆◆です
    また、会社などで明日朝一に会議のある場合の取引先や上司に連絡をする場合は、亡くなった旨と日程の変更だけでも伝えるようにしましょう。
    「件名:★月◇日会議日程変更のお願い
    いつもお世話になっております、××会社××部門の××です。
    ★日◇日の会議の日程の変更の件でご連絡差し上げました。
    大変急ではございますが、本日昼に父〇〇が亡くなったため、スケジュールの変更をお願いできますでしょうか。
    当方の携帯電話番号はこちらです(携帯番号)。
    また、忌引き休暇中の御連絡は、弊社の△△が務めさせていただきます(△△の携帯番号)
    お忙しい中、直前の予定変更でご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございません。
    何卒、よろしくお願いいたします

    身内の不幸があった場合に気をつけるべきこと

    身内の不幸があった場合に必要な手続き
    身内の不幸があった場合に備えて知っておくべきこと・気を付けるべきことについて解説していきます。

    忌中期間

    「忌中」とは、故人のために身を慎んで過ごす期間のことをいいます。「忌中」とされるのは仏教では49日まで、神道ならば50日までです。
    この期間では、次の対応が求められます。

    • 新年の挨拶を控える
    • 結婚式などには出ない
    • 神社には行かない
    • 冠婚葬祭の「「冠」「婚」「祭」を控える

    喪中期間

    「喪中」は、「忌中」をなかに含む期間であり、故人が旅立ってからおおよそ1年を指します。ただしこのあたりは、ご家庭によって多少考え方が違います。
    この喪中期間は以下のことに気をつけましょう。

    • 神社にはいかない
    • 2022年の11月に亡くなったのであれば、2023年の年賀状は控える
    • 忌中のときと同じように、神社には行かないようにする(※ただしお寺への初詣はOK)

    忌引き明けの対応

    身内の不幸があった場合に必要な手続き
    人の死は読み切れないものですから、忌引き休暇が発生するのは止むを得ないことです。ただ、忌引き休暇後、職場に復帰するときは、菓子折りなどを持っていきお礼を述べるのがいいでしょう。また、「会社の人に受付をしてもらった」など葬儀に関わって頂いた場合は特に、お礼を忘れないようにしましょう。
    なお、個人的に不祝儀を渡してくれた人に対しては、香典返しを渡す必要があります。
    現在は「即日返し(3,000円程度の香典返しを、葬儀・通夜の告別式で渡す方法」という方法が取られており、会社の人から頂いた金額の目安が「10,000円」ならば、即日返しで間に合いますが、それ以上の金額を包んでくれた人には個別で香典返しを渡しましょう。
    会社名義での不祝儀に関しては、「会社の規約上、香典返しは受け取れない」とされる場合もあります。この場合は、多額であってもその意向に沿いましょう。

    身内の不幸があった際のよくある疑問・質問

    ここからは、身内に不幸があった場合のよくある疑問について回答していきます。

    「身内の不幸」の「身内」とはどこまで?

    一般的には、二親等(祖父母・兄弟・孫まで)とされることが多いといえます。
    ただしこれは絶対的な決まりではありません。故人と親しく付き合っていたのであれば、二親等よりも遠い存在であっても、喪に服してもまったく問題はありません。

    身内の不幸があった人に対してはなんて言う?

    身内に不幸があった人に対して掛ける言葉は、正確には宗教ごとで異なります。どの宗教でも「切れる」「死ぬ」などの縁起の悪い言葉は避け、「重なる」「またまた」などの重ね言葉、生死を直接表す言葉は使わないようにしましょう。
    一般的に使われるお悔やみの言葉として以下が挙げられます。

    • ご冥福をお祈りします(仏教・浄土真宗以外)
    • お悔やみ申し上げます(主に仏教、浄土真宗でも使用可)
    • 御霊が安らかであるようお祈り申し上げます(神道)
    • 〇〇様が、神の御許で永遠の安息を得られますよう(キリスト教)
    • 〇〇様が安らかな眠りをお祈りいたします(どの宗派でも使える)

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    まとめ

    身内に不幸があったときは、まず「各所への連絡」を行う必要があります。連絡は電話でもメールでも構いませんが、原則として電話で報告するようにしましょう。
    身内の不幸は突然起こる場合が多く、慌ただしくなることも十分に考えられます。予期しない不幸では事前準備を行うことは難しいですが、「喪中や忌中とは」など基本的な知識とマナーは抑えておくようにしましょう。
    葬儀のことでご不明な点がある場合は「サン・ライフ」にお問い合わせください。ご連絡は24時間365日体制で担当のスタッフが受け付けております。相談・通話無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。