近年では葬儀のスタイルとして、読経なし・戒名なしの家族葬を選ぶ方が増えています。しかし、僧侶を呼ばず読経や戒名がない葬儀は広く一般に浸透したものではないため、思わぬトラブルや後悔の原因となる可能性があります。注意すべきポイントを押さえた上で読経なし・戒名なしの家族葬を検討することが大切です。
本記事は読経なし・戒名なしの家族葬について、どのような種類があるのか、メリットなどを解説します。注意すべきポイントも併せて紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
そもそも読経・戒名とは
読経や戒名は葬儀の場でよく耳にする言葉です。しかし、そもそも読経や戒名にはどのような意味があるのか、具体的に認識できる場面は少ないかもしれません。読経・戒名の意味や基礎知識をそれぞれ解説します。
読経の意味
読経とは僧侶を含む仏教徒が、経文(お経)を声に出して朗読する行為です。葬儀の場では通常、僧侶が声を出して経文を読み上げる儀式が行われます。読経は亡くなった方のためのものという印象があるかもしれません。しかし、読経には参列者に対する説法としての意味合いがあります。
なお経文を見ずに暗唱することは読経ではなく誦経(じゅきょう)と呼びます。また、複数の僧侶による読経は諷経(ふぎん)という呼称で区別されています。
近年では葬儀の場に僧侶を呼ばないケースが増えています。僧侶を呼ばない場合は当然、葬儀で読経してもらえません。
戒名の意味
戒名も読経と同じく、亡くなった方のためのものという印象があるかもしれません。しかし、厳密には戒名は、仏の弟子になった印として寺から授かる名前を指します。元々は出家した僧侶や信者が生前に与えられるものでしたが、近代では出家していない方でも戒名を受けられるようになりました。
戒名は、仏教の葬儀を執り行う上で死後に授かる形が一般的です。故人に戒名をつける行為には、出家していない方であっても迷わず極楽浄土に行けるよう、願いが込められています。付けられた戒名は墓石や位牌に記され、葬儀や法要の場の読経で読み上げられるケースもあります。
読経なし・戒名なしの家族葬でも成仏できる?
読経や戒名をしなくても成仏できるかどうかは、遺族の考え方次第だといえるでしょう。人によって成仏の定義や概念が異なるため、一概には言えません。
宗教的な儀式に則ることよりも、故人を家族全員で見送ることの方が重要だと感じる方もいるでしょう。近年では葬儀のスタイルが従来と比べて柔軟になりつつあり、故人の生前の希望によって、読経なし・戒名なしの家族葬を選択するケースも珍しくありません。
家族葬についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
読経なし・戒名なしの葬儀には2つの種類がある
読経なし・戒名なしの葬儀には、直葬と無宗教葬があります。それぞれの葬儀の流れやメリット・デメリットなどを解説します。
1.直葬
直葬は通夜や葬式、告別式などを開かず、火葬のみで済ませる葬儀のスタイルです。火葬式と呼ばれる場合もあります。直葬以外の葬儀では故人が亡くなった当日、または翌日の晩に通夜を執り行います。翌日の葬儀や告別式で故人とのお別れを済ませ、火葬場に向かうのが一般的です。
一方、直葬は通夜や葬式、告別式を省略し、葬儀をシンプルにまとめるスタイルの葬儀です。身内のみで葬儀を行いたい場合は、直葬も一つの選択肢といえるでしょう。直葬なら葬儀会場や祭壇を手配せずに済み、僧侶へのお布施も用意する必要がありません。葬儀にかかる時間を短縮でき、費用も抑えられます。
ただし葬儀を直葬にする場合、故人に縁がある方から反対される可能性があります。故人を偲ぶために通夜や葬儀に参列したいと考えていた方がいると、直葬に対して不満を抱くかもしれません。また葬儀を直葬にしたことで、後から故人を偲ぶ場を別途用意しないといけなくなる可能性があります。そうなれば通夜や葬儀の開催よりも費用や時間の負担が大きくなることも考えられるでしょう。
また、直葬を選択したものの、葬儀の直前になって遺族が「より手厚く葬儀を執り行うべきだった」と感じ、後悔するケースも考えられます。この場合、直葬でも火葬炉の前で5分程度の短い読経をしてもらうという方法があります。直葬は絶対に僧侶が来ない葬儀という訳ではありません。直葬でも僧侶を招き、読経をしてもらうことも可能です。
2.無宗教葬
無宗教葬は自由葬とも呼ばれます。葬儀では、何らかの宗教や宗派の教えに基づいて故人を供養するのが一般的です。そのため多くの葬儀では、僧侶などの宗教者を招き、宗教的な儀式を執り行います。
一方、無宗教葬には宗教的な要素がありません。読経の代わりに黙祷を、焼香の代わりに献花を捧げるケースが多く見られます。無宗教葬には決められた流れもなく、オリジナリティが反映された葬儀となる傾向です。同じ読経なし・戒名なしの葬儀でも、直送より自由度が高いため、葬儀に故人の個性や希望、遺族の意向などを反映しやすいでしょう。
反面、無宗教葬を行うには親族の理解が必要です。葬儀の品質や納得感が、葬儀社の提案力に左右されてしまう点も考慮しましょう。
家族葬を読経なし・戒名なしで行うメリット
家族葬を読経なし・戒名なしで行う場合のメリットは以下のとおりです。
● 葬儀の費用を抑えられる
● 自由度の高い葬儀ができる
それぞれの内容を詳しく解説します。
葬儀の費用を抑えられる
読経なし・戒名なしの家族葬は、葬儀の費用を抑えられる傾向にあります。一般葬で読経・戒名を依頼する場合、僧侶に対するお布施が必要です。お布施の金額は決められている訳ではなく、状況によっても異なりますが、マナーをしっかり考慮すると場合によっては高額になることがあります。
葬儀を開催するタイミングだけでなく、その後の法要でも僧侶を呼ぶ場合、その都度お布施を用意しなくてはなりません。お布施はあくまでも僧侶への感謝の気持ちと位置付けられていますが、経済的な負担がかかるのは事実です。
読経・戒名が必要なく、葬儀に僧侶を呼ばない場合は、経済的な負担を削減できるでしょう。経済的負担を軽減できるのは、読経なし・戒名なしの家族葬のメリットといえます。
自由度の高い葬儀ができる
読経・戒名の必要がなければ、仏式の葬儀のやり方に縛られる必要がありません。先述のとおり無宗教葬なら決まりやルールがないため、故人の生前の希望や遺族の意向をより反映しやすくなります。自由度が高くオリジナリティがある葬儀も可能です。
自由度が高い葬儀の例は以下のとおりです。
● VTRやナレーションを放送し故人との思い出を振り返る
● 故人との思い出を語らう食事会を開く
● 自由なスタイルでお別れの言葉を伝える(弔事)
● 故人が生前好んでいた楽曲を流す(献奏)
● 故人が生前好んでいた花を捧げる(献花)
● 故人の仕事道具や趣味のアイテムなどを飾る
なお自由度の高い葬儀は、内容を一つひとつ決めていかなければならないため、準備は大変になりがちです。実例もまだ少ないため、参考になるサンプルもそこまで多くはありません。
家族葬を読経なし・戒名なしで行う際の注意点
家族葬を読経なし・戒名なしで行う際は、以下の点に注意してください。
● 菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要
● 事前に親戚に伝えておく
● 読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかしっかりと考える
それぞれ詳しく解説します。
菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要
菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要です。菩提寺とは先祖代々のお墓があり、葬儀や法要を依頼している寺のことです。宗教的なしきたりに従わない場合、故人の納骨を断られる可能性が高いでしょう。
また読経なし・戒名なしの家族葬を執り行うと、納骨ができないだけではなく、菩提寺との関係が悪くなるというリスクもあります。もしも菩提寺があるなら、葬儀についてあらかじめ相談しておくのも一つの手です。ただし、事前に相談したからといってかならずしも理解が得られるとは限りません。納骨を承諾してもらえない場合は、別の納骨先を見つける必要があります。
なお無宗教の場合は、戒名がなくても納骨が可能な場合が多いです。 無宗教の場合の納骨先としては永代供養墓、樹木葬のお墓、ロッカータイプの納骨堂などがあります。菩提寺に納骨を断られた場合も、これらの納骨先は利用できます。
読経なし・戒名なしの家族葬を検討しているなら、菩提寺との関係や納骨先の問題についても考慮しておきましょう。
事前に親戚に伝えておく
読経なし・戒名なしの家族葬を行う場合、親戚に伝えておくことが大切です。読経なし・戒名なしの家族葬は、親戚とのトラブルの理由になるリスクがあります。僧侶を呼ばない葬儀は増加傾向にあるとはいえ、一般に浸透した方法ではありません。特に儀式や儀礼を重んじる方や伝統的なやり方になじみの深い方から見るとは、読経なし・戒名なしの家族葬は理解を得られない可能性が高いでしょう。
伝わり方によっては葬儀をきっかけにトラブルに発展したり、親戚と疎遠になってしまったりすることもあり得ます。事前に親族に葬儀のプランを伝え、理解を得られるよう説明しましょう。もしも読経なし・戒名なしの家族葬について強い反対があった場合は、再度検討することも、ときには必要です。
読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかしっかりと考える
読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかは、しっかりと考える必要があります。葬儀は故人にとっての最後の儀式であり、遺族にとっては故人とお別れするための大切な行事となるからです。
安易に読経なし・戒名なしの家族葬を決めてしまうと、時間がたってから後悔する可能性があります。例えば「宗教にこだわりがない」「費用を安く済ませられる」「僧侶を呼ばなくてよい」という理由だけで読経なし・戒名なしの家族葬を行った場合、後から「もっとしてあげるべきだった」という気持ちに至るかもしれません。
その点故人の強い遺志によって読経や戒名なしの家族葬を行う場合は、納得できる可能性が高いです。読経なし・戒名なしの家族葬を行う際は、その理由をしっかりと検討してみてください。
まとめ
家族葬は一般葬と比べて自由度が高い葬儀といえます。近年では読経なし・戒名なしの葬儀を選択するケースも増えています。
読経なし・戒名なしの葬儀は費用を抑えられ、時間を短縮できる点がメリットです。一方、親族の反対を受けたり、後悔してしまったりというデメリットもあるため、本当に読経や戒名なしの家族葬にするべきかは慎重に判断しましょう。
葬儀に関するご相談は、神奈川県・東京エリアの葬儀会社、株式会社サン・ライフがお力になります。お客さまに合ったプランによって、故人が生きてきた軌跡を感じられるような葬儀をご提案します。上場企業として誠実なサービスをお約束いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
近年では葬儀のスタイルとして、読経なし・戒名なしの家族葬を選ぶ方が増えています。しかし、僧侶を呼ばず読経や戒名がない葬儀は広く一般に浸透したものではないため、思わぬトラブルや後悔の原因となる可能性があります。注意すべきポイントを押さえた上で読経なし・戒名なしの家族葬を検討することが大切です。
本記事は読経なし・戒名なしの家族葬について、どのような種類があるのか、メリットなどを解説します。注意すべきポイントも併せて紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
そもそも読経・戒名とは
読経や戒名は葬儀の場でよく耳にする言葉です。しかし、そもそも読経や戒名にはどのような意味があるのか、具体的に認識できる場面は少ないかもしれません。読経・戒名の意味や基礎知識をそれぞれ解説します。
読経の意味
読経とは僧侶を含む仏教徒が、経文(お経)を声に出して朗読する行為です。葬儀の場では通常、僧侶が声を出して経文を読み上げる儀式が行われます。読経は亡くなった方のためのものという印象があるかもしれません。しかし、読経には参列者に対する説法としての意味合いがあります。
なお経文を見ずに暗唱することは読経ではなく誦経(じゅきょう)と呼びます。また、複数の僧侶による読経は諷経(ふぎん)という呼称で区別されています。
近年では葬儀の場に僧侶を呼ばないケースが増えています。僧侶を呼ばない場合は当然、葬儀で読経してもらえません。
戒名の意味
戒名も読経と同じく、亡くなった方のためのものという印象があるかもしれません。しかし、厳密には戒名は、仏の弟子になった印として寺から授かる名前を指します。元々は出家した僧侶や信者が生前に与えられるものでしたが、近代では出家していない方でも戒名を受けられるようになりました。
戒名は、仏教の葬儀を執り行う上で死後に授かる形が一般的です。故人に戒名をつける行為には、出家していない方であっても迷わず極楽浄土に行けるよう、願いが込められています。付けられた戒名は墓石や位牌に記され、葬儀や法要の場の読経で読み上げられるケースもあります。
読経なし・戒名なしの家族葬でも成仏できる?
読経や戒名をしなくても成仏できるかどうかは、遺族の考え方次第だといえるでしょう。人によって成仏の定義や概念が異なるため、一概には言えません。
宗教的な儀式に則ることよりも、故人を家族全員で見送ることの方が重要だと感じる方もいるでしょう。近年では葬儀のスタイルが従来と比べて柔軟になりつつあり、故人の生前の希望によって、読経なし・戒名なしの家族葬を選択するケースも珍しくありません。
家族葬についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
読経なし・戒名なしの葬儀には2つの種類がある
読経なし・戒名なしの葬儀には、直葬と無宗教葬があります。それぞれの葬儀の流れやメリット・デメリットなどを解説します。
1.直葬
直葬は通夜や葬式、告別式などを開かず、火葬のみで済ませる葬儀のスタイルです。火葬式と呼ばれる場合もあります。直葬以外の葬儀では故人が亡くなった当日、または翌日の晩に通夜を執り行います。翌日の葬儀や告別式で故人とのお別れを済ませ、火葬場に向かうのが一般的です。
一方、直葬は通夜や葬式、告別式を省略し、葬儀をシンプルにまとめるスタイルの葬儀です。身内のみで葬儀を行いたい場合は、直葬も一つの選択肢といえるでしょう。直葬なら葬儀会場や祭壇を手配せずに済み、僧侶へのお布施も用意する必要がありません。葬儀にかかる時間を短縮でき、費用も抑えられます。
ただし葬儀を直葬にする場合、故人に縁がある方から反対される可能性があります。故人を偲ぶために通夜や葬儀に参列したいと考えていた方がいると、直葬に対して不満を抱くかもしれません。また葬儀を直葬にしたことで、後から故人を偲ぶ場を別途用意しないといけなくなる可能性があります。そうなれば通夜や葬儀の開催よりも費用や時間の負担が大きくなることも考えられるでしょう。
また、直葬を選択したものの、葬儀の直前になって遺族が「より手厚く葬儀を執り行うべきだった」と感じ、後悔するケースも考えられます。この場合、直葬でも火葬炉の前で5分程度の短い読経をしてもらうという方法があります。直葬は絶対に僧侶が来ない葬儀という訳ではありません。直葬でも僧侶を招き、読経をしてもらうことも可能です。
2.無宗教葬
無宗教葬は自由葬とも呼ばれます。葬儀では、何らかの宗教や宗派の教えに基づいて故人を供養するのが一般的です。そのため多くの葬儀では、僧侶などの宗教者を招き、宗教的な儀式を執り行います。
一方、無宗教葬には宗教的な要素がありません。読経の代わりに黙祷を、焼香の代わりに献花を捧げるケースが多く見られます。無宗教葬には決められた流れもなく、オリジナリティが反映された葬儀となる傾向です。同じ読経なし・戒名なしの葬儀でも、直送より自由度が高いため、葬儀に故人の個性や希望、遺族の意向などを反映しやすいでしょう。
反面、無宗教葬を行うには親族の理解が必要です。葬儀の品質や納得感が、葬儀社の提案力に左右されてしまう点も考慮しましょう。
家族葬を読経なし・戒名なしで行うメリット
家族葬を読経なし・戒名なしで行う場合のメリットは以下のとおりです。
● 葬儀の費用を抑えられる
● 自由度の高い葬儀ができる
それぞれの内容を詳しく解説します。
葬儀の費用を抑えられる
読経なし・戒名なしの家族葬は、葬儀の費用を抑えられる傾向にあります。一般葬で読経・戒名を依頼する場合、僧侶に対するお布施が必要です。お布施の金額は決められている訳ではなく、状況によっても異なりますが、マナーをしっかり考慮すると場合によっては高額になることがあります。
葬儀を開催するタイミングだけでなく、その後の法要でも僧侶を呼ぶ場合、その都度お布施を用意しなくてはなりません。お布施はあくまでも僧侶への感謝の気持ちと位置付けられていますが、経済的な負担がかかるのは事実です。
読経・戒名が必要なく、葬儀に僧侶を呼ばない場合は、経済的な負担を削減できるでしょう。経済的負担を軽減できるのは、読経なし・戒名なしの家族葬のメリットといえます。
自由度の高い葬儀ができる
読経・戒名の必要がなければ、仏式の葬儀のやり方に縛られる必要がありません。先述のとおり無宗教葬なら決まりやルールがないため、故人の生前の希望や遺族の意向をより反映しやすくなります。自由度が高くオリジナリティがある葬儀も可能です。
自由度が高い葬儀の例は以下のとおりです。
● VTRやナレーションを放送し故人との思い出を振り返る
● 故人との思い出を語らう食事会を開く
● 自由なスタイルでお別れの言葉を伝える(弔事)
● 故人が生前好んでいた楽曲を流す(献奏)
● 故人が生前好んでいた花を捧げる(献花)
● 故人の仕事道具や趣味のアイテムなどを飾る
なお自由度の高い葬儀は、内容を一つひとつ決めていかなければならないため、準備は大変になりがちです。実例もまだ少ないため、参考になるサンプルもそこまで多くはありません。
家族葬を読経なし・戒名なしで行う際の注意点
家族葬を読経なし・戒名なしで行う際は、以下の点に注意してください。
● 菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要
● 事前に親戚に伝えておく
● 読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかしっかりと考える
それぞれ詳しく解説します。
菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要
菩提寺がある場合は納骨先に注意が必要です。菩提寺とは先祖代々のお墓があり、葬儀や法要を依頼している寺のことです。宗教的なしきたりに従わない場合、故人の納骨を断られる可能性が高いでしょう。
また読経なし・戒名なしの家族葬を執り行うと、納骨ができないだけではなく、菩提寺との関係が悪くなるというリスクもあります。もしも菩提寺があるなら、葬儀についてあらかじめ相談しておくのも一つの手です。ただし、事前に相談したからといってかならずしも理解が得られるとは限りません。納骨を承諾してもらえない場合は、別の納骨先を見つける必要があります。
なお無宗教の場合は、戒名がなくても納骨が可能な場合が多いです。 無宗教の場合の納骨先としては永代供養墓、樹木葬のお墓、ロッカータイプの納骨堂などがあります。菩提寺に納骨を断られた場合も、これらの納骨先は利用できます。
読経なし・戒名なしの家族葬を検討しているなら、菩提寺との関係や納骨先の問題についても考慮しておきましょう。
事前に親戚に伝えておく
読経なし・戒名なしの家族葬を行う場合、親戚に伝えておくことが大切です。読経なし・戒名なしの家族葬は、親戚とのトラブルの理由になるリスクがあります。僧侶を呼ばない葬儀は増加傾向にあるとはいえ、一般に浸透した方法ではありません。特に儀式や儀礼を重んじる方や伝統的なやり方になじみの深い方から見るとは、読経なし・戒名なしの家族葬は理解を得られない可能性が高いでしょう。
伝わり方によっては葬儀をきっかけにトラブルに発展したり、親戚と疎遠になってしまったりすることもあり得ます。事前に親族に葬儀のプランを伝え、理解を得られるよう説明しましょう。もしも読経なし・戒名なしの家族葬について強い反対があった場合は、再度検討することも、ときには必要です。
読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかしっかりと考える
読経なし・戒名なしの家族葬を行うかどうかは、しっかりと考える必要があります。葬儀は故人にとっての最後の儀式であり、遺族にとっては故人とお別れするための大切な行事となるからです。
安易に読経なし・戒名なしの家族葬を決めてしまうと、時間がたってから後悔する可能性があります。例えば「宗教にこだわりがない」「費用を安く済ませられる」「僧侶を呼ばなくてよい」という理由だけで読経なし・戒名なしの家族葬を行った場合、後から「もっとしてあげるべきだった」という気持ちに至るかもしれません。
その点故人の強い遺志によって読経や戒名なしの家族葬を行う場合は、納得できる可能性が高いです。読経なし・戒名なしの家族葬を行う際は、その理由をしっかりと検討してみてください。
まとめ
家族葬は一般葬と比べて自由度が高い葬儀といえます。近年では読経なし・戒名なしの葬儀を選択するケースも増えています。
読経なし・戒名なしの葬儀は費用を抑えられ、時間を短縮できる点がメリットです。一方、親族の反対を受けたり、後悔してしまったりというデメリットもあるため、本当に読経や戒名なしの家族葬にするべきかは慎重に判断しましょう。
葬儀に関するご相談は、神奈川県・東京エリアの葬儀会社、株式会社サン・ライフがお力になります。お客さまに合ったプランによって、故人が生きてきた軌跡を感じられるような葬儀をご提案します。上場企業として誠実なサービスをお約束いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。