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真言宗のお経を紹介! 法事で読む種類・意味・葬儀の流れを徹底解説

真言宗のお経を紹介! 法事で読む種類・意味・葬儀の流れを徹底解説
真言宗のお経を紹介! 法事で読む種類・意味・葬儀の流れを徹底解説
作成日:2025/08/26 最終更新日:2025/08/27

真言宗は、空海(弘法大師)が開いた仏教の一つです。インドで生まれた仏教は、開祖であるお釈迦様が亡くなった後に中国や東南アジアに広まり、日本にも伝来します。その後、日本で独自の発展をとげ、複数の宗派が生まれました。

同じ仏教でも、宗派によって大事にする教えや重視するお経は異なります。喪主として真言宗の葬儀を執り行う可能性やあったり、参列する機会があったりするなら、真言宗の基本の教えや特徴について理解しておくのがおすすめです。

本記事では、真言宗で読まれる代表的なお経や真言宗の教え、葬儀の流れなどについて解説します。最後まで読めば、真言宗への理解が深まり、葬儀に参列した際もマナーに沿った対応ができるようになるでしょう。

真言宗の葬儀・法事でよく読まれるお経の種類

どの宗派でも、葬儀や法事ではお経が読誦されます。お経とは、仏教の開祖であるお釈迦様の考えを弟子たちがまとめた経典のことです。信仰や葬儀の場において唱えられ、人々の心を穏やかに整える役割を持ちます。

とはいえ、宗派によって重視する教えが違うため、唱えられるお経の種類もさまざまです。ここでは真言宗で重要とされ、耳にする機会も多いお経をご紹介します。

般若心経(はんにゃしんぎょう)

般若心経は、正式名称を般若波羅蜜多心経といいます。もとは三蔵法師(玄奘)がインドから中国に持ち帰った600巻に及ぶ大般若経が原書とされており、それを300字ほどの漢語に凝縮したものが般若心経です。

仏教の真髄をまとめたともいえる非常に大切な教えで、真言宗だけではなく、天台宗や曹洞宗、臨済宗など他の多くの宗派で唱えられています。葬儀に参列した際「はんにゃーはーらーみーた」と唱えられているのを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

般若心経は、観音菩薩が弟子の問いかけに応える形で、大乗仏教の核をなす「空の思想」を説いています。空の思想を簡単に要約すると「この世のあらゆる事象には実体はない。だから物事に執着したり一つの価値観に囚われたりすることはない」という教えです。

理趣経(りしゅきょう)

理趣経は、正式名称を大楽金剛不空真実三昧耶経・般若波羅蜜多理趣分といい、仏の正しい知恵にいたる方法を説いているとされるお経です。金剛頂経十八会十万頌という膨大な経典群の第六会を漢訳したもので、真言宗では不空が訳したものを用います。

真言宗においては、朝晩のお勤めの他、お通夜や葬儀、七日参りなどあらゆる法事で読誦される常用経典です。

理趣経は、あらゆる煩悩を否定せず、性欲の快楽は菩薩の境地であるとして賛美している点で他の宗派と異なります。人間の煩悩や営み自体は不浄なものではなく、欲望によって誤った方向へ進むことが問題で、道をたがえず悟りの境地にいたることが大切と説いています。

またこのお経を読誦することで功徳が得られると説いていることも、多くの経典とは異なる特徴です。

遺教経(ゆいきょうぎょう)

遺教経は正式名称を仏垂般涅槃略説教誡経といい、お釈迦様が亡くなる最後の日に説いた教えをまとめた遺言ともいうべきお経です。禅宗で重視されていますが、真言宗でも唱えられます。

自覚すべき8つの教え「八大人覚」を中心に、修行者が守るべき戒律が説かれています。八大人覚の各内容は、以下の通りです。

  • 少欲:欲は少なくする。欲が多いほど苦悩も大きくなる。
  • 知足:足ることを知る。知らなければ、いつまでも欲に振り回される。
  • 遠離(楽寂静):(心を乱す騒がしい場所から)遠く離れ、静かに過ごす。
  • 精進:日々懸命に努力する。
  • 不忘念:正しい教えを念じ、忘れない。
  • 禅定:心を乱すことなく、落ち着いて対処する。
  • 智慧:物事を正しく判断する。
  • 不戯論:無意味で空虚な議論をしない。

八大人覚は、生きる指針となる教えといえるでしょう。

十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)

十三仏真言は、故人を守り導く仏様(十三尊)のお言葉のことです。仏教では、人が亡くなると7日ごとに生前の行いを裁定する裁判が行われると考えられてきました。その際に、不動明王や釈迦如来、文殊菩薩といった十三尊の仏様が、それぞれの役割に応じて故人を導き、守るとされています。

真言宗ではそれぞれの御仏の真言を唱えることで、追善供養ができると考えられています。

追善供養とは、生きている人が亡くなった方の冥福を祈って、善行を積むことです。故人がより良い来世に生まれ変わるように徳を積むのが目的で、善行は自分にも還ってくるとされています。

十三仏真言は他のお経と比べると短いのが特徴で、比較的覚えやすいでしょう。

なぜお経を読むの? 真言宗の教えと葬儀・法事の意味

真言宗は密教由来の宗派であり、葬儀でも他の宗派とは異なる独特の儀式が行われます。中心的な儀式の一つが読経です。ただし、読経や葬儀に込められた意味合いを深く理解するためには、真言宗の基本的な教えである「即身成仏」や密厳浄土の考え方などを理解することが欠かせません。

そこで、ここでは真言宗の教えの基本である即身成仏や葬儀・法要でお経を唱える目的、葬儀で行われる灌頂や土砂加持について解説します。

真言宗の基本的な教え「即身成仏」とは?

真言宗は、「即身成仏」を根本的な教えとします。即身成仏とは、死後ではなく生きている身のまま仏の境地に到達できる、仏に成れるという教えです。開祖の空海(弘法大師)は、即身成仏儀において「人が本来備えている仏性は、密教の修行によって顕在化できる」と説いています。

ここでいう密教の修業とは「三密」の実践であり、身密・口密・意密の三つからなります。それぞれの意味は以下の通りです。

  • 身密:身体の行為。印を結び、仏の所作を模す
  • 口密:言葉の行為。真言を唱える
  • 意密:心の行為。仏を観想し境地を描く

身・口・意の全てを仏と一体化させることで、現世にいながら仏の境地にいたるとしています。

多くの他宗派が「死後に浄土に往生して成仏する」「成仏には長期精進が必須」と説くのに対し、生きながら仏に成れるとする真言宗の教えは特異的といえるでしょう。

葬儀・法事を行うのは故人を大日如来の世界へ導くため

一般に、葬儀は故人を見送り、残された家族や友人が死を受け入れ心の区切りを付けるための儀式です。それに加え、真言宗では葬儀や法要、故人を密厳浄土に送り届けるために行う大切な儀式と位置付けています。

密厳浄土とは、真言宗の教主である大日如来が住まう仏の国のことです。多くの宗派で浄土は現世とは別の世界にあると説くのに対し、真言宗では密厳浄土は私たちが今まさに生きているこの世界そのものであるとしています。凡夫(仏教の教えを理解していない人)も、本質的には仏様と違いがないとの考えに由来し、即身成仏することでこの世界に密厳浄土が顕れると説いています。

真言宗における葬儀の目的は、密厳浄土に行けるよう、故人が生前に身に付けた迷いや煩悩を清め、仏の加護を受けられるようにすることです。そのため真言宗の葬儀では、他の宗派にはない儀式が行われます。

真言宗の葬儀の特徴

真言宗の葬儀は密教をベースに執り行われるため、独特の儀式が行われます。代表的な儀式として、灌頂と土砂加持があります。

灌頂と土砂加持の内容は、以下の通りです。

灌頂 ・真言宗において、悟りを開き、仏になったことを示す最高儀式
・葬儀では、故人の頭部に水を注ぎかける。灌頂を行うことで、故人が仏の位に達するとされる
土砂加持 ・御本尊の前で光明真言を唱えながら土砂を洗い清め、護摩焚きをする儀式
・加持(仏の加護をお祈りする儀式)されたお土砂には、故人の生前の罪を清め、滅する作用があるとされている
・葬儀では、このお土砂を納棺する前にご遺体にかける。これを滅罪生善といい、故人の苦しみが和らぐとされる

真言宗の葬儀の流れ(通夜から告別式まで)

真言宗の葬儀では、灌頂や土砂加持以外にも、さまざまな独特の儀式が行われます。知らないまま真言宗の葬儀に参列すると、戸惑うこともあるでしょう。ここでは、おおまかな葬儀の流れをご紹介します。

僧侶の入堂

斎場の準備が整い、参列者が着席すると僧侶の入堂です。まずは以下の儀式によって、僧侶自身が身を清めます。

  • 塗香:お香を体に塗り、穢れを取り除いて体を清める
  • 洒水:法水をまいて場を浄化する
  • 三密観:身・口・意を仏に集中させる
  • 護身法:五種の印を結び、真言を唱えることで心身を守る
  • 加持香水:特別に加持(祈祷)した香水を用いて浄化する

続いて、仏様を迎え入れ、以下の儀式を行います。

  • 三礼:三礼文を唱え、仏・法・僧に礼拝する
  • 表白:故人の救済を祈願する
  • 神分:故人への加護や滅罪、成仏願う
  • 声明:仏典に節を付けて唱える

厳かな雰囲気に、斎場の空気も引き締まるでしょう。

3つの儀式

続いて、故人を成仏へと導くために以下の儀式が行われます。

  • 授戒作法:故人が仏僧に帰依することを宣言し、剃髪・授戒する。剃髪は剃る真似をする形だけのことが一般的
  • 引導の儀式:再び表白・神分を行い、不動灌頂・弥勒三種の印明を授ける。引明とは、印を結び真言を唱えることを指す。故人の魂を迷いの世界から悟りの世界に導く儀式で、故人の即身成仏が果たされる
  • 破地獄の儀式:破地獄の真言を唱え、故人の心にある地獄の苦しみを断ち切り、安らぎの世界に導く。金剛杵(法具)を授け、血脈を授与する。血脈とは、歴代の師の名前と伝承の順が書かれた系図のこと

故人が悟りの境地にいたることを祈願する儀式です。

焼香・読経

僧侶が故人の徳を讃えて冥福を祈る諷誦文を唱える間、遺族が順番に焼香を行います。焼香は基本的に血縁関係がより近い方から行うため、喪主・遺族・親族・一般参列者の準です。席順とほぼ同じになるので、隣の人の焼香が終わったら進みましょう。

焼香は宗派によって回数が異なり、真言宗では焼香の回数は3回です。詳しくは次の章の「お焼香の回数と作法」にて解説しますので、参考にしてください。

焼香は単なる儀式ではなく、故人への弔いの気持ちを表す大切な儀式です。焼香自体はわずかな時間で終わりますが、心を込めて故人と向き合いましょう。

出棺

喪主から一般参列者まで全員の焼香が終わると、僧侶が指を3回鳴らして導師最極秘印と呼ばれる印を結びます。導師最極秘印は、故人を成仏へ送り出す重要な作法です。

その後、遺族や故人と親しい付き合いがあった友人たちが花を棺に納めたり、感謝や別れの言葉を伝えたりします。心残りがないよう、故人へ素直に気持ちを伝えてください。

お別れが終わったら、遺族の手で棺の蓋を閉じ、近親者によって霊柩車へと運びます。一般参列者は合掌し、火葬場へと向かう故人を見送ります。故人と親しい交流があった友人などは、遺族からのお願いにより火葬場へと同行することもあるでしょう。

真言宗の葬儀・法事で知っておきたいマナー

真言宗の葬儀や法事に参列する予定がある場合、会場で戸惑ったり失礼なことをしたりしないように、作法やマナーをしっかり把握しておくことが大切です。ここでは服装や数珠、お焼香の作法などを詳しく解説します。

服装と数珠の持ち方

葬儀に参列する際の服装は喪服で、他の宗派と大きく異なることはありません。男性はブラックスーツに白ネクタイを、女性は黒いワンピースやスーツなどのブラックフォーマルを着用しましょう。アクセサリーは控えめにし、華美にならないようにします。

真言宗の正式な数珠は、108個の珠が連なった振分数珠です。親玉から数えて7個目、21個目に四天と呼ばれる小さな珠が並びます。基本的に遺族は振分数珠を持ちますが、参列者は略式数珠でも問題はありません。

合掌のとき以外は数珠を左手に持ち、合掌のときは親玉を上にして両手の中指にかけ、房を甲に垂らして持ちます。

お焼香の回数と作法

真言宗の葬儀では、お焼香を3回行います。手順は以下の通りです。

  1. 焼香の順番が回ってきたら、祭壇前に進み、僧侶・遺族に一礼する
  2. 香を右手の人さし指・親指・中指の3本でつまみ、額に押しいだく
  3. 1・2の所作を3回繰り返し、最後に合掌、一礼する
  4. 僧侶・遺族に一礼し、席に戻る

焼香を3回するのは「仏・法・僧」の三法に捧げるため、「大日如来・弘法大師・ご先祖様」に捧げるためなど、複数の解釈があります。

なお原則として焼香は3回ですが、参列者が多い場合は1回にするよう言われることもあります。

法事のお布施の相場と渡し方

葬儀や法要があったときは、遺族が僧侶にお布施を渡します。お布施は以下の内訳になります。

  • 戒名料:戒名を授かったことへのお礼
  • 読経料:読経に対するお礼
  • 御車料:僧侶の交通費
  • 御膳料:僧侶の食事代

全てを含めた金額の目安は50万〜100万円ほどです。ただし戒名によって金額が大きく変わるため、僧侶に確認しておくと良いでしょう。

またお札は奉書紙で包むか無地の封筒に入れ、毛筆や筆ペンで表の上部に「お布施」、その下に喪主の氏名を記載します。僧侶に渡すタイミングは葬儀前か終わった後が一般的です。手渡しはマナー違反とされているため、切手盆に乗せて渡すか、袱紗(ふくさ)で包んでおき、直前で取り出して袱紗の上にお布施を乗せて渡します。

まとめ

真言宗は密教をベースとする宗派で、葬儀においても土砂加持や灌頂など独特の儀式があります。真言宗で特に重視されているお経は般若心経や理趣経、遺教経、十三真言などです。真言宗の葬儀を執り行う際や参列する際に戸惑わないように、儀式やお経のおよその意味を把握しておくと安心です。

神奈川県と東京都を中心に展開するサン・ライフは、葬儀のトータルサービスを行っている会社です。ご家族に寄り添い、希望にそった葬儀が実現するように徹底してサポートしており、年間のご用命件数は8,500件に上ります。もちろん真言宗のご葬儀にも対応可能です。葬儀についてお気にかかることがある場合は、お気軽にご連絡ください。

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