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【宗派別】仏壇の配置方法と適した場所!疑問点をすっきり解決

【宗派別】仏壇の配置方法と適した場所!疑問点をすっきり解決
【宗派別】仏壇の配置方法と適した場所!疑問点をすっきり解決
作成日:2024/09/11 最終更新日:2024/10/02

「仏壇」は、仏教を信じる人にとって非常に大きな意味を持つものです。そしてこの「仏壇」の配置は、宗派によって異なります。置き方はもちろん、ご本尊にも違いがみられるため、把握しておきましょう。
ここでは、「宗派ごとによる仏壇の配置方法」を説明しながら、「仏壇を置くのにふさわしい場所はどこか」「仏壇の配置に関するよくあるQ&A」について解説していきます。

宗派別・仏壇の配置方法

宗派別・仏壇の配置方法
仏教には複数の宗派があり、それぞれの宗派で向きや祀り方、そしてご本尊も異なります。
向きに関する違いは、以下の通りです。

  • ・南面北座説:仏壇を南向きにする方法です。これは、かつての中国で「高貴な身分にある人は南向きに座る」とされていたことに由来します。仏様は仏教においてもっとも高貴な身分であることから、このように考えられるようになりました。
  • ・東面西座説:日本の仏教は中国から伝わっており、上記の「南向きに置く方法」はおそらくその影響を受けてのことと思われます。しかし仏教の生まれ故郷であるインドでは、「東は出世に繋がる」とされているため、東側に仏壇を置くという考え方も存在します。なおこれには、「西方に存在する浄土に向かって、東側からお祈りする」とする思想も関係しているといわれています。
  • ・本山中心説:宗派にはそれぞれ「本山」があります。その本山の方角に向かって仏壇を置く、という形式もあります。この考えを取る場合、仏壇を置く方向はご家庭ごとに異なることになります。

浄土真宗 本願寺派

浄土真宗は、「本願寺派」と「大谷派」に大別されますが、どちらも東面西座説を取ります。
浄土真宗のもっとも大きな特徴は、故人の位牌を置かないところです。浄土真宗では「南無阿弥陀仏と唱えれば、人はすぐに成仏できるのだ」という考えも持ちます。そのため、追善供養のための位牌は必要としないのです。また、すぐに成仏するため冥途を旅することもなく、したがって「冥福を祈る」という考え方もありません。
浄土真宗本願寺派は、西方浄土の教主である阿弥陀如来をご本尊とし、その脇に真宗大谷派を開いた教祖親鸞聖人と、本願寺派の第8代目の宗主である蓮如上人を祀ります。

浄土真宗 大谷派

東面西座説を取ります。
本願寺派と同じく、阿弥陀如来をご本尊とし、位牌は配しません。
十字名号と呼ばれる「帰命尽十方無碍光如来」という言葉を書いた掛け軸を右に配します。なお「帰命尽十方無碍光如来」は、「あらゆる方向をあまねくすべて照らし、どのような者であっても救ってくださる仏様を信じます」という意味です。
左に配されるのは「南無不可思議光如来(九字名号)です。これは、「人の持つ知恵を遥かに超えた智慧をお持ちの阿弥陀如来をお祀りする」という意味を持っている言葉です。
なお、「大谷派でも、親鸞聖人や蓮如上人を祀る」とする考え方もあります。

真言宗

本山中心説を取ります。
ご本尊には、「宇宙そのもの」を表す大日如来を置き、右側に弘法大師を置きます。弘法大師は「空海」とも呼ばれた高僧で、真言宗の開祖でもあります。ちなみに非常に達筆な人物で、その名前は、「弘法筆を選ばず」などのことわざにも残されています。
左に置かれる不動明王は、大日如来の化身としても知られています。炎を背景に、剣を持った勇ましい姿で、憤怒の顔で描かれているのが大きな特徴です。

浄土宗

東面西座説を取ります。
浄土真宗のご本尊は、浄土真宗と同じ「阿弥陀如来」です。
右には「観音菩薩」を配します。観音菩薩は非常によく女性の姿で描かれる菩薩で、特に「観音様」と呼ばれることが多い存在です。慈悲の心を表す優しい存在としてよく知られています。
左に配するのは「勢至菩薩」です。「せいしぼさつ」と呼ばれる存在で、仏教を信じている人が亡くなったときに、遠く西方の浄土から迎えに来てくれる菩薩と伝えられています。

曹洞宗

南面北座説が主に取られます。
中心上部に本尊である釈迦牟尼如来を配します。釈迦牟尼如来は、私たちがもっともよく知る「仏教の開祖」であるゴーダマ・シッダールタ、つまり「お釈迦さま」のことです。
右に置かれるのは「達磨大師」です。達磨大師は、インドから中国にゴーダマ・シッダールタの正しい教義を伝えたとされる人物で、9年もの間壁に向かって座禅を組み、悟りを得たとされている高僧でもあります。
左側には、観音菩薩が置かれます。
向かって右側に達磨大師、左側に観世音菩薩をまつる。
曹洞宗の場合には、上から2段目に五具足・位牌をまつる

臨済宗

南面北座説
中心上部に本尊である釈迦牟尼如来、向かって右側に道元禅師、左側に宝山禅師
臨済宗の場合は、2段目に位牌と過去帳を置き、3段面に五具足(香炉、ろうそく立て×2、花立×2)を置くのがもっとも正式です。

日蓮宗

日蓮宗は、仏壇の向きを定めない宗派です。
日蓮宗は非常に特徴的な仏壇の形式を取ります。ご本尊は「大曼荼羅」「曼荼羅」と呼ばれるサンスクリット語の文字であり、ほかの宗派のように「仏様」を置かないからです。ただし、三宝尊(仏教において重要とされている仏様・仏法・ご僧侶の3つを一緒の台座に配したもの)を置くこともあります。
また、右側には日本でもよく名前を知られている「財運の神様」である大黒天が、そして左側には母の恐ろしさと愛を示す「鬼子母神」が置かれます。

天台宗

東面西座説のスタイルで祀ります。
天台宗は非常に特徴的な宗派であり、「御本尊」を定めません。それぞれの信徒・それぞれの地域によってお祀りする仏様は違ってもよい、としています。
そのため、同じ天台宗であっても、お祀りする仏様は異なります。
ただ、比較的多いのは、釈迦牟尼如来や阿弥陀如来を真ん中に置くかたちです。
また右には、日本における天台宗を開いた「伝教大師」が置かれますが、伝教大師は「最澄」と呼んだ方が分かりやすいかもしれません。
左に置かれるのは「天台大師」です。彼は中国の仏僧であり、中国における天台宗の開祖として知られています。
いずれの宗派であっても、仏壇を購入すれば、そのときに置き方や必要とする道具は教えてもらえます。一からすべて自分で調べて、一つずつ買い求めなければならないということはありません。

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仏壇を置くのに適している場所

仏壇を置くのに適している場所
ここからは、「仏壇を置くのに適している場所はどこか?」について解説していきます。

違和感なく仏壇を置ける和室

「和室」は昔からよく仏壇が置かれている場所です。
メリットとデメリットについて箇条書きで解説していきます。
〇メリット

  • ・従来の仏壇も、新しい仏壇のかたちである「モダン仏壇」も違和感なくなじませることができる
  • ・法事を自宅で行う場合に活用でき、人も集まりやすい
  • ・座布団を準備するだけで人数の変更に対応できる

●デメリット

  • ・畳は定期的なメンテナンスが必要となる
  • ・重いものを畳に置くと、畳に跡が付いてしまう
  • ・現在の住宅事情では和室の確保が難しく、また作ったとしても人が集まらなければ無駄になりやすい

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家族が集まる時間が長いリビング

故人を日常の生活のなかで感じられるリビングもまた、よく仏壇の置き場所として選ばれています。
〇メリット

  • ・家族が集ってお祈りしやすい
  • ・日常空間のなかに存在するため、お子さんも忌避感を抱きにくい
  • ・故人を日常の生活のなかでも意識することができる
  • ・お供え物などの準備がしやすい

●デメリット

  • ・家族以外がお参りしづらい
  • ・自宅での法事が行いづらい
  • ・大型の仏壇は置きにくい

故人と静かに向きあえる寝室

最近の住宅は和室がない、もしくは広くとられないため、寝室などに置かれる場合が多くなりました。
〇メリット

  • ・リビングや和室に仏壇を置くスペースがない場合も、家に仏壇を置ける
  • ・故人と静かに向きあえる

●デメリット

  • ・寝室にベッドを置く場合には、レイアウトが限られてしまう
  • ・法事を自宅で行いにくくなる
  • ・場合によっては仏壇に足を向けてしまうことになる

なお現在は、「和室を作れない」「従来型の仏壇をリビングに置くのはちょっと圧迫感がある」「寝室に大きな仏壇を置くことは難しい」などのようなケースにも対応できるように、家具のように見えるモダン仏壇やサイズの小さいミニ仏壇が打ち出されています。
部屋のスペースの問題があるのなら、これらを利用してもよいでしょう。

仏壇の配置で疑問に感じやすいポイント

仏壇の配置で疑問に感じやすいポイント
ここからは、仏壇についてのよくある質問を取り上げ、その解答を述べていきます。

ミニ仏壇の場合

「ミニ仏壇」とは、非常に小さな仏壇のことを指す言葉です。
サイズに明確な決まりはありませんが、おおよそ高さが60センチ未満、横幅が45センチ未満、奥行きが35センチ未満に収まるものを、「ミニ仏壇」と呼ぶことが多いといえます。
小さいものではあるものの基本的な仏具はそろっていますし、御本尊や位牌を置けるスペースも用意されています。
リビングや寝室にも置きやすい大きさで、マンションなどでも設置しやすいのがメリットです。
また現在は、家具のようにも見えるデザイン性の高い「モダン仏壇」もリリースされています。
なかには一見しただけでは仏壇とは分からないものも多いため、リビングに置く場合はこれを検討してもよいでしょう。

仏壇に位牌を2つまつる場合

仏壇にも、「上座」「下座」があります。右側が上座で、左側が下座です。
複数の位牌がある場合は、「古い順番に右側から置く」とするのが原則です。
なお、「先祖代々同じ仏壇で祀っているので、たくさんの位牌がある」という場合は、「回出位牌(くりだしいはい)」というかたちにまとめるのがよいでしょう。これは、台座のついた位牌であり、その台座の中に亡くなった人の戒名が入っている位牌です。これを使うことで、複数の位牌を1つにまとめることができます。

同じ仏壇に違う宗派の位牌をまつる場合

「両親がそれぞれ違う宗派を信仰していた」「長男と一人娘の結婚であり、お互い実家の仏壇を受け継ぐべき立場にある」という場合は、基本的には1つの仏壇に異なる宗派の位牌を納めても問題ないとされています。
ただ、ご家族やご親族、ご僧侶からの反対がある場合、後々トラブルになることもあります。そのため、反対している人がいるのであれば、よく話し合うことが必要です。

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まとめ

仏壇の向きは、「南向き」「東向き」「問わない」の3つがあります。これは宗派によって異なります。
また何をご本尊とするか、脇にはどのようなものを配すかも、宗派によって違いがみられます。
置く場所は、和室・リビング・寝室のいずれかが望ましいでしょう。現在は、コンパクトな「ミニ祭壇」も出ています。また、位牌を1つにまとめることも可能です。ちなみに同じ仏壇に違う宗派の位牌を祀ることはまったく問題ありません。
宗教・宗派によって祀り方や死生観は異なります。ご不明点があれば、サン・ライフにお問い合わせください。

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