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神式葬儀とは|神道と仏式、参列時の違いも解説

神式葬儀とは|神道と仏式、参列時の違いも解説
神式葬儀とは|神道と仏式、参列時の違いも解説
作成日:2024/09/11 最終更新日:2024/10/02

葬儀には、故人によってさまざまな執り行い方があります。そのため、参列する方にとっては悩ましいことも多々あるでしょう。そのためこの記事では、神式葬儀の基本的な目的や概要、一般的な流れ、重要なマナー、玉串料について解説します。

神式葬儀(神葬祭)とは

【神式葬儀の目的】

  • ・故人を祀る
  • ・穢れを祓う

神式葬儀(神葬祭)とは、日本国内の宗教の1つである「神道」における葬儀のことです。神道では、亡くなった人は神々の世界へ帰り子孫を見守ると考えられています。
そのため、神式葬儀においては、一般的な葬儀における「故人の冥福を祈ること」を目的とはしていません。「故人を家の守り神として祀る(まつる)こと」を目的として行われる点が、神式葬儀の特徴です。神式葬儀後、祖先は祖先神となって遺族や親族を守る存在になります。
また、神式葬儀には「穢れ(けがれ)」を祓う(はらう)目的もあります。穢れとは、簡単に説明すると悪い状態のことです。
「不幸が起きたことによる穢れを祓い、穢れがない日常の生活に戻す」ことも、神式葬儀を行う目的であるといえます。

仏式との違い

仏式との違い
神式葬儀と一般的な仏教における葬儀が異なるのは、主に以下の点です。

神式葬儀 仏式葬儀
宗教 神道 仏教
死生観 死者は神様(守り神)になり子孫を守り続ける 死者は仏になり冥界へ旅立つ
目的 死者を祀り、穢れを祓って日常を取り戻す 死者の冥福を祈り、極楽浄土へ送る

神道と仏教は、死生観が大きく異なります。そして死生観が異なるため、葬儀を行う目的も異なると考えると良いでしょう。
神道では、個人は亡くなったあとすぐに家の守り神になると考えられています。しかし、仏教では「輪廻転生」の考えがあり、故人は亡くなったあと冥界へ旅立つと考えられています。
こうした考えの違いからそれぞれの葬儀における目的が異なり、葬儀の内容も異なってくるのです。また、仏式における初七日が神式では十日祭、仏式における四十九日が神式では五十日祭であるなど、細かい部分の用語の違いもあります。

神式葬儀の流れ

神式葬儀開催時の流れは、おおむね以下の通りです。

一般的な流れ 概要
1 帰幽報告 「きゆうほうこく」と読む。神棚や御霊舎に、帰幽(亡くなったこと)を報告する。
2 枕直しの儀 ご遺体に白い小袖を着せ、北枕にして寝かせる。祭壇に水や米、酒などを供える。
3 納棺の儀 ご遺体を棺に納め、白い布で覆って拝礼する。
4 通夜祭・遷霊祭 通夜祭 仏式における通夜にあたる。
遷霊祭 「せんれいさい」と読む。故人の御霊をご遺体から霊璽に移す。
5 祭場祭 火葬祭 火葬上で浸食が祭詞を読み、参列者が玉串をささげる。
埋葬祭 お墓にご遺体を埋葬する。
帰家祭 自宅へ戻り、塩や手水によって清める。
直会 「なおらい」と読む。神職やお世話になった人を招き、宴を行う。

それぞれの目的や概要について理解しておくことで、神式葬儀に臨む際の不安が軽減されるでしょう。

神式の葬儀参列時のマナー

神式の葬儀参列時のマナー
神式葬儀に参列する際には、以下のマナーに気を付けることが大切です。

【参列時に注意すべきポイント】

  • ・服装と持ち物
  • ・手水・拝礼
  • ・玉串奉てん

以下で、それぞれについて解説します。

服装・持ち物

神式葬儀だからといっても、特別な服装は必要ありません。神式では、仏式と同じく喪服を着用します。具体的には性別を問わず黒の喪服を着用し、鞄や靴下などの小物も黒が原則です。
また、葬儀において派手な服装や小物は避けなくてはなりません。結婚・婚約指輪以外のアクセサリー類はできるだけ外し、身につけないことが基本です。
さらに、神式においては数珠を身につけないようにします。数珠は仏教における仏具であり、神道とは関係がないためです。
数珠は元々、人間の煩悩の数や僧侶が読んだ経の数を示すものであるとされています。そのため神式葬儀にはふさわしくなく、持ち込まないように注意しましょう。

手水・拝礼

手水(ちょうず)と拝礼の作法についても、やり方を理解しておくことが重要です。

【手水の作法】
  1. 桶の御神水(ごしんすい)をひしゃくですくう
  2. 最初に左手、次に右手を3度にわけて洗い流す
  3. ひしゃくを持ち替え、左手で水を受けて口をすすぐ
  4. ひしゃくを元の位置に戻し、懐紙で両手を拭く
【拝礼の作法】
  1. 頭を2回下げる
  2. 拍手を2回する
  3. 最後に1礼する

手水は、葬儀に臨む前に心身を清めることを目的としている儀式です。また、上記に記した拝礼の作法は、「二礼二拍一礼」と呼ばれています。ただし、拍手の際に音を立てないように「しのび手」をすることがマナーです。

玉串奉てん

玉串奉てんは、自分の心を玉串に乗せて紙に奉げ、故人に手向ける儀式です。玉串奉てんは、以下の流れで行います。

【玉串奉てんの流れ】
  1. 神官から玉串を受け取り、遺族に一礼する
  2. 玉串を正面に立てるように持つ
  3. 玉串を時計回りに回す
  4. 根元が祭壇側になるように。玉串を置く
  5. 玉串をささげて「二礼・二拍手・一礼」を行う
  6. 数歩下がり、遺族に一礼して元の位置に戻る

玉串料について

玉串料について
玉串料は、香典袋に入れてお渡しします。香典袋は白黒もしくは双銀の水引のものを選ぶことが一般的です。香典袋の表書きには、「御玉串料」「御榊料」「御神前」のいずれかを記載します。もし宗派が分からず困ってしまったら、「御霊前」であれば宗派を問わずに使用できるため無難です。玉串料の目安は、以下の通りです。

自分にとって故人は…… 目安
5~10万円
祖父母 1~3万円
兄弟姉妹 3~5万円
配偶者の親 5~10万円
配偶者の祖父母 1~3万円
配偶者の兄弟姉妹 3~5万円
叔父・叔母 1~2万円
いとこやその他の親戚 3,000~2万円
会社関係者 5,000~1万円
友人・知人 5,000~1万円
近所の人 3,000~1万円

まとめ

神式の葬儀では、一般的な仏教の葬儀とは目的が異なることから、流れやマナーにも違いがあります。神式葬儀の一般的な流れを理解しておくことで、落ち着いて故人を祀ることができるでしょう。
また、服装については一般的な仏式と同様ですが、数珠を持ち込まない点には注意が必要です。玉串料についても包み方や目安を理解し、葬儀に参列するにあたっての不安をできる限り少なくしておくことをおすすめします。
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