
家族葬の祭壇は、故人を送り出す大切な場所であり、葬儀の雰囲気を大きく左右する要素の一つです。しかし、いざ祭壇を選ぶとなると種類や費用相場などが分からず困ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、家族葬の祭壇の種類や選び方、費用相場を詳しく解説します。祭壇選びで後悔しないためのポイントや、宗教・宗派別の祭壇の選び方なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
家族葬の祭壇は何のためにある?
葬儀をすると祭壇が設けられますが、そもそも祭壇は何のために作るのでしょうか。まずは祭壇の意味や役割、身内だけで行う家族葬においても必要なのか理解しておきましょう。
家族葬における祭壇の役割
祭壇は、故人の魂を慰め、天国へ送り出すための神聖な場所です。ここには遺影や供花、香炉などが飾られ、厳かで美しい雰囲気を作り出します。遺族や参列者が心を落ち着け、悲しみの中でも故人との最後の時間を穏やかに過ごせる象徴的な場所です。
祭壇の存在は、喪失感に包まれる遺族にとって「故人を大切に送り出せる場」という安心感をもたらし、気持ちの整理をする手助けになります。
故人への想いを込めた祭壇を用意できれば、より温かみのある別れの時間を演出し、祭壇を囲んで故人を思い出しながら語り合えます。遺族にとっても悲しみを共有し、支え合う場所にもなるでしょう。
家族葬の祭壇は必要?
家族葬では、形式にとらわれず自由なスタイルで執り行えます。従って、祭壇を設けなければならないという決まりはありませんが、それでも葬儀の中心的な存在です。
かつての祭壇は単純にお供え物を置く場所とされていましたが、長い歴史の中で「故人に祈りを捧げる空間」という意味合いに変化していきました。祭壇があると故人に向けて手を合わせる場所が明確になり、故人への敬意や感謝を形として示せます。また祭壇の装飾を通じて、故人の人柄や思い出を表現することも可能です。
祭壇の種類や装飾は自由に選べるので、故人の希望や遺族の意向に合わせて選択しましょう。もし形式や祭壇の有無に関して迷う方は、葬儀社に相談してみてください。
祭壇の種類は主に5つ
祭壇にはいくつかの種類があり、宗教や故人・遺族の意向に応じて選ばれますが、主に生花祭壇、白木祭壇、神式祭壇の3つが代表的です。その他にも宗教をベースにした多様な形式が存在しますので併せてご紹介します。
祭壇の種類1.生花祭壇
生花祭壇とは、生花で作られた祭壇のことです。近年では白木祭壇と並んで家族葬を中心に広く選ばれるようになりました。生花祭壇の魅力は、宗教を問わず自由な発想で演出できる点にあります。
かつて葬儀では白を基調とした菊の花を飾るのが主流でしたが、近年は西洋・和洋の枠にとらわれず、故人が生前好んでいた花を取り入れたり、季節の花を使用したりする傾向が強まっています。
また故人の趣味や思い出の品を祭壇に飾るケースも増え、より個性を反映した祭壇が可能になりました。こうした自由度の高さが、生花祭壇の大きな魅力となっています。花の種類や色、配置によって葬儀の雰囲気は大きく変わるため、どのようなイメージにしたいかを考えておくと良いでしょう。
祭壇の種類2.白木祭壇
白木祭壇は、木の温もりを生かしたシンプルで洗練された雰囲気が特徴の祭壇です。仏教の葬儀で主に使用され、それ以外の宗教ではほとんど見られません。
白木を使用すると温かみのある厳かな空間が作り出され、故人を静かに偲ぶ場にふさわしい雰囲気となります。特に伝統的な仏式葬儀においては、格式の高さを感じさせる佇まいが魅力とされており、家族葬を選択する方にも支持されています。
費用面でも比較的リーズナブルな価格設定が多く、限られた予算の中でも品位を保った葬儀が可能です。近年では生花を組み合わせ、より華やかで温かみのある演出も増えており、時代の変化に合わせたアレンジが可能な点も特徴の一つといえます。
祭壇の種類3.神式祭壇
神式祭壇は、神道の儀礼に基づいた祭壇で、白木を基調としたシンプルながらも厳かな佇まいと、神式のシンボルともいえる「勾玉」「鏡」「刀」の3種の神器が備えられているのが特徴です。また故人の魂を慰める御神酒や米、塩などが供えられます。
神式祭壇の他にも、宗教ごとに異なる形式の祭壇が存在します。例えば日蓮正宗の祭壇は悪霊や邪気を払うとされる「シキミの葉」を飾るしきたりがあるのが特徴です。
祭壇の種類4.キリスト教式祭壇
キリスト教式祭壇は、キリスト教の教えと儀式に基づいたデザインが特徴です。キリスト教では死を穢れと考えず、感謝や祝福の気持ちを込めて生花で飾り、見送るのが一般的とされています。
葬儀は基本的に教会で行い、祭壇には十字架や聖書、キャンドルなどキリスト教を象徴するアイテムが配置されるケースが多く、シンプルながらも厳かな雰囲気が演出されています。
キリスト教の祭壇は祈りの空間としての機能が強く、供養は行いません。従って供物などを並べる必要がなく、他の宗教の祭壇と比較すると装飾は控えめです。
祭壇の種類5.オリジナル祭壇
オリジナル祭壇は、家族の意向を反映したオーダーメイドの祭壇です。近年は個性的な葬儀を希望する遺族からの支持が高まっており、故人が生前大切にしていたアイテムや趣味に関連するものを取り入れ、故人の人生や個性を讃える独自のデザインを表現できます。
特に家族葬では、従来の習慣に縛られない自由な選択ができることもあり、故人の思い出をより鮮明に残せる演出が可能です。
例えば音楽が好きだった故人には、楽器を飾った祭壇や旅行が趣味だった方には各地の風景を再現した祭壇、写真や映像を活用したメモリアルコーナーを設けた祭壇などがあります。
失敗しない祭壇の選び方
葬儀において祭壇は、単なる装飾ではなく故人を偲び、最後のお別れをする大切な空間です。遺族と参列者が心を込めて見送るためにも、注意すべきポイントをいくつか挙げていきます。
故人らしい祭壇を選ぶ
家族葬においては、祭壇を故人の人柄やライフスタイルに合わせ、より心のこもったデザインを取り入れてみましょう。故人が好きだった色や花を取り入れ、趣味や特技をモチーフにした装飾をすれば、個性を反映した祭壇作りが可能です。
祭壇選びの際は、家族で故人の思い出を語り合いながらイメージを共有すると良いでしょう。故人があの世へ旅立つ前の最後の場であることを念頭に置き、思いを込めて選ぶことが大切です。
宗教で選ぶ
故人が信仰を持っていた場合、その宗教に則った祭壇を選ぶことは葬儀を執り行う上で欠かせません。仏教や神道、キリスト教など、それぞれの宗教や宗派によって儀式の進行や求められる祭壇の形が異なります。
たとえ家族葬であっても、信仰に沿った祭壇を選ぶことは故人の尊厳を守ることにつながり、故人を偲ぶ場としてふさわしいものになります。もし宗教や宗派の選択が分からない場合は、葬儀社に相談すると適切なアドバイスを受けられるでしょう。
葬儀社と相談して選ぶ
祭壇の種類やデザインは葬儀社によって異なり、提供されるプランや費用もさまざまです。もし祭壇選びに迷った場合は、複数の葬儀社と相談し見積もりを依頼してみましょう。
葬儀社に相談すると予算に応じたプランを提案してもらえるだけでなく、希望に添ったカスタマイズが可能になります。特にオリジナル祭壇を希望する場合は、柔軟に対応できる葬儀社を選ぶことが重要です。
また過去の事例を見せてもらったり、実際に使用する生花や装飾のサンプルを確認したりすると、より具体的なイメージを持てるのでおすすめです。
祭壇に関するよくある質問
葬儀における祭壇の重要性を理解しても、費用や装飾の詳細、葬儀後の生花の扱いなどについて疑問が残る方もいるのではないでしょうか。ここでは祭壇に関して多く寄せられる質問と回答をご紹介します。葬儀の準備の際にも確認しておきたい重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。
祭壇の費用相場はどれくらい?
祭壇の費用は、20万〜80万円が相場と考えられます。葬儀形式や規模により異なり、一般葬では30万〜80万円、家族葬は小規模であることから価格は50万円以下になるといわれています。
ただし生花祭壇の場合、使用する花の種類や量、さらには季節による価格変動の影響を受けるため、正確な金額を知りたい場合は事前に葬儀社に確認しましょう。
株式会社サン・ライフでは、白木祭壇を採用しています。家族葬プランには祭壇料が含まれているので、追加の費用を気にせずに利用できるのが特徴です。オリジナルのデザインをご希望される場合はご相談ください。
詳細な料金プランは、以下のリンクからご確認いただけます。
祭壇に飾られた生花はどうなる?
祭壇に飾られた生花は、葬儀終了後にさまざまな方法で扱われます。参列者や遺族が故人を偲びながら棺の中に花を入れるのが一般的ですが、持ち帰りが可能なケースもあり、自宅で供えたり記念として飾ったりする方もいます。
葬儀社によっては、生花をブーケやアレンジメントにして遺族に渡すサービスを提供している場合もありますが、基本的にはスタッフの指示に従いましょう。
祭壇に飾る花の画像は確認できる?
株式会社サン・ライフでは、祭壇に飾る生花のイメージ写真をいくつかご用意しております。事前に確認いただき、ご希望の雰囲気に合わせた祭壇を選ぶことが可能です。また当社には専属のフラワーコーディネーターが在籍しており、お客さまのご要望に応じたアレンジの提案も行っています。
まとめ
家族葬の祭壇は、故人らしさを大切にしながら選ぶことが大切です。祭壇には生花祭壇や白木祭壇、宗教ごとの形式など、さまざまな種類があり費用相場も規模や内容によって異なります。祭壇選びで迷った際は、経験豊富な葬儀社に相談しましょう。
株式会社サン・ライフでは、祭壇料が含まれた家族葬プランを用意し、専属のフラワーコーディネーターが細やかに対応いたします。大切な方を偲ぶ空間づくりを、サン・ライフが心を込めてお手伝いしますのでぜひご相談ください。
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