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【例文あり】家族葬の献杯で行うあいさつとは?行う人やタイミング・気を付けるポイントを解説

【例文あり】家族葬の献杯で行うあいさつとは?行う人やタイミング・気を付けるポイントを解説
【例文あり】家族葬の献杯で行うあいさつとは?行う人やタイミング・気を付けるポイントを解説
作成日:2024/09/11 最終更新日:2024/09/11

家族葬の会食では、献杯が行われる機会があります。献杯は乾杯に似た動作を含みますが、その意味合いは全く異なります。献杯とはどのようなものか、乾杯との違いを理解することで献杯のあいさつを滞りなく務められるでしょう。

本記事では家族葬の献杯で行うあいさつの基礎知識や、献杯のあいさつは誰が担当するのか、献杯のあいさつを行うタイミングなどを解説します。家族葬の献杯で気を付けるべきポイントも合わせて紹介するのでぜひ参考にしてください。

家族葬・一般葬で行う献杯のあいさつとは

日常的に使われる乾杯はおめでたい席で行われます。一方、葬儀や法要の会食で杯を差し出す行為は、乾杯ではなく献杯と呼ばれます。乾杯と献杯は言葉の響きが似ていますが、意味合いが異なるため使い分けに注意が必要です。献杯の意味や乾杯との違いを詳しく解説します。

献杯の意味

葬儀や法要の後には参列者が集まる会食が開かれることが珍しくありません。葬儀の会食には通夜振る舞いや精進落としといったものがあります。会食のはじめには喪主のあいさつに続き、故人に敬意を表して杯を捧げる場合があり、献杯と呼びます。改まった場だけでなく、友人同士で故人を偲ぶ会食を開く際も献杯がふさわしいでしょう。

献杯は会食の際に必ず行わなければならないものではありません。献杯は明確に決まりが定められたものではなく、慣習として根付いた行為です。そのため宗教や宗派、地域によっては献杯を行わない場合もあります。献杯を実施すべきかどうかは、葬儀社や菩提寺、地域の文化に精通した人などにあらかじめ尋ねておくとよいでしょう。

乾杯との違い

献杯に似た言葉に乾杯があります。両者は杯を差し出すという動作からも類似しています。しかしその意味合いには大きな違いがあるため、しっかりと使い分けなくてはなりません。

乾杯は慶事やおめでたい席で行われるため場を盛り上げる役割があり、にぎやかな雰囲気の中で行われます。乾杯に伴って歓声や拍手などが起こり、参加者が互いのグラスを併せて音を鳴らします。

一方、献杯は気分を高めるためではなく、故人に敬意と追悼を表すための行為です。歓声や拍手などを伴わず、厳粛な雰囲気の中で実施されます。献杯は日本の古くからの風習とされています。

献杯と乾杯は、言葉や動作が似ていても、意味合いやムードは正反対のものといえるでしょう。

献杯のあいさつを行う人

献杯のあいさつを行う人には明確な基準がなく、決められてはいません。通夜や葬儀のあいさつは原則として喪主が行いますが、献杯のあいさつは喪主だけでなく、他の遺族や親族、故人の友人などが喪主からの指名を受けて行うケースもあります。

喪主は葬儀の責任者、兼進行役という立ち位置です。献杯においては司会者のような役割を務める場合が少なくありません。基本的には喪主が献杯前のあいさつを担当し、次に喪主による選任者が献杯のあいさつを実施する流れとなります。

喪主から選任者に献杯のあいさつを依頼するタイミングは、できるだけ早めが望ましいでしょう。献杯の直前など急なタイミングであいさつをお願いされても、内容を考える余裕がないからです。選任者にはあらかじめ相談しておきましょう。

献杯のあいさつを行うタイミング

献杯のあいさつを行う主なタイミングは、通夜振る舞いと精進落としです。

通夜振る舞いとは通夜の後に設けられる会食のことです。飲み物や食事を囲みながら、思い出話を語り故人を偲びます。精進落としは遺族が火葬場から戻ったタイミングで開かれる会食です。精進落としでも通夜振る舞いと同じく、飲み物や食事を囲んで故人を偲びます。

精進落としは本来、四十九日の忌明けを終え通常の生活に戻す際の食事として捉えられておりました。
しかし、近年では忌明けの考え方が変わりつつあり、初七日法要の後で開かれることが主流となってきており、何度も集まるのが難しいなどの理由で葬儀当日に精進落としを行うこともあります。

家族葬で行う献杯のあいさつで使える例文

家族葬で献杯のあいさつが行われる際、よくあるパターンは以下のとおりです。

● 喪主が献杯のあいさつをする場合
● 故人の親族が献杯のあいさつをする場合
● 故人の子どもが献杯のあいさつをする場合
● 遺族代表が献杯のあいさつをする場合
● 故人の友人が献杯のあいさつをする場合

それぞれの場面で使える例文を紹介します。

喪主が献杯のあいさつをする場合

喪主が献杯のあいさつをする場合の例文は以下のとおりです。

喪主の〇〇〇と申します。

本日は故〇〇のご葬儀にご参列いただき、深く感謝いたします。

〇〇(故人)もきっと喜んでいることと存じます。

皆様の温かい心遣いに深くお礼申し上げます。

 

ささやかではございますが、ここに〇〇が生前愛してやまなかったお酒を準備いたしました。

お食事とともに楽しみ、〇〇の思い出を語り合いながら追悼したく存じます。

それでは献杯いたしますので、みなさまお手元のグラスをお持ちください。献杯。

例文ではあいさつの中に故人のエピソードを交えているため、会食で思い出話を語り合うきっかけになるでしょう。喪主があいさつをする場合、参列者はすでに喪主のことを認識しているため、自己紹介は省略しても問題ありません。

故人の親族が献杯のあいさつをする場合

故人の親族が献杯のあいさつをする場合の例文は以下のとおりです。

喪主より紹介いただきました、故人〇〇の弟〇〇〇でございます。

この度は、〇〇(故人)の葬儀にご足労いただき心からお礼申し上げます。

おかげさまで葬儀を滞りなく、無事に終えることができました。

 

〇〇はとにかくお祭りや宴会など、にぎやかなことが好きな性格でした。

皆さまにこのようにお集まりいただき、〇〇もさぞかし喜んでいることと思います。

この場では〇〇の思い出話を語り合いながら、会食の席を過ごせたらと存じます。

それでは、献杯させていただきますので、お手元のグラスをお持ちください。献杯。

故人の親族があいさつを担当する際は、最初に故人との関係性を述べましょう。

故人の子どもが献杯のあいさつをする場合

故人の子どもが献杯のあいさつをする場合の例文は以下のとおりです。

ご紹介にあずかりました、故人の長男〇〇〇と申します。

本日は父〇〇の葬儀に参列いただき、誠にありがとうございました。

滞りなく葬儀を済ませることができ、父もきっと喜んでいることでしょう。

 

本日は父が生前好きだったお酒を片手に、思い出を語り合いながら父を偲べればと存じます。

それでは献杯いたします。お手元のグラスをお持ちください。献杯。

故人の子どもであっても喪主ではない人があいさつする場合は、はじめに故人との関係性を述べます。

遺族代表が献杯のあいさつをする場合

遺族代表が献杯のあいさつをする場合の例文は以下のとおりです。

喪主よりご紹介にあずかりました、故人〇〇の遺族代表〇〇〇でございます。

故人〇〇は私の叔父にあたります。

本日は故〇〇の葬儀に際し、お集まりいただき誠にありがとうございました。

 

故人もきっと安心していることでしょう。

ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。

ゆっくり召し上がっていただきながら故人との思い出話を伺えればと存じます。献杯。

喪主以外の遺族代表の立場にある人が献杯のあいさつをする場合もあります。遺族代表の方が献杯のあいさつする場合も、喪主ではない場合はあいさつの冒頭に簡単な自己紹介を述べましょう。

故人の友人が献杯のあいさつをする場合

故人の友人が献杯のあいさつをする場合の例文は以下のとおりです。

故人の学生時代からの友人の〇〇〇と申します。

この度は突然のことで、このような形でお別れすることになるとは残念でなりません。

今でも目を閉じると〇〇(故人)の元気な姿が思い起こされます。

 

残されたご家族の悲しみはいかばかりかと存じますが、心よりご冥福をお祈りいたします。

〇〇のことですから、きっと私たちのことを笑顔で見守ってくれていることでしょう。

それでは、これより献杯させていただきたいと思います。献杯。

故人の友人があいさつを担当する場合もあります。故人への想いと一緒に、いつからの友人なのかを自己紹介に含めてもよいでしょう。

家族葬で献杯のあいさつをする際に気を付けるポイント

家族葬で献杯のあいさつをする際、気を付けるポイントは以下のとおりです。

● あいさつは長すぎないようにする
● 忌み言葉や重ね言葉を使わない
● 献杯と乾杯の言い間違えに注意する

それぞれ詳しく解説します。

あいさつは長すぎないようにする

献杯のあいさつは長すぎないようにし、1〜2分程度に抑えましょう。献杯のあいさつが済むまで参列者は飲み物や食事を飲んだり食べたりできません。あまりにあいさつが長いと料理が冷めてしまいます。

あいさつには自己紹介や故人との関係性、思い出のエピソードなどを簡潔に盛り込みましょう。故人を想う気持ちが強いほど献杯のあいさつが長くなってしまいがちですが、可能な限り短くまとめることが大切です。故人の思い出はあいさつ後の食事の席で語り合うとよいでしょう。

忌み言葉や重ね言葉を使わない

献杯のあいさつでは忌み言葉や重ね言葉を使わないように注意が必要です。忌み言葉とは不幸や縁起の悪さを連想させる言葉を指し、葬儀の場では控えるべきとされています。重ね言葉は不幸が重なることを連想させる言葉です。他にも続け言葉や、生死の直接的な表現を使わないように気を付けましょう。それぞれの例は以下のとおりです。

忌み言葉 衰える、枯れる、消える
重ね言葉 いろいろ、くれぐれも、さまざま
続き言葉 今一度、重ねて、引き続き
生死を直接表す言葉 死亡、急死、生存中

忌み言葉や重ね言葉の中には、日常で何気なく使うものも多く含まれます。献杯のあいさつ時にうっかり言ってしまわないよう、内容を事前に考えておきましょう。

献杯と乾杯の言い間違えに注意する

あいさつの際は、献杯と乾杯の言い間違えに注意が必要です。献杯と乾杯は音にすると一音しか違いがありません。普段から乾杯をする機会が多い方ほど、言い間違いを起こさないよう細心の注意が求められます。たとえ故意ではない間違いでも、聞いている参列者の中には不快に感じる方がいるかもしれません。

また献杯と乾杯では、マナーも異なります。献杯ではグラスを打ち合わせて音を発したり、あいさつに合わせて拍手したりすることはマナー違反と見なされます。グラスは高く持ち上げすぎず、唱和は控えめにする配慮が大切です。

まとめ

家族葬の会食でも、一般葬と同じように食事前のあいさつと献杯が行われることがあります。献杯のあいさつを誰がするのか決まりはないため、喪主の他に個人の親族や子ども、遺族代表の人などが務めるケースもあるでしょう。故人への気持ちが強いほどあいさつは長くなりがちですが、短く簡潔にまとめることが大切です。あいさつの際は忌み言葉や言い間違いにも気を付けましょう。

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