埋葬や納骨という言葉を聞いても何をすることだかイメージが湧かない方も多いと思います。
    今回は葬儀の後にやってくる埋葬・納骨とは何をするものなのか、その意味や方法について解説していきます。

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    埋葬とは?

    そもそも埋葬とはどういう意味なのでしょう。
    調べてみると「遺体または遺骨を地中に葬ること」とあります。
    つまり、遺体の状態であっても火葬した遺骨の状態であっても、地中に葬ることを「埋葬」ということがわかります。

    埋葬と納骨の違い


    遺体でも遺骨でも地中に埋めて葬ることを「埋葬」ということはわかりましたが、「埋葬」と「納骨」はどのような違いがあるのでしょうか。
    まず「埋葬」については文字通り遺体や遺骨を「埋める」こと、そして「土に還す」葬り方のことを言います。
    つまり遺体を地中に埋める土葬、火葬した遺骨を骨壺から出し土に還すことを「埋葬」と呼び、一般的なお墓の下にあるカロート(遺骨の収容スペース)に骨壺のまま遺骨を納めるのは厳密には「埋葬」ではなく「埋蔵」と言います。
    カロートの底だけが土のままになっていて、骨壺から遺骨だけを取り出して、実際に土の上に撒く地域もあるので、「埋葬」と「埋蔵」を使い分けている人はなかなかいないかもしれません。
    お墓ではなく遺骨を預ける収容施設である「納骨堂」に関しては「埋める」ことをしませんので。この場合は厳密には「埋蔵」ではなく「収蔵」と言います。
    一方「納骨」とは、骨壺に収容された遺骨を寺院や霊園に「納めること」を言います。
    通常は納骨してそのまま埋葬という流れでほぼ同時に行われているので、意味の違いを実感することはほとんどありません。

    埋葬する理由とは?

    では何故、遺体もしくは遺骨を地中に埋めるのでしょうか。
    それには3つの理由が考えられます。

    ①衛生的な環境を保つため
    仕方のないことですが、亡くなった方の身体は日を追うごとに腐敗が進行していきます。
    ドライアイスや冷蔵庫の無い時代には遺体の状態を保全する術がありませんので、その進行速度は現代以上だと考えられます。
    遺体の腐敗が進むと、悪臭を放ったり虫が集まることがあり、周囲の衛生環境を悪化させてしまいます。
    これは残された方の生活にも悪影響を及ぼすことになってしまいます。
    遺体を地中に埋めることで、その地で生活を続ける方々の衛生環境を守る役割があったと考えられます。

    ②野犬など動物に荒らされるのを防ぐため
    埋葬をしないと、野犬やカラスなど雑食の動物に荒らされる可能性があります。
    動物に荒らされてしまうと、故人の尊厳に傷をつけるだけでなく、遺体が四散してしまいます。
    それを防ぐために遺体を地中に埋め、犬やイノシシなど鼻が利く動物に掘り返されることが無いよう、石を置いたり香りの強い樒を植えました。
    これが現代の墓石や葬儀で使う樒のルーツになっているという説もあるようです。

    ③亡くなった方の尊厳を守るため
    少し前まで一緒に過ごしていた家族が、腐敗により見た目が変わってしまったり、悪臭を放つようになるのを見るほどつらいものはありません。
    また、そのままにしておくのも亡くなった方をないがしろにしているようで、心苦しいものです。
    遺体を速やかに地中に埋めることで、日々変化する故人の姿を見ることがなくなり、尊厳を守ることになります。

    土葬が主流だった昔と違い、代の日本では99.9%が火葬となっており、遺体のまま地中に葬ることはなくなりました。
    動物に荒らされたり、腐敗が進行する前に火葬をしてしまうので、地中に埋葬する必要性はだんだんと薄くなってきましたが、それでも地面におさめる文化が根強いのは、土葬文化の名残だといえます。

    埋葬にもいろいろな種類がある

    葬儀や死に対する考え方も多様化してきている現代において、埋葬に関しても様々な種類と方法があります。ここでは様々な埋葬方法がある中で代表的なものをご紹介します。

    お墓に遺骨を納める


    古くから行われてきたもっともポピュラーな埋葬方法です。
    墓地に墓石を建立し、墓石の下にある骨壺を収容するカロートに遺骨を納めます。
    墓誌にはそこに眠っている先祖の戒名などが彫刻され、受け継がれてきた歴史や縁を感じることができます。
    近年では少子化や核家族化が進み、お墓を守る人がいなくなってしまうことで無縁墓が増えていることが問題視されています。

    永代供養を依頼する

    寺院や霊園に遺骨を納骨し、遺族に代わり管理と供養をしてもらう埋葬方法のことをいいます。
    寺院や霊園が永代に渡って供養してくれるので、お墓を継承する必要がなく、子供がいない方や身寄りがいない方に選ばれています。
    また、お墓用の土地や墓石を準備する必要が無いので費用の負担を軽減できるメリットもあります。

    納骨堂に納める

    納骨堂とは、たくさんの遺骨を収容できる施設のことで遺骨のマンションのようなものです。
    広い敷地を必要としないので、アクセスの良い都市部に建てることができ、屋内にあるので天候を気にせずお参りに行けることから、お年を召した方や車を持っていない方から多く選ばれています。

    散骨・自宅供養

    遺骨を海や山など自然に返す埋葬方法を散骨と言います。
    お墓の継承者がいない方や、海や山など自然が好きだった方によく選ばれています。
    お墓参りをする場所が無いので、遺骨の一部を自宅で祀り手を合わせる対象物として祀る方もいらっしゃいます。

    樹木葬

    墓石の代わりに樹木を植えたり、納骨場所の周りに草木を植えるなど、樹木をシンボルとした埋葬方法です。
    自然志向の方や、自然に囲まれた雰囲気が好きな方に選ばれています。
    一代限りの埋葬方法なので、継承者の心配が不要で、個人の墓を購入する費用に比べると安く抑えられるのも人気の一つです。

    地域や宗教により埋葬方法も異なる

    キリスト教・イスラム教は土葬が多い


    キリスト教やイスラム教では復活思想があるため、身体はその時のために残しておくべきという考え方から火葬せず遺体のまま土葬することが多くなっています。
    キリスト教徒の多いヨーロッパの一部では近年公衆衛生や合理性の観点から、火葬を選択する人も増えているようです。

    インドでは水葬が行われている

    インドのガンジス川流域ではヒンドゥー教の儀式として、ガンジス川の岸辺で火葬し、その遺灰をガンジス川に流す「水葬」が行われています。
    インドではなくなるとまた新たに生まれ変わるという考えがあることから、遺体に対する執着はあまりなく、お墓や霊園を持っているのは全体の2割程度と言われています。

    チベットの鳥葬

    鳥葬とは遺体を鳥に食べさせることで葬る方法で、チベットでは魂の抜けた遺体を天に届けるための儀式として行われています。
    これは多くの命を奪って生きてきた人間が、亡くなった体は他の生命に還元しようという意図もあります。
    また、チベット高原では火葬するための薪が手に入りにくく、寒冷地であり遺体が自然に還るのに時間がかかり、土地が固く埋めるための穴が掘れないという立地的な条件による部分も大きいようです。

    風葬

    風葬とは、亡くなった人を土に埋めたりせずそのままの状態で自然に返す方法です。
    亡くなった人は衣類を着たまま、専用の小屋や棺に安置され、雨風にさらされながら自然に朽ちていきます。
    現在ではほとんど風葬は行われていませんが、東南アジアの一部ではその風習が残っているようです。
    日本では明治時代に沖縄で風葬が行われていたそうです。

    日本国内で一般的な埋葬は何?

    日本国内では火葬での納骨が一般的

    日本においては、99.9%が火葬をしています。
    火葬後の埋葬方法については、先にご紹介した通り様々な埋葬方法があります。なかでも今増えているのは永代供養と樹木葬ではないでしょうか?
    永代供養は寺院や霊園が永代に渡って管理と供養してくれるかたちの埋葬方法で、最初に永代供養料を納めてしまえば、維持費がかからないこともメリットです。
    金額としては10万円~30万円が主流ですが、形式や立地によっては100万円以上することもあります。
    デメリットとしては他の方の遺骨と合祀されてしまうと二度と取り戻すことができなくなってしまうことや、一人当たりの金額設定なので複数人供養を頼むと結局お墓を買った方が安かったということも起こりえます。
    同じ意味では樹木葬も一長一短ある埋葬方法です。
    樹木葬も永代供養と同じく、継承者の心配がいらないことやお墓を購入する費用と比べると安価であることに加え、自然に囲まれた明るい雰囲気が特徴です。
    しかしながら、冬の時期など葉が枯れてしまうと石のお墓以上にさみしく感じたり、生き物ゆえに枯れてしまうリスクなどもあります。
    それぞれの埋葬方法はどれも特徴があり、どれがベストということは決められません。
    それぞれの考え方や家庭の状況などを考慮して決めてみてはいかがでしょうか。

    日本国内で土葬をするのは可能?

    最後に、99.9%が火葬をしているとお伝えしましたが、逆に言うとごくわずか土葬をしている人もいます。
    自治体により禁止されている場合がおおいですが、山梨県、和歌山県、三重県の一部では土葬が認められている地域があるので土葬が不可能ということではありません。
    ただし、土葬をする場合には土葬可能な霊園を探し、土葬許可証をもらわないといけません。
    また、2m以上の穴を掘る必要があるなど、現代の日本においてはハードルの高い埋葬方法になっています。

    葬儀から埋葬までの流れと必要書類

    埋葬の流れ


    火葬場で収骨を終えた後、火葬場の職員から骨壺と埋葬許可証を受け取ります。
    埋葬許可証とは火葬許可証に火葬済みの印鑑を押されたもので、収骨時に骨壺を入れる木箱の中に入れて渡されるのが一般的です。
    遺骨は自宅に持ち帰った後、後飾り祭壇という遺骨や遺影写真を祀る簡易的な祭壇に安置し、お線香をあげたりお好きだったものをお供えしたり、日常的な供養をします。
    後飾り祭壇は希望すれば葬儀社のスタッフが自宅にセットしてくれますが、スペースの問題で祭壇が設けられない場合にはテーブルやちゃぶ台に白い布をかけて代用することもできます。
    なお、埋葬許可証は骨壺の納めている木箱の中に入れた状態で渡されることが多いですが、取り出して保管しようとすると紛失する恐れがありますので、取り出したりせずにそのまま保管しておきましょう。
    すでにお墓がある場合には四十九日法要と合わせて埋葬を行うことが多いですが、これは親族が集まる法要のタイミングで一緒に行った方が合理的であるからであり、宗教的な意味合いがあるものではありません。
    地域によっては、葬儀の当日にお寺へ行き、初七日法要を行った後に埋葬をすることもあります。
    お墓が無いご家庭では、お墓の準備が整うまで2~3か月かかることが多く四十九日に間に合いません。その場合は一周忌や三回忌などに納骨することもあります。
    いずれにしても、納骨の時期については菩提寺に相談してみるのが良いでしょう。

    埋葬に必要な書類

    埋葬に必要なのは「埋葬許可証」です。
    これは火葬許可証に火葬執行の印を押したもので、収骨後に骨壺の箱の中に入れて渡される書類です。
    埋葬の際には墓地の管理者に提出しますが、取り出して保管すると紛失の恐れがありますので、箱にしまったままお墓まで持っていくことをお勧めします。
    また、遺骨を2か所に埋葬する場合には「分骨証明書」が必要になります。
    分骨証明書は基本的に火葬執行した火葬場が作成してくれます。
    こちらの書類も分骨を埋葬する際に必要な書類なので遺骨とセットで保管します。
    上記の書類をもし万が一紛失してしまった場合には、火葬許可手続きを行った自治体に相談しましょう。ただ、再発行に対応できるかどうかは市区町村によって異なりますので確認しておきましょう。

    埋葬時期について

    葬後の遺骨は、いつまでに納骨しなくてはいけないのでしょうか。
    実は、お墓に関する法律である「墓地埋葬等に関する法律」にも納骨時期についての規定はありません。
    先祖代々のお墓がある場合には、火葬を終えた当日や四十九日に行うこともできますが、お墓がなければ納骨をすることはできませんので、仏様ができてから新しくお墓を建てる場合には、遺骨をしばらく自宅やお寺で安置した後、一周忌や三回忌などを目処に納骨をするケースが多いようです。
    また、遺骨はお墓に入れなければいけないという決まりもありません。
    最近では、経済的な理由や、個人の思い入れのある場所に遺骨を置いておきたいという昨日から、お墓を設けない供養として「手元供養」や「散骨」といった方法を選ぶ方も増えています。

    埋葬の費用

    お墓

    お墓を新たに設ける場合には、墓石を用意するだけでなく、その墓地の永代使用権、管理費用などが掛かります。
    金額は地域により差がありますが東京や神奈川、福岡など大都市圏ほど金額が高くなる傾向があるようです。全国的な平均では約200万円程度と言われています。
    また、新しく建てたお墓に魂を宿す開眼供養を依頼します。
    これについては寺院により様々ですが3万円~5万円ほどのお布施をご用意します。

    納骨堂

    遺骨を骨壺のまま預け、永代供養までセットになっていることの多い納骨堂での供養。
    都市部に多く、ロッカー式や機械式、位牌式など納骨堂の中でも様々な保管方法があります。費用は30万円~100万円を超える所まで幅があります。

    樹木葬

    墓石の代わりに樹木をシンボルとする埋葬方法で、自然に還る感覚で送れることや永代供養までしてくれることにより、人気の埋葬方法です。
    墓石ほどの費用はかからず、10万円~80万円程度が多いようです。

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