お通夜や告別式など、葬儀の際は身だしなみに関するいくつかのマナーが存在します。特に靴は素材や形など注意しなければならないポイントが多く、初めて葬儀に参列する方は迷いやすいアイテムの一つといえます。
そこで本記事は、葬儀に使用する靴の選び方を詳しく解説します。マナーや選び方は男性と女性で異なるため、それぞれの葬儀にふさわしい靴の色やデザインを理解しましょう。
葬儀の靴における男女共通のマナー
ここでは葬儀の靴を選ぶ上で、男女問わず注意したいマナーをいくつか紹介します。色・デザイン・素材の3つに分け、それぞれ気を付けるべきポイントを細かく解説します。ぜひ参考にしてください。
黒い色が基本
葬儀へ参列する際は、男女共に黒色を選ぶのがベストです。必ずしも「黒色でなければならない」という決まりはありませんが、明るい色はNGです。暗色と呼ばれる色でも、紺・茶色・グレー・ベージュなどは避けることをおすすめします。
また通夜振る舞いや火葬の待機時の部屋など、葬儀場によっては座敷の部屋に案内されるケースもあります。念の為、中敷きの色も黒にしておくと安心です。
シンプルなデザインにする
葬儀に参列する際に履く靴は、男女共にできる限り華美な装飾を避け、よりシンプルなデザインを選びましょう。
またインターネット上で販売されている商品の中には、葬儀用の靴としていても金具やストラップなどのワンポイントが入ったデザインがあるので注意が必要です。より良い選択をするのであれば装飾が一切ない無地の靴を選ぶのが良いでしょう。
スウェードやエナメルはNG
葬儀に参列する際は、本革や合成皮革、布素材のように、より光沢感のない素材の靴を選ぶのが適切です。男女共に光沢のあるエナメル素材の靴は避ける必要があります。
また葬儀に動物の殺生を連想させる素材を着用するのもマナー違反です。例えばスエード・毛皮・ワニ皮・ヘビ皮など、動物の皮を使った靴は避けてください。
葬儀用の靴の選び方|女性編
ここまで男女に共通するマナーについて触れましたが、葬儀の際に履く靴を選ぶ上で注意しなければならないポイントは、男性の靴と女性の靴でそれぞれ異なります。ここからは女性が葬儀用の靴を選ぶ際の細かなマナーを解説します。
つま先はラウンドトゥがベター
葬儀に参列する際、女性はパンプスを履くのが基本です。初めにチェックしたいポイントは、つま先の形です。葬儀にふさわしいのはつま先が丸い「ラウンドトゥ」ですが、つま先が角ばった「スクエアトゥ」でも問題ありません。
ただしつま先の尖った「ポインテッドトゥ」や、つま先部分が切り抜かれた「オープントゥ」などは葬儀用の靴として適切でないため避けましょう。
ヒールは太めで高さが3~5cm
つま先の形状に加えて注意したいポイントはヒールです。細いヒールだと安定感に欠けるだけではなく華美に見えるため、葬儀の際は太いヒールの靴を選びましょう。
ただしヒールの高さは低いほど良いというわけではありません。低すぎるヒールだとラフな印象を与えてしまうため、3〜5cm以内の高さを選ぶのが良いでしょう。
それでなくとも葬儀は長時間におよびます。足の疲労を軽減するためにも、靴は太い形状かつ程よい高さのヒールが適切といえます。
ストッキングは黒色
葬儀に参列する際に、靴と合わせて女性が注意しなければならないのがストッキングです。靴下はカジュアルで日常的な服装を印象付けてしまうため、必ずストッキングを履きましょう。
ストッキングの色は靴同様に黒色が基本で、光沢のない無地を選ぶのが適切です。厚さは肌が少し透ける30デニール以下を選ぶのが良いでしょう。
ただし冬場や気温が低い地域の場合は、やや厚手の60デニール程度であれば葬儀用のストッキングとしては問題ありません。当日の気温に合わせて調整してください。
葬儀用の靴の選び方|男性編
続いて男性が葬儀で履く靴を選ぶ際に注意したいマナーについて解説します。靴の細かい形状や種類はもちろん、靴下を選ぶポイントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
つま先はストレートチップがベター
葬儀に参列する際、男性は革靴を履いて行くのが基本です。ただし、どのような革靴でも良いというわけではないため、葬儀にふさわしい革靴の特徴を確認しましょう。
チェックすべきポイントはつま先です。つま先の形状はいくつか種類がありますが、葬儀には「ストレートチップ」または「プレーントゥ」と呼ばれる靴を選ぶのが基本です。
ストレートチップはつま先部分に一本のラインが入ったようなデザインで、プレーントゥはつま先部分の装飾が一切ないデザインになっています。どちらもシンプルかつカジュアルすぎない見た目なので、葬儀で履く靴として最適です。
内羽根式を選ぶ
革靴には「内羽根式」と「外羽根式」と呼ばれる2つの種類があります。葬儀に履く靴としてふさわしいのは内羽根式です。
それぞれ靴紐を通す穴部分の形状が異なり、靴紐を通すために縫い付けられた羽根が内側であれば内羽根式、外側であれば外羽根式となります。
内羽根式の方が外羽根式よりフォーマルな印象を与えるため、葬儀や結婚式などの冠婚葬祭に向いています。
靴下は無地で黒色
基本的に靴下はボトムスで隠れますが、椅子に座ったり座敷の待合室に通されたりした場合に見える可能性があります。
そのため服装や靴と合わせて、靴下も黒色かつシンプルな無地のデザインを選ぶのが適切です。靴下の長さについて明確な決まりはありませんが、椅子に座ったときに足首が見えてしまうほど短いサイズは避けましょう。
子ども用の靴を選ぶポイント
子どもが葬儀に参列する際の靴は、大人同様に黒色でシンプルなデザインの靴を履くのが適切です。
また5歳以下の小さい子どもは例外で黒以外の暗色も認められているため、赤や白など明るい色の靴でなければ履いても問題ありません。
なお靴下の色は黒が最も好ましいとされていますが、落ち着いた色であればマナー違反にはなりません。装飾のない黒色の靴下を持ち合わせていない場合は、茶色や紺、白などのシックな色の靴下で代用しましょう。
葬儀の靴に関するマナー
靴の選び方以外にも知っておいた方が良いマナーがいくつか存在します。特に女性が注意すべきポイントがあるので確認しましょう。
ヒールの音をさせないように歩く
葬儀中に女性が気を付けたいポイントはヒールの音です。多くの葬儀場では、ヒールの音が響きやすいフローリングや大理石になっています。
葬儀場の床は素材によってコツコツと足音が響き渡ってしまうので、普段より静かに歩くことを意識しましょう。
細くて高いヒールやサイズの大きい靴は足音が響きやすいので注意してください。手持ちの靴が高めのヒールであれば、かかと部分をゴムやクッション性のある素材に変えておくと安心です。
妊婦さんは歩きやすい靴でOK
葬儀に参列する際、妊娠されている方や足に障害がある方は例外です。かかと部分が平たくヒールの低いフラットシューズやローヒールの靴を履いても問題ありません。
葬儀は長時間におよぶため、体に負担をかけず安全に過ごせる歩きやすい靴を選びましょう。
まとめ
葬儀に参列する際の靴は、男女共通して黒色かつ無地で光沢のないデザインを選ぶのがマナーとされています。
また女性の場合は細くて高いヒールやサイズの大きい靴は避け、できるだけ足音を響かせないように注意して歩くことを意識しましょう。男性はつま先のデザインがシンプルで内羽根式の革靴を選ぶことが大切です。
株式会社サン・ライフでは、お客さまのお悩みを解消するためのサポートを行っています。主に東京都・神奈川県を中心に多種多様な斎場・葬儀場を持ち、お客さまに寄り添った葬儀を行うために豊富なプラン・サービスをご用意しています。
電話相談も24時間365日通話無料で行っており、葬儀に関わるご質問も随時受けているので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。