母が他界したのは、実家のあった千葉県からこちらに呼び寄せてしばらくのこと。おしゃべり好きな母にとっては可愛い孫とひ孫の顔が見られる楽しい新生活が始まったところでした。
参列者が多い葬儀を執り行った経験から、母はずっと「私の時は家族葬で」と希望していました。子供たちにはあのような苦労をさせたくないという、母なりの”子供孝行”だったのかもしれません。
身内のみの家族葬で行いましたので、まだ小さな孫も出席させていただきました。幼いながらに何か不安を感じたのか、ぐずり始めてしまう場面もありましたが、優しくあやしてくださったのはサン・ライフのスタッフの方。幼子を葬儀に参列させるのに迷いもあっただけに、母と孫が最後のお別れができるようサポートしていただいたことには大変感謝しています。
孫の相手をしてくれた方をはじめ、担当の出村さん、斎場のスタッフの皆さまの対応が素晴らしかったです。職員の方の優しい人柄が、斎場の雰囲気の良さを作っているのだと感心させられました。普段はあまり物事を褒めない兄も、「このような斎場はなかなか無い」と絶賛。娘は通夜料理を食べて「うまっ!」と溢し、親族皆和やかに思い出話に花咲きました。
慎ましくできる範囲でと思っていましたが、供花を多く注文したこともあり、祭壇は家族葬とは思えないほどお花でいっぱいになりました。出棺の前、柩にお花をたむける際には、あまりの多さに「まだあるの!?」と親族みんなから驚きの声が。終始和やかに、明るく行われた家族葬でした。
葬儀が終わって帰宅すると、すぐに出村さんがお花を届けてくださいました。娘も「すごくきれい」と遺影のそばに飾って記念写真をパシャリ。我が家らしい賑やかな見送りに、母は満足してくれたでしょうか。ふと考えるたびに、大好きなお花に包まれた母の顔を思い出します。こうやって繰り返し想いを馳せることで、私たちは母の死を受け入れ、また日々を生きていくのでしょう。そしてそんな私たちを、母は穏やかに見守ってくれている、そんな気がいたします。