年を重ねても、いつも身支度をきっちり整えていた母。幼少の頃から勉強熱心で、母の世代では珍しく、国立大学で数学を専門的に学んでいました。卒業後は弁護士事務所に勤務、その後結婚し2人の子どもを育てながら家庭をしっかり切り盛りしていましたが、30代の半ばを迎えた頃に一念発起して職業訓練校へ入学。簿記と珠算の資格取得を果たし、会計事務所へ再就職して定年まで勤めあげました。元々手先が器用なうえ、芸術家気質な面もありましたので、子育てが一段落すると自らの趣味の世界へ没頭。40代後半から書道を本格的に始め、介護施設に入居してから始めた折り紙も、気づけば指導を受けていた先生の助手のような立ち位置で、他の方にも指導できる腕前にまで達していたようです。
人にも自分にも厳しい、しっかりとした母でしたが、数年ほど前に体調を崩して一時危篤状態に。「もしもの時」を考え、地域の情報紙でも度々紹介されていたサン・ライフの施設へ事前相談に伺いました。その際に対応してくれたスタッフの鈴木さんが、こちらの状況をじっくり聞いたうえでとても丁寧に説明してくれ、「ここなら安心」という確信を得て互助会メンバーに加入。その後、母の小康状態が続いたのですが、老衰のため86歳の生涯を終えました。
母が亡くなったことを連絡すると、真夜中にもかかわらず、スタッフの方がすぐに迎えに来てくれ、綺麗なお花で飾られたあたたかい雰囲気の安置室で母を休ませてくれました。いつも身だしなみに気を配っていた母でしたから、生前同様の姿にしてくれるエンバーミングを依頼。生前母が用意した遺影写真と変わらないきれいな姿のまま再会することができました。
時節柄、家族数名による小規模な葬儀となりましたが、ホールスタッフの皆さんは会場の消毒やソーシャルディスタンスの確保など感染症対策を徹底してくれたことで、安心して母を見送ることができました。打合せの際に、妹家族が住むスペインへもう一度行きたいと母が何度も口にしていたことを何気なくお話ししたところ、スタッフの皆さんが作ってくれたサグラダファミリアの模型には私たち家族への寄り添いの心を感じて思わず感激。また、プロのライターさんがまとめてくれた会葬礼状は、母との思い出の数々が随所に盛り込まれており、私が電話でお話しした内容以上のステキな文章に仕上げてくれました。
当日の進行を担当してくれた吉成さんは、私たち遺族に寄り添いながら、母のことも大切に想ってくれるとても頼もしい方でした。生前、刺身が好きだった母のために、お寿司の形をしたローソクを用意してくれたり、日本酒を霊前へ供えてくれたりと、母が喜ぶことを一生懸命に叶えてくれました。吉成さんをはじめ、サン・ライフのスタッフの皆さんには心から感謝しています。きっと母にも皆さんのあたたかい気持ちが届いていることでしょう。本当にありがとうございました。