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2014.02.21

形見となったハーモニカの調べ

形見となったハーモニカの調べ

 「長年の 看護の職を 退きし 今日街行く人の 生き生きと見ゆ」

 こんな短歌を詠んで定年退職した私に、或る日突然夫が「お祝いにハーモニカを吹いてやろうか」と言った。そういえば、若い頃よく聴かされたたくさんの曲があるその中から、思い出した二十五曲をノートに書いて夫に見せた。吹くのは数十年ぶりでありハーモニカも古くなって夫も六十四歳になっている。「吹けるがどうかやってみよう」と言った。

 仮のスタジオは音響を考えて浴室でする事にした。マイクを向けテープに録音し、二十五曲を休まず一気に吹いた。若い頃程ではないが、懐かしい曲はとても心に染みた。夫も録音したテープを聴いて「うんまずまずだな。今度またきちんと吹き直そう」と言ってくれた。

 その日から一年半が過ぎ、音楽とスポーツ好きの夫に思いもよらず胃癌と診断され、僅か四ヶ月の闘病の末帰らぬ人となってしまった。吹き直すこともなく、あの日の二十五曲が形見となって残された。

 葬儀担当の方は若い男性の方で、物静かな誠意のある会話でとても安らぎが感じられた。一月五日の永眠で、松の内であり八日が通夜、九日が告別式と決まり、三日間は家でゆっくりと別れを惜しむ事ができた。「何か思い出に残る物がありますか」と聞かれ、ハーモニカのテープの事をお話しすると、快く受けて下さった。

 そして、通夜の日も告別式の日も葬儀場にハーモニカの曲が流され、弔問の方々の涙を誘った。『お父さん良かったね。皆さんに聴いて頂けて』心の中で夫に語りかけた。遠方からの来客も宿泊して、風呂も使う事ができ、朝食も準備されていた。初七日の法要も別の部屋に準備され、予定以上の人数となったが心配する事なく整えられていた。お持ち帰り頂くお供物も人数分包装されて、棚に並べられ行き届いた葬儀は忘れられない。そして、あの日担当して下さった方の事は、今でも心に深く残っている。

 もう二十年近く過ぎた今でも、月命日やふと夫を思い出す夜はあのハーモニカの曲を聴きながら眠る事にしている。

神奈川県平塚市在住 冨田 フサ子様
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