
突然訃報の連絡を受けたとき、どのように返して良いのか分からず戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。本記事では親戚や知人から訃報の連絡を受けた際、返信メールの送り方に関して詳しく紹介します。
また上司・友人・取引先など相手別の例文や、返信メールを送るときの注意点も解説しているのでぜひ参考にしてください。
訃報の連絡を受けたときの返信手段
訃報の連絡とは、誰かが亡くなったことを知らせる正式な手段です。昔は電話やハガキなどの手段が多く使われていましたが、現在はメールやLINEなどのツールで知らされることも増えています。ここからは訃報連絡の手段を紹介します。
メール・LINE
「メールやLINEで返信しても失礼に当たらないか」と心配に思う方は多いでしょう。しかし遺族からの訃報連絡がメール・LINEであった場合や、日頃からメール・LINEで連絡を取り合っている関係性であれば問題ありません。
ただし相手が上司や取引先なら、後述する手紙・ハガキでの返信をおすすめします。遺族や故人との関係を考慮しながら、適切な返信方法を選択することが大切です。
メールやLINEはすぐに返信できる点がメリットです。訃報の連絡が来たら放置せずに早急に返信しましょう。特にLINEは既読が付くツールです。LINEを読んだのに放置していると相手に分かるので注意してください。
手紙・ハガキ
基本的に正式な返事の仕方は手紙やハガキを用いた方法です。特に遺族から手紙・ハガキで訃報連絡が来たときは、同様の方法で返信することが望ましいでしょう。なお、訃報連絡がメール・LINEであった場合は、手紙・ハガキで返事を送ることも失礼には当たりません。
ただし、手紙・ハガキで連絡が来たのにメール・LINEで返信するという逆のパターンは避けるのが好ましいです。メール・LINEに比べると、書く・郵送する作業が増えますが、できるだけ速やかに返信するよう心掛けましょう。
訃報連絡をメールで返信する際の例文を相手別で紹介
訃報連絡をメールで返信する際の例文を紹介します。相手との関係性によって内容がそれぞれ異なるので、距離感を意識した文面に仕上げることが大切です。
また全てに共通するポイントは、句読点を入れないことです。これは「葬儀が滞りなく無事に終了するように」という思いが込められています。句読点の代わりにスペースを設けましょう。
訃報連絡の返信例文①上司
上司から訃報連絡を受けた場合は、お悔やみの言葉・上司自身を気遣う言葉などを書きましょう。直属の上司であれば氏名のみでも認識してもらえますが、そうでない場合は部署名・氏名まで記載してください。
本文
このたびはご母堂様のご逝去の報に接し 心よりお悔やみ申し上げます
おつらいお気持ちを思うと 何と申し上げてよいか言葉が見つかりません
どうぞご無理をなさらず ご家族と共にご静養ください
必要なことがあれば 何なりとお申し付けください
改めて心よりお悔やみ申し上げます
略儀ながらメールにて失礼いたします
※このメールへのご返信は不要でございます
上司に対して「仕事の心配はしなくて良い」などの言葉を書くのは不適当なので、「できることがあればいつでもお手伝いします」といった文面を添えるのが適切です。
訃報連絡の返信例文②同僚・部下
同僚や部下からの訃報連絡を受けたら、お悔やみの言葉と併せて仕事のことは気にしなくて良いことも記載しましょう。たくさんのメールの中で埋もれてしまう可能性もあるため、メールの件名にお悔やみの言葉を書くことをおすすめします。
本文
このたびはご尊父様のご逝去の報に接し 心よりお悔やみ申し上げます
ご家族の皆様のご心痛を思うと何と申し上げてよいか分かりません
どうかご無理をなさらずゆっくりとお休みください
仕事のことは気にせずに 最後のお別れをしてあげてください
お手伝いできることがあれば遠慮なくお申し付けください
改めて心よりお悔やみ申し上げます
略儀ながらメールにて失礼いたします
※このメールへの返信は不要です
普段はフランクにやり取りをする仲であっても、訃報連絡の返信はいつもの言葉遣いではなく、丁寧な物言いになるようにしましょう。
訃報連絡の返信例文③友人
友人であれば、普段やり取りするような文面で返信しても問題ありません。ただし「友人が丁寧な文章で送ってきた」「マナーとして例文を参考にしたい」などの場合は以下のような文章がおすすめです。
本文
ご母堂様のご逝去の報に接し 心からお悔やみ申し上げます
どれほどおつらいことか言葉に尽くせません
どうか無理をせずしっかりとお休みください
何か手伝えることがあれば何でも言ってくださいね
あなたの悲しみが少しでも和らぐことを心から祈っています
「手伝えることがあれば遠慮なく言ってほしい」「悲しみが和らぐようにと願っている」と書くことで、心から心配している気持ちが伝わります。
訃報連絡の返信例文④取引先
取引先からの訃報連絡は、仕事関係者のことが多いです。宗派がはっきりと分からないことがほとんどなので、忌み言葉に気を付けて文面を作るようにしてください。
本文
株式会社〇〇 相手の名前様
このたびは(故人)様のご逝去の報に接し 心よりお悔やみ申し上げます
本当であれば 直接お別れを伝えるところですが 略儀ながらメールにて失礼いたします
※メールへの返信には及びません
お通夜や葬儀への参列ができない場合は、その旨とお詫びの言葉も一緒に記載しましょう。取引先ということで、上司や同僚に送るメールよりは、簡潔にまとめるのがおすすめです。
メールでお悔やみの言葉を送るときの注意点
メールでお悔やみの言葉を送るときは、いくつかの注意点があります。以下で紹介する7つの注意点を意識して返信しましょう。
亡くなった連絡を受けたら早く返信する
メールの良さは手紙やハガキとは異なり、すぐに返事できるところです。そのため訃報連絡を受けたときは、その利点を生かして早急に返信するように心掛けましょう。
遺族は気が動転している中でも連絡をしてくれているので、その心遣いに感謝してすぐに返信するのがマナーです。メールであれば、休日や夜中に返信しても失礼には当たりません。お通夜や葬儀の出欠確認も兼ねていることも多いので、返信が遅いと準備に影響します。そのため早急に返信しましょう。
故人には敬称を用いる
故人に対する敬称は忘れずに付けましょう。メールの送り主は敬称を付けずに送ってくるため、忘れがちです。しかし故人への敬意と哀悼の気持ちを表すためにも必ず付けて返信してください。特に父・母の場合は、「ご尊父様」「ご母堂様」などと呼び方が異なるので注意しましょう。以下に敬称を表にまとめたので、参考にしてください。
通常 | 敬称 |
祖父 | ご祖父様 |
祖母 | ご祖母様 |
父 | お父上様・ご尊父様 |
母 | お母上様・ご母堂様 |
夫 | ご主人様・ご君主様 |
妻 | 奥方様・ご令室様 |
できるだけ簡潔にする
遺族は、家族が亡くなってバタバタと慌ただしい時間を過ごしています。そのような中、平常心で長いメールを読む時間や気持ちの余裕はないと推測できます。できるだけ遺族の負担を減らすためにも、返信メールの内容は簡潔にまとめることが鉄則です。
ついお悔やみの言葉や心配の言葉をつらつらと書きたくなりますが、直接会ったときに取っておいて、ひとまずメールは素早くシンプルな文章で送りましょう。その際、返信は不要である旨も一緒に書いておくと、より心遣いのある文章になります。
時候の挨拶は不要
訃報連絡は悲しみの連絡であること、訃報連絡の返信は「簡潔に伝える」ということからも時候の挨拶は書かないようにしましょう。
本題に入る前の前置きが長すぎる印象になるため、例文にもあるようにお悔やみの言葉を最初から書いてしまって問題ありません。
忌み言葉は避ける
忌み言葉とは、死や病気などを直接表す言葉や重ね言葉などを指し、使用するとマナー違反に当たるため訃報連絡の返信では使わないようにしましょう。普段であれば使っても問題ない言葉が多いため、うっかり使ってしまわないためにも、以下の表を参考にしてください。
重ね言葉 |
重ね重ね、たびたび、またまた、いよいよ、ますます、わざわざ、ときどき、 しばしば、くれぐれも、返す返すも、重々、段々、色々、次々、再三 |
悪いことが重なるといった意味で、葬儀などの場面では使うことを良しとされていません。日常会話に出てくる単語も多いため、注意しましょう。
直接的な表現 |
死去、死亡、亡くなる、病気、病む、苦労 |
この場合は「ご逝去」「ご永眠」などの言い換えが可能です。
宗教上の忌み言葉 |
浮かばれない・迷う(仏教)、冥福、成仏、供養、往生(神道・キリスト教)、冥福、霊前(浄土真宗) |
「ご冥福をお祈りいたします」はよく使う言葉なので、要注意です。神道・キリスト教の場合は「御霊(みたま)のご平安をお祈りします」、浄土真宗の場合は「謹んでお悔やみ申し上げます」などを用いましょう。
絵文字は使用しない
友人からの連絡では使ってしまいがちな絵文字ですが、訃報連絡に対する返信では不適切です。軽い感じに見られてしまい、真剣に悲しんでいたとしても伝わりません。
また「?」や「!」などの疑問符や感嘆符も、訃報連絡の返信として避けるべきです。遺族との関係性や訃報連絡の文面にもよりますが、より丁寧に返したい場合は使わないことをおすすめします。
宗派・宗教に気を付ける
宗派や宗教によって、慣習や儀式は異なるため、意図はなくとも失礼に当たる言動をしてしまうかもしれません。故人や遺族の信仰する宗派や宗教が分からない場合は、事前に葬儀社に問い合わせるか、宗教的な言葉や表現は使わないようにするのが無難です。
友人や同僚であれば、前もって確認する、上司や取引先など聞きにくい相手であれば、どの宗派・宗教でも使用可能な言葉選びをしましょう。
葬儀に出席しない場合の連絡方法
訃報連絡に対する返信とは別に、お通夜や葬儀の欠席については別途連絡をしましょう。お通夜や葬儀の参列人数を把握しておくことは、葬儀全体の規模を決める大切なことでもあるため、早めに返信するのがマナーです。
その際は手紙やハガキだとタイムラグが生じるため、電話やメールが良いとされます。文面には欠席すること、出席できないことに対するお詫びの言葉を簡潔に書きます。欠席連絡と同時に弔電、供花、香典の送付などの対応も検討しておくと良いでしょう。ただし香典や供花の辞退があった場合は控え、遺族の負担とならないよう遠慮するのが一般的です。
まとめ
訃報連絡に対しての返信はできるだけ早く、簡潔に送ることが大切です。遺族に不快な思いをさせないよう、忌み言葉には気を付けて文面を作成しましょう。お通夜や葬儀を欠席する場合は、別途連絡が必要なことも忘れないようにしてください。
株式会社サン・ライフでは、宗派や宗教に合わせた葬儀もお気軽にご相談いただけます。また当社ではご家族の意向をくみ取り、細かな部分までしっかりと打ち合わせを行います。ご不安な点があればその都度丁寧に説明し、穏やかな気持ちで葬儀を迎えていただけるようサポートいたしますので、電話での無料相談や資料請求など、ぜひお気軽にご連絡ください。