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法要とは?意味や法事との違い・忌日法要と年忌法要の種類を詳しく解説

法要とは?意味や法事との違い・忌日法要と年忌法要の種類を詳しく解説
法要とは?意味や法事との違い・忌日法要と年忌法要の種類を詳しく解説
作成日:2024/09/05 最終更新日:2024/09/05

法要は仏教において故人の冥福を願うための重要な儀式です。法要によって遺族や親族、故人の友人が供養をすることで、故人があの世で良い報いを受けられると考えられています。

本記事では法要の意味や法事との違い、どのような種類があるのかを解説します。併せて法要の種類別に執り行いのタイミングや意味合いなども解説します。ぜひ参考にしてください。

法要とは

法要とは仏教の伝統に基づく供養の儀式です。故人の霊を慰めると同時に、遺族や関係者が故人を偲ぶ機会として実施されます。ここでは法要の意味や、法事との違いについて解説します。

法要の意味

法要は故人の冥福を祈り、その魂を慰めるための供養行事です。生きている人が故人を偲ぶ場としての役割もあります。遺族や参列者は法要を通して、故人との絆や愛情を再確認できます。法要は故人の死から、特定の年月ごとに実施されるのが一般的です。

法要では僧侶が中心となってお経を上げます。お経は仏教の教えや教義を歌詠みの形で表現したものです。故人の魂を慰めると同時に、参列者に仏教の教えや価値観を再認識させる役割があります。

宗教や宗派によって法要の意味合いや捉え方には多少の違いがあります。例えば浄土真宗では、人は亡くなると同時に極楽浄土へと導かれるというのが一般的な考え方です。そのため浄土真宗の法要は遺族が故人を偲ぶ場としてだけでなく、仏の教えを聞く場として位置付けられています。

法事との違い

法要と法事はいずれも仏教における供養の儀式や行事を指す言葉です。しかし、その意味合いや内容には明確な違いがあります。

法要は法事の中の儀式自体を指します。一方、法事は法要を含むさらに広範な行事です。法事には法要の儀式が終わった後の会食や、関連するさまざまな活動が含まれます。法事は故人を偲ぶだけでなく、遺族や親戚、友人が一堂に会する場として重要です。参列者は亡くなった人との思い出を語り合ったり、生前の交流を振り返ったりして、気持ちの整理を行います。

また、法事は元々仏の教えを広めることや、仏教に関する事柄を意味していました。しかし、時代が進むにつれて供養の形式や内容が多様化し、法事という言葉の意味も変化しました。現代では、死者の追善供養に関する仏事全般を法事としています。

法要には大きく分けて2つの種類がある

法要は大きく分けて忌日法要と年忌法要の2種類があります。忌日法要は故人が亡くなった日から特定の日数ごとに短期間で集中して行う点が特徴です。年忌法要は故人の死後、毎年の命日に合わせて行われる法要で、年単位で実施されます。それぞれの実施のタイミングや内容について解説します。

1.忌日法要

忌日法要とは故人が亡くなった日から7日ごとに、49日までと100日目に行われる法要です。仏教発祥の地である古代インドでは、人の魂は亡くなってから転生するまで、この世とあの世の境界にとどまるとされていました。仏教ではこの期間をあの世へ旅立つための準備期間と捉え、7日ごとに供養を行います。

忌日法要の種類とタイミングは以下のとおりです。

忌日法要の種類 忌日法要を行うタイミング
初七日(しょなのか) 7日目
二七日(ふたなのか) 14日目
三七日(みなのか) 21日目
四七日(よなぬか) 28日目
五日(いつなのか) 35日目
六七日(むなのか) 42日目
七七日(しちしちにち) 49日目
百カ日(ひゃっかにち) 100日目

定期的な法要の実施によって、故人が極楽へ行けるようになると考えられています。

初七日(しょなのか)

初七日(しょなのか)は故人が亡くなってから7日目に執り行う法要です。しょなぬか、しょしちにちと読む場合もあります。初七日は故人のための最初の忌日法要です。遺族や親戚が集まり、僧侶による読経が行われます。

死後7日目の実施が初七日の原則ですが、近年では参列者の都合や予定を考慮し、葬儀当日に合わせて行うケースも珍しくありません。日程を繰り上げることから繰り上げ法要と呼ばれます。親族が遠方に住んでいる場合や、仕事の休みが取りにくい場合などは、繰り上げ法要を選択するとよいでしょう。

初七日は故人が三途の川に辿り着き、秦広王(不動明王)から生前の行いの審査を受けるとされています。

二七日(ふたなのか)

二七日(ふたなのか)は故人が亡くなってから2度目の7日後にあたる、14日目に執り行う法要です。ふたなぬか、にしちにちと読む場合もあります。近年では二七日の法要を省略するか、行うとしても遺族のみで実施するケースが増えています。以芳忌(いほうき)は二七日の別名です。

二七日は初江王(釈迦如来)が、故人が生前に盗みを働いていないか調べる日とされています。

三七日(みなのか)

三七日(みなのか)は故人が亡くなってから3度目の7日後にあたる、21日目に執り行う法要です。みなぬか、さんしちにちと読む場合もあります。近年では二七日と同じく、三七日の法要も省略したり、僧侶に依頼せず参列者のみでお線香を上げたりするケースが少なくありません。酒水忌(しゃすいき)は三七日の別名です。

三七日では宋帝王(文殊菩薩)によって、故人の生前の不貞について、猫と蛇を用いて審査されるとされています。

四七日(よなぬか)

四七日(よなぬか)は故人が亡くなってから4度目の7日後にあたる、28日目に執り行う法要です。よなのか、ししちにちと読む場合もあります。二七日、三七日と同様に省略されるケースも見られます。阿経忌(あきょうき)は四七日の別名です。

四七日は五官王(普賢菩薩)から、個人が生前に嘘をついていないか審査される日とされています。審査には業秤(ごうのはかり)が用いられ、罪の重さを計られると言われています。

五七日(いつなのか)

五七日(いつなのか)は故人が亡くなってから5度目の7日後にあたる、35日目に執り行う法要です。いつなぬか、ごしちにちと読む場合もあります。五七日の法要も省略するか、遺族のみで実施するケースが少なくありません。一般的に忌明けは四十九日(七七日)とされていますが、地域によっては五七日を忌明けとしています。

五七日には閻魔王(地蔵菩薩)によって、これまでの審査を元に故人が裁かれるとされています。審査の結果によって、故人が六道のうちどの世界に生まれ変わるかが決まるそうです。

六七日(むなのか)

六七日(むなのか)は故人が亡くなってから6度目の7日後にあたる、42日目に執り行う法要です。むなぬか、ろくしちにちと読む場合もあります。二七日から六七日までの法要は、省略されたり簡易的に執り行われたりするケースが多くなっています。壇弘忌(だんこうき)は六七日の別名です。

六七日では変成王(弥勒菩薩)によって、生まれ変わる際の細かな条件が決められるとされています。

七七日(しちしちにち)

七七日(しちしちにち)は故人が亡くなってから7度目の7日後にあたる、49日目に執り行う法要です。なななぬか、なななのかと読む場合もあります。四十九日(しじゅうくにち)という呼び方が浸透しているため、そちらの名称で聞き慣れている人も多いでしょう。大練忌(だいれんき)、満中陰(まんちゅういん)は七七日の別名です。

七七日では泰山王(薬師如来)から故人への最終判決が下されるとされています。大切な最後の審判が行われるため、七七日は忌日法要の中でも重要とされる日です。七七日で審判が決定しない場合は、百カ日、一周忌、三回忌で追加の審理が行われるとされます。七七日をもって忌服の期間が終わる忌明け(きあけ)とされます。

百カ日(ひゃっかにち)

百カ日(ひゃっかにち)は故人が亡くなってから100日目に執り行う法要です。忌明けした後に初めて執り行われる法要で、遺族と親族のみで実施するのが一般的です。卒哭忌(そっこくき)、出苦忌(しゅっくき)は百カ日の別名で、故人を失った悲しみに区切りをつけるという意味が込められています。そのため、遺品整理や形見分けなどは百カ日までに済ませるのが望ましいそうです。

七七日の審判で故人に良い結果が下らなかった場合でも、百カ日に平等王(観音菩薩)による審判が受けられるとされています。遺族や親族の供養によって故人が救済されるとされます。

2.年忌法要

年忌法要とは故人の命日に基づいて年単位で行われる法要です。亡くなって1年目の法要を一周忌と呼びます。三回忌以降は回忌数から1を引いた数の年数ごとに法要が行われます。例えば三回忌なら「3-2」で、2年目の法要です。一周忌以降は基本的に末尾に3または7がつく年度に年忌法要が行われます。

年忌法要の種類とタイミングは以下のとおりです。

年忌法要の種類 年忌法要を行うタイミング
一周忌 命日から満1年後
三回忌 満2年後
七回忌 満6年後
十三回忌 満12年後
十七回忌 満16年後
二十三回忌 満22年後
二十七回忌 満26年後
三十三回忌 満32年後
三十七回忌 満36年後
四十三回忌 満42年後
四十七回忌 満46年後
五十回忌 満49年後
百回忌 満99年後

百回忌まで執り行われるケースもありますが、必ずしも行わなければならない行事ではありません。三十三回忌、または五十回忌で弔い上げとする場合も多く見られます。

一周忌

一周忌(いっしゅうき)は故人が亡くなってから満1年後に執り行う法要です。故人の死から一周忌までが喪に服す期間とされ、一周忌を迎えると喪が明けるとされます。そのため、一周忌は年忌法要の中でも特に大切とされる法要です。

一周忌には遺族や親族、故人と親しかった友人が参加する場合が多く見られます。僧侶による読経が行われ、その後に会食が開かれるのが一般的な流れです。一周忌によって故人を偲ぶとともに、仏教の教えを再確認するための機会が設けられます。小祥忌(しょうじょうき)は一周忌の別名です。

一周忌と似た言葉に一回忌があります。一回忌とは故人が亡くなった日を指し、一周忌とは意味が異なるため注意が必要です。整理すると一回忌は命日、一周忌は命日から満1年後を指します。

三回忌

三回忌(さんかいき)は故人が亡くなってから満2年後(3 -1 = 2)の命日に執り行う法要です。年忌法要の中でも重要な節目となります。三回忌でも基本的には一周忌と同様、遺族や親族、故人の友人が集まり、供養と会食が行われます。大祥忌(だいじょうき)は三回忌の別名です。

三回忌の法要は命日の当日に実施するのが理想ですが、参加者が集まりづらい場合も考えられます。参加者の都合を考慮し、三回忌の直前の土日祝日に開く場合も少なくありません。

七回忌

七回忌(ななかいき)は故人が亡くなってから満6年後(7 -1 = 6)の命日に執り行う法要です。しちかいきと読む場合もあります。七回忌以降は一周忌や三回忌と比べて、規模が縮小される場合が少なくありません。休広忌(きゅうこうき)は七回忌の別名です。

七回忌は遺族や親族のみで行われるケースが多く見られます。参加者の都合がつきにくい場合は、三回忌と同様に日程を調整してもよいでしょう。日程を決める際は、命日の後にならない日取りにすることが大切です。

十三回忌

十三回忌(じゅうさんかいき)は故人が亡くなってから満12年後(13 -1 = 12)の命日に執り行う法要です。遺族のみで実施するのが一般的です。親族が参加しないなら日程が決まりやすくなりますが、それでも仕事や家庭の事情が生じる場合もあるでしょう。命日に近い土日祝日に実施すると都合がつきやすくなります。称名忌(しょうみょうき)は十三回忌の別名です。

十七回忌

十七回忌(じゅうしちかいき)は故人が亡くなってから満16年後(17 -1 = 16)の命日に執り行う法要です。じゅうななかいきと読む場合もあります。近年では十七回忌は省略される場合が増えてきています。実施する場合は遺族のみで集まるのが一般的です。慈明忌(じみょうき)は十七回忌の別名です。

二十三回忌

二十三回忌(にじゅうさんかいき)は故人が亡くなってから満22年後(23 - 1 = 22)の命日に執り行う法要です。十七回忌と同様、二十三回忌は省略される場合が増えてきています。実施する場合は遺族のみで集まるのが一般的です。思実忌(しじつき)は二十三回忌の別名です。

二十七回忌

二十七回忌(にじゅうしちかいき)は故人が亡くなってから満26年後(27 -1 = 26)の命日に執り行う法要です。十七回忌、二十三回忌と同じく、二十七回忌は省略される場合が増えてきています。実施する場合は遺族のみで集まるのが一般的です。忍光忌(にんこうき)は二十七回忌の別名です。

三十三回忌

三十三回忌(さんじゅうさんかいき)は故人が亡くなってから満32年後(33 -1 = 32)の命日に執り行う法要です。三十三回忌をもって最後の年忌法要とするケースは少なくありません。そのため、三十三回忌は省略せずに実施される場合が多く見られます。清浄忌(しょうじょうき)、清浄本然忌(しょうじょうほんねんき)は三十三回忌の別名です。

最後の年忌法要は弔い上げ(とむらいあげ)、または門切り(といきり)とも呼ばれます。

三十七回忌

三十七回忌(さんじゅうしちかいき)は故人が亡くなってから満36年後(37 -1 = 36)の命日に執り行う法要です。さんじゅうななかいきと読む場合もあります。前述したように三十三回忌をもって弔い上げとする場合が多いため、三十七回忌が行われないケースも珍しくありません。

四十三回忌

四十三回忌(よんじゅうさんかいき)は故人が亡くなってから満42年後(43 - 1 = 42)命日に執り行う法要です。しじゅうさんかいきと読む場合もあります。四十三回忌ともなると故人が亡くなってから年月が経っています。そのため三十七回忌と同様、四十三回忌も実施しないケースが多いでしょう。家庭によっては他のご先祖様とまとめて法要を行う場合もあります。

四十七回忌

四十七回忌(よんじゅうななかいき)は故人が亡くなってから満46年後(47 -1 = 46)の命日に執り行う法要です。しじゅうななかいきと読む場合もあります。四十七回忌の頃には遺族や親族が歳を重ねていることも多いでしょう。世代交代が起こっている場合もあり、実施が難しくなるケースも難しくありません。

五十回忌まで法要を実施するケースであっても、三十三回忌を執り行った後、四十三回忌と四十七回忌は省略される場合が多くなっています。

五十回忌

五十回忌(ごじゅっかいき)は故人が亡くなってから満49年後(49 -1 = 48)の命日に執り行う法要です。三十三回忌を弔い上げとしないケースでは、五十回忌が最後の法要となる場合が多いでしょう。そのため五十回忌は年忌法要の中でも節目となる重要な行事です。

百回忌

百回忌(ひゃっかいき)は故人が亡くなってから満99年後(99 -1 = 98)の命日に執り行う法要です。多くの宗派では三十三回忌や五十回忌をもって弔い上げとしています。そのため、百回忌を執り行わないケースは多いようです。百回忌では故人が亡くなってから99年も経過しているため、故人を知っている人も少なくなっていると考えられます。

まとめ

法要は法事の中でも故人を弔うために行われる宗教的な儀式を指します。故人を偲び気持ちの整理をつけるためにも法要は重要な行事です。また、法要は親族や故人の友人が一堂に会する機会ともなります。

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