葬儀形式やお墓の様相などが多様化する中で、新しい供養形態の一つとして近年注目を集めているのが樹木葬です。「子どもに負担をかけたくない」「緑に囲まれて安らかに眠りたい」と願う方にとって、選択肢の一つとなっています。

    本記事では、樹木葬の基本的な仕組みや費用相場、メリット・デメリット、埋葬の種類や手続きの流れまでを丁寧に解説します。後悔のない終の住み処選びの一つとして参考にしてください。

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    樹木葬とは? 墓石の代わりに樹木を墓標とする新しいお墓のかたち

    樹木葬(じゅもくそう)は最近よく耳にする言葉ですが、その具体的な内容についてはまだよく知られていないのが現状です。まずは基本を理解しておきましょう。

    樹木葬は法律で認められた永代供養の一つ

    樹木葬とは墓石の代わりに桜やハナミズキ、もみじなど、四季を感じられる樹木や草花を墓標(シンボルツリー)として遺骨を埋葬する新しいスタイルのことです。日本の樹木葬は1999年、岩手県一関市の祥雲寺(現・知勝院)で始まったといわれています。

    埋葬は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、都道府県知事の許可を受けた霊園や寺院の敷地内で行われ、法的に認められたもので自宅や山林などへの無断埋葬は法律で禁止されています。

    ※参考:e-Gov法令検索.「墓地、埋葬等に関する法律」.https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048/20220617_504AC0000000068
    , (参照2024-06-17).

    「自然に還る」イメージから散骨と混同されがちですが、樹木葬は遺骨を地中に埋めるため形式や管理体制が大きく異なります。多くの樹木葬では永代供養が基本となっており、遺族に代わって霊園や寺院が供養や管理を行ってくれる点も特徴です。

    墓じまいを考えている方や後継者がいない方に選ばれている

    樹木葬が注目される背景には、現代社会の家族構成や価値観の変化が挙げられます。少子高齢化や核家族化が進み、「お墓を継いでくれる子どもがいない」「遠方に住む子どもに、お墓の管理で負担をかけたくない」と考える人が増えたのが主な理由です。

    従来の家単位での供養から個人の価値観へと意識が変化していることも、多様な供養方法の選択を促しています。

    それに伴い、お墓の維持管理や後継者問題といった経済的・精神的な負担を軽減できる点が評価され、樹木葬は現代のライフスタイルに合った新たな選択肢として広く受け入れられつつあります。

    散骨や納骨堂との違い

    樹木葬の他にも、お墓を継承する必要がない供養方法として散骨や納骨堂が挙げられます。散骨は、粉状にした遺骨を海や山など自然に撒く葬送法で、墓標が残らないのが特徴です。ただし、地域によっては条例で散骨が制限されている場合もあるので注意しましょう。

    一方、納骨堂は骨壺に入れた遺骨を屋内施設に収蔵する方法で、永代供養になるのが一般的です。施設は都道府県知事の認可を受けており、一つの建物内に多数の納骨スペースがある点は従来のお墓と異なります。

    どちらも後継者がいない、またはお墓の管理負担を避けたいという現代のニーズに応える選択肢となっています。

    また樹木葬や散骨など他の自然葬について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
    樹木葬と散骨の比較:自然に還る2つの選択肢

    樹木葬の費用はいくら?【種類別】相場と内訳を解説

    樹木葬を検討する際には、その具体的な相場や費用の内訳を知ることが大切です。適切なプランを選ぶために、特徴と金額の目安を理解しておきましょう。

    樹木葬の費用相場は20万~80万円

    樹木葬の費用相場は、埋葬方法や立地によって異なりますが、20万〜80万円程度とされています。墓石の建立に100万円以上かかることもある一般墓と比較すると、かなりリーズナブルな供養方法と言えるでしょう。

    比較的費用を抑えられるのは、他の遺骨と一緒に埋葬する合祀型(ごうしがた)で、5万〜30万円ほどです。骨壺から遺骨を取り出し、シンボルと樹木の下にまとめて埋葬されます。一方、個別の区画で供養される「個別型」は相場が高く、40万〜100万円以上になるプランもあります。

    費用の内訳|永代使用料・埋葬料・管理費

    樹木葬にかかる費用は、主に以下の要素で構成されています。

    項目 内容 費用相場
    永代使用料 お墓の土地(区画)を永代にわたって使用する権利の費用 5万~80万円
    (プランによって異なる)
    埋葬料(納骨料) 遺骨を埋葬する際にかかる手数料 3万~10万円
    銘板彫刻代 目印となるネームプレートの作成(墓誌の代替) 3万~15万円
    管理費 霊園全体の共有スペースの維持管理(植栽の手入れ、清掃など)に使われる費用 0~1万円

    これらの費用は、永代供養料に含まれるケースもあれば、個別供養の期間中のみ毎年支払う形式もあり、さまざまです。

    知っておくべき樹木葬のデメリット3つ

    樹木葬を検討するなら、契約してから「思っていたのと違った」と後悔しないために、まずはデメリットや注意点を理解しておきましょう。

    一度埋葬すると遺骨を取り出せない場合がある

    樹木葬のうち、他の方の遺骨と一緒にする合祀(ごうし)という方法を選ぶと、個別に遺骨を取り出せなくなります。これは埋葬する際に遺骨が骨袋などから取り出され、他の方の遺骨と一緒に直接土に埋められるからです。

    個別型や集合型の樹木葬であっても、契約された一定期間(13回忌、17回忌など)が経過すると、最終的に合祀墓に移行するのが一般的です。もし将来的に「やはり別のお墓に引っ越したい」と改葬を考える可能性が少しでもあるなら、一定期間骨壺のまま安置してくれる個別タイプを選ぶのがおすすめです。

    お参りの対象が分かりにくく実感を得にくいことがある

    一般的なお墓では、故人の名前が刻まれた墓石に向かって手を合わせます。しかし樹木葬の場合はシンボルとなる一本の樹木や、広いガーデン全体が礼拝の対象となりどこに向かってお参りすれば良いのかが分かりにくく、故人と向き合っている実感が得にくい場合があります。

    特に里山などに葬るタイプは、樹木の生育や周囲の環境変化により故人のシンボルツリーが分かりにくくなる例があるのも事実です。また線香やお花、お供え物の持ち込みが制限されるケースもあり、一般的に私たちが考えるお墓参りの作法ができないと物足りなさを感じるかもしれません。

    家族や親族の理解が得られない可能性がある

    樹木葬は、近年注目されている新しい埋葬方法です。本人が樹木葬を希望していても、家族や親族、特に年配の方の中には「お墓は墓石があってこそ」「先祖代々のお墓を守るべきだ」といった伝統的な価値観を持つ方もいるでしょう。

    事前の相談なしに樹木葬を決めてしまうと、供養観の違いから後々トラブルに発展する可能性があります。自分の希望を伝えると同時に、家族全員で十分に話し合い同意を得ておくことが大切です。

    デメリットだけではない! 樹木葬が選ばれる4つのメリット

    デメリットを理解した上でも多くの方が樹木葬を選ぶのは、それを上回るメリットがあるからです。次に、樹木葬が現代人に支持される主な理由を紹介します。

    生前に契約できる場合が多い

    樹木葬は、生前に自分のお墓として契約できるケースが多く、自らの意思で安住の地を選ぶことができます。元気なうちに現地を見学し、費用や環境、供養内容などを確認できるため納得のいくかたちで終活を進められる点も魅力です。

    家族にとっても、故人の希望が明確になっていれば埋葬方法の判断やそれに伴う費用の負担が軽減され安心できるでしょう。

    後継者がいなくても無縁仏になる心配がない(永代供養)

    樹木葬は「永代供養」が基本セットとなっており、お墓を継ぐ後継者がいなくても問題ありません。契約時に費用を払えば、その後の管理や供養は霊園や寺院が継続して行い、無縁仏になるといった心配がなくなります。家族のいない方や、残された家族に経済的・精神的な負担をかけたくないという方に適した埋葬方法です。

    ただし、樹木葬を扱っていても、永代供養を行わない施設も存在するので事前に確認しておきましょう。

    宗教・宗派が不問の施設が多い

    民間の霊園が運営する樹木葬のほとんどは、基本的に宗教や宗派を問わずに誰でも受け入れています。これまでお寺との付き合いがなかった方や特定の宗派に属していない方、無宗教の方でも気兼ねなく申し込めます。

    形式にとらわれず、自然なかたちで供養したい方にも適したスタイルといえるでしょう。ただし寺院が管理する樹木葬の中には檀家になるのを条件とするケースもあり、事前に確認が必要です。

    自然に還りたいという希望を叶えられる

    樹木葬は墓石などの人工物に囲まれるのではなく、四季の移ろいを感じる緑豊かな自然の中で安らかに眠りたいという「自然回帰」の願いをかなえる新しい供養です。中でも合祀型は遺骨を骨壺から取り出し、直接土に還すという自然に寄り添った埋葬方法と言えます。

    また公園型や庭園型の樹木葬は、美しい草花や樹木に囲まれた明るい環境が特徴で、従来の墓地のような暗く重い印象はありません。まるで公園のような空間で、家族にとってもピクニック気分で気軽に故人をしのぶ機会を設けられるのも大きな魅力です。

    樹木葬の埋葬方法とタイプ

    一口に「樹木葬」といっても、埋葬方法や霊園の形態にはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分や家族に合った供養のスタイルを選びましょう。

    埋葬方法|合祀・集合・個別の違いと選び方

    樹木葬の埋葬方法は、大きく合祀・集合・個別の3タイプに分かれます。

    埋葬方法 特徴 料金相場
    合祀型 ・遺骨を他の方の遺骨と一緒に埋葬し、個別の区画がない
    ・遺骨は骨壺から出して土に還すため、取り出しは不可
    5万~30万円
    集合型 ・シンボルツリーを複数の遺族とシェアし、骨壺や骨袋に入れた状態で個別に埋葬
    ・他の遺骨と混ざることはない
    20万~50万円
    個別型 ・一人または家族ごとに独立した区画に骨壺や骨袋に入れて個別に埋葬
    ・1区画に1本、シンボルツリーを植えるタイプもある
    40万~150万円

    樹木葬を選ぶ際は、将来的な改葬の可能性や、費用、供養期間などを考慮すると良いでしょう。

    墓地タイプ|里山型・公園型・庭園型の違いと選び方

    樹木葬が行われる霊園のタイプも、主に3つに分類されます。それぞれの雰囲気や特徴を理解し、自分に合った環境を選びましょう。

    タイプ 特徴
    里山型 ・山林や自然保護区の中にある自然共生型の墓地
    ・自然の景観を損なわず、手を加えないのが基本
    ・静かで素朴な環境を好む方に人気
    公園型 ・都市近郊に多く、芝生や歩道が整備された開放的な空間で景観が重視されている
    ・アクセスや管理面で安心感がある
    庭園型 ・花や植栽で彩られた庭園の中に区画がある
    ・季節ごとの自然が楽しめ、明るく洗練された印象
    ・家族連れにも人気

    立地や管理体制など実際に見学して検討するのがおすすめです。

    樹木葬で後悔しないための選び方

    樹木葬で後悔しないようにするには、事前にいくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。以下の4つのポイントを目安に、自身や家族にとって適した形式を選びましょう。

    アクセス|定期的にお参りに行ける場所か

    樹木葬を選ぶ際に大切になる検討事項の一つが、アクセス(交通の便)の利便性です。霊園への交通手段(電車やバス、車など)や所要時間、最寄り駅からの距離、送迎バスの有無などを具体的に確認しましょう。特に里山型の樹木葬は、自然豊かな場所に位置していることが多く、公共交通機関でのアクセスが難しい場合があります。

    自分が高齢になったときに無理なくお参りできるか、遠方に住む家族や親戚がお参りに来てくれるかなど、参拝者の肉体的・心理的な負担を想像することが重要です。里山型が難しい場合は、駅から近い都市型や公園型の樹木葬を選ぶと良いでしょう。

    費用|追加料金の有無を必ず確認する

    樹木葬は一般的に費用が抑えられるイメージがありますが、見学時には安く見えても後からさまざまな追加費用がかかるケースがあります。例として挙げると、年間管理費、銘板の彫刻代、納骨時の法要料や僧侶へのお布施などです。

    見学時に表示されている価格が全て込みの総額なのか、それとも最低価格のみが記載されているのかを事前にスタッフに確認しましょう。安さに惹かれ、契約してから追加費用に驚くケースも少なくありません。不明な点は遠慮せず質問し、全ての費用を明確にしてから判断することが大切です。

    人数|埋葬できる人数に制限があるか

    樹木葬の個別区画はスペースがほぼ限られており、1人用や2人用(夫婦用)など埋葬できる人数が定められているプランがほとんどです。従来の家墓のように「家族みんなで同じ場所に入りたい」と考えている場合、樹木葬のプランでは対応できない可能性があります。

    もし配偶者やペットなどとの埋葬を考えている場合、何人まで埋葬を希望するのかを明確にし、その人数に対応可能なプランがあるかを確認しましょう。将来的に家族構成が変わる可能性も考慮し、柔軟な対応ができるかどうか検討してください。

    環境・設備|日当たりや水はけ、参拝スペースの有無はどうか

    埋葬場所は、霊園のパンフレットやホームページの写真だけで判断せず、必ず現地に足を運んで自分の目で確認しましょう。特に日当たりや水はけ、通路の整備状況、参拝スペースの有無などは重要なチェックポイントです。可能であれば晴れの日だけではなく、雨の翌日などにも訪れて、水たまりの有無やぬかるみ具合を確認すると良いでしょう。

    シンボルツリーや草花が元気に育っているかどうかは、霊園全体の管理状態を見極めるヒントにもなります。長く安心して眠れる場所かどうかを、自分の目で確かめて選ぶ行動力が後悔しないための第一歩です。

    樹木葬の契約から納骨までの流れ

    ここでは、樹木葬を選択した後どのようなステップを踏めば良いかを説明します。スムーズに行えるよう、ステップごとの流れを事前に把握しておきましょう。

    資料請求・情報収集

    まずはインターネットや専門誌で情報を集め、気になる霊園をいくつかリストアップしましょう。樹木葬は承継者不要、費用を抑えられるといった点が特徴ですが、墓地の場所や形式によってさまざまなタイプがあります。まずは自身の希望に合うかを確認し、それらの霊園の資料をまとめて請求した後、詳細を検討します。

    現地見学・相談

    次は現地の見学です。霊園の雰囲気、環境、管理状態などを自分の目で確かめます。特に里山型の樹木葬は自然豊かな場所に位置するため、交通の便や足元の状態を確認しましょう。

    前述した通り、日当たりや水はけ、シンボルツリーや草花の生育状況、霊園全体の管理状況を見るのも大切です。現地のスタッフに相談し、疑問点や不安な点を全て質問して解消しておくと後悔を防げます。

    契約

    見学・相談を経て意思が固まったら、次は契約手続きに進みます。契約書の内容を隅々まで確認し、特に費用や管理、遺骨の扱いに関する項目は念入りにチェックしましょう。永代使用料などの初期費用を支払うと、霊園の利用権を証明する「使用許可証」が発行されます。

    また別途年間管理費が必要なケースや、プレート彫刻料が発生する場合もあるので事前に総額を確認することが大切です。

    遺骨の準備(火葬・粉骨・改葬手続き)

    逝去後に納骨する場合は、火葬後に火葬場で発行される「埋葬許可証」が求められます。遺骨が手元にある場合や、別のお墓から引っ越す改葬の場合は手続きが異なります。

    改葬を行う際は、市町村長の許可が必須です。現在の墓地管理者から埋蔵証明書を取得し、市区町村役場から「改葬許可証」を発行してもらいましょう。

    埋葬許可など手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
    埋葬許可証とは?納骨に必要!発行・再発行の方法を分かりやすく解説

    納骨式・埋葬

    霊園と日程を調整し、納骨式を執り行います。家族や親族に連絡し、僧侶に読経を依頼する場合は手配しましょう。納骨式当日は遺骨と埋葬許可証、そして使用許可証を持参します。区画に遺骨を埋葬するプロセスは、利用する霊園スタッフの案内に従ってください。多くの樹木葬では年間1〜2回の合同法要が一般的ですが、個別法要が可能な霊園もあります。

    まとめ

    樹木葬といっても、その形式や環境にはさまざまな違いがあります。事前にしっかりと情報を収集し、自分や家族にとって無理のない、心から納得できるかたちを選ぶことが大切です。現地の見学やスタッフへの相談を通じて自然の中で穏やかに眠れる場所、自分の思いを託せる供養のかたちを見つけましょう。

    サン・ライフでは、樹木葬だけではなく海洋散骨や手元供養といった多様な終活プランをご用意しております。ご本人やご家族の状況に合わせて、専門スタッフが丁寧にご案内いたしますのでぜひお気軽にお問い合わせください。

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