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数珠の持ち方とは?宗派別に紹介!マナーや扱い方の注意点も解説

数珠の持ち方とは?宗派別に紹介!マナーや扱い方の注意点も解説
数珠の持ち方とは?宗派別に紹介!マナーや扱い方の注意点も解説
作成日:2024/09/11 最終更新日:2024/10/02

仏教の葬儀で用いられる「数珠」は、私たちにとってもっとも身近な法具であり、またもっとも身近な「祈りのための道具」でもあります。そしてこの数珠は、宗派ごとでその形はもちろん、持ち方も異なります。
ここでは、「数珠の持ち方」「そもそも数珠とは何か」「数珠の2つの種類」「数珠とマナー」「数珠に関するよくある疑問とその答え」について解説していきます。

【宗派別】数珠の持ち方

【宗派別】数珠の持ち方
数珠には、どの宗派でも使える「略式数珠」と、宗派ごとに異なる「本式数珠(本連数珠とも。ここでは「本式数珠」の表記に統一)」に分けられます(詳しくは後述します)。
数珠の持ち方は略式数珠と本式数珠で異なり、また本式は宗派によって異なります。ここではこの「数珠の持ち方」について解説していきます。

略式数珠の持ち方

数珠は、ふくさなどに入れて持ち歩きます。数珠単体を裸で持ち歩くことは避けます。
また、数珠は基本的に左手に持ち、人差し指と親指の間に掛けて持つのが一般的です(親指以外の4指が輪の中に通るようにする)。
ただし合掌を行うときは、量てを合わせて、8本の指を輪の中に通し、親指2本だけを輪の外に出す形で持つこともあります。

本式数珠の持ち方

略式数珠の持ち方はどの宗派でも同じですが、本式数珠の場合は宗派ごとに異なります。
ここでは、以下の代表的な6つの宗派の本式数珠の持ち方を解説します。

  • ・禅宗
  • ・浄土宗
  • ・日蓮宗
  • ・真言宗
  • ・天台宗
  • ・浄土真宗

それぞれ見ていきましょう。

禅宗の数珠の持ち方

禅宗(曹洞宗・臨済宗・黄檗宗)の数珠は、輪を二重にし、親指と人差し指の間に掛けます。
房は下に垂らすようにします。
「数珠を二重にする」というところ以外は、略式数珠と同じです。

浄土宗の数珠の持ち方

浄土宗には2つの持ち方があります。
まず1つめは、輪を二重にして、親指と人差し指の間に掛ける方法で、房を下に垂らします。これは禅宗と同じやり方です。
もう1つの持ち方は非常に特徴的で、「両手を合わせて、親指にのみ、二重にした数珠を通す」というやり方です。上で紹介した方法は「親指以外の4指を数珠の中に通す」というやり方でしたが、この場合は親指のみに数珠を掛け、手前側に房を垂らすようにします。

日蓮宗の数珠の持ち方

日蓮宗は、まず8の字にした長い数珠を広げた両手の中指に掛けて、そののち合唱する形をとります。
日蓮宗の本式数珠は5つの房を持ちますが、2本の房は右手の外側に、3本の房は左手の外側に来るようにします。

真言宗の数珠の持ち方

真言宗もまた、日蓮宗と同じく「広げた両手の中指に数珠を掛ける」というやり方を取ります。しかし日蓮宗とは異なり、数珠はひねりません。そしてそのまま合唱をします。
なお真言宗の本式数珠は4つありますが、これは右に2つ、左に2つ下げるようにします。

天台宗の数珠の持ち方

天台宗では、左手の親指と人差し指の間に数珠を掛けます。特徴的なのは、「房などは、手の甲側ではなく、手の平川に来る」ということです。また、親玉(後述します)は上に来ます。
そしてそのまま右手を合わせて合唱を行います。

浄土真宗の数珠の持ち方

浄土真宗は、本願寺派も大谷派も同じように、「数珠を人差し指と親指に二重にして掛ける」という形を取ります。
しかし本願寺派は房はに垂らすのに対して、真宗大谷派は房に繋がる親玉を上の方に持ってくるという違いがあります。

そもそも数珠とは

そもそも数珠とは
宗派別の数珠の持ち方を見てきたところで、ここからは「そもそも数珠とは何のために持つのか」を紹介していきます。
葬儀のときに持つ、小さな玉で作られたこの法具には、きちんとした意味があるのです。

葬儀で数珠を持つ意味

数珠は「念珠」とも呼ばれるものです。これは108個の玉から成り、それは人の108の煩悩を表すといわれています。除夜の鐘が108回突かれるときに煩悩が払われるとするように、数珠にもまた「これを持ち祈ることで煩悩を消すことができる」としています。

数珠の起源

まお、数珠はもともとインドのヒンズー教から来たものと考えられています。
ちなみにモデルとなったヒンズー教の道具は、「マーラー」と呼ばれるものです。これは、ヒンズー教の呪文である「マントラ」を数えるために作られたものだとされています。

数珠を構成しているもの

ここからは、数珠の種類や、構成しているものについて紹介していきます。

数珠の種類

上でも述べましたが、数珠には2つの種類があります。
宗教を問わずに使える略式数珠と、宗派にのっとった本式数珠です。

宗教を問わない略式数珠

宗教を問わない略式数珠は、輪が一連になっています。
正式な数珠の場合は108個の珠を連ねていますが、略式数珠の場合はそれよりも量が少ない傾向にあります。また、百円ショップなどでも買うことができるもので、安価で手に入ります。
ちなみに略式数珠は「片手数珠」とも呼ばれています。
本式数珠の方が正式なものではありますが、現在は略式数珠を使っても咎められることはありません。

宗教ごとに分かれている本式数珠

本式数珠は、108個の珠からなります。そのため基本的には略式数珠よりも長く、天台宗などのように「二重にして使うこと」ができるようになっています。
上記では「持ち方の違い」について解説しましたが、房のつけ方なども宗派ごとに違うのが特徴です。
なお、「自分は天台宗であり、亡くなった方は浄土真宗である」という場合は、天台宗の数珠を持っていくかたちで問題ありません。

数珠の持ち方やマナーに関する注意点

ここからは、数珠を使ううえでのマナーについて解説していきます。

数珠の貸し借りはしない

数珠は、「それを持つ人の分身である」と考えられています。そのため、数珠を人から借りるのはマナー違反です。すでに述べたように、数珠は100円ショップなどでも手に入りますから、「忘れた!」という場合はショップに駆け込みましょう。また葬儀会社によっては、「声を掛けてもらえれば、数珠を販売する」としているところもあります。
「どちらも間に合わなかった」「自分はキリスト教なので、そもそも数珠を持っていない」という場合は、数珠なしで葬儀に参列しても問題ありません。

派手なアクセサリーと一緒に身につけない

数珠は、そもそも「葬儀」「法事」のときに使うことが一般的なものです。
そのため、派手なアクセサリーとは非常に相性が悪く、また一緒に着けることでマナー違反となるため、これは避けましょう。
数珠を使うような場面で許されるのは、原則として「結婚指輪」「真珠を使った装飾品」くらいだと考えておくとよいでしょう。

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椅子の上においたまま離席しない

数珠は法具の一種ですから、イスの上に置いて場所取りなどの道具に使うことは合ってはいけません。
お手洗いで中座する場合は、ふくさや鞄、ポケットに入れて保管しましょう。

焼香の直前で慌てて取り出さない

数珠は、「自分の焼香の順番が来たからあわてて取り出す」という性質のものではありません。
葬儀会場に入った後に着席することになりますが、その後に出して膝の上に置いておきましょう。
なお、数珠を片付けるタイミングは、「通夜や葬儀が終わった後」です。ただし葬儀後は、そのまま玄関ホールに出て、故人の乗った霊柩車をお見送りすることになります。このときは全員で手を合わせることになりますが、このときに数珠を使うこともあります。

数珠の持ち方に関するよくある疑問・質問

数珠の持ち方に関するよくある疑問・質問
ここからは、数珠の持ち方に関するよくある疑問について解説します。

お焼香の数珠の持ち方は?

数珠は、お焼香のときに特に重要になるものです。ここではお焼香のときの数珠の持ち方について紹介していきます。

  1. 焼香台の前で、まずは遺族に一礼
  2. 次に焼香台に近づき、遺影に一礼(または合掌して一礼)
  3. 焼香中は数珠を左手にかけておく
  4. 右手の親指、人差し指、中指を使って抹香をつまみ、頭を軽く下げながら、つまんだ抹香を目の高さほどまで上げる
  5. 抹香を静かに香炉の炭の上にくべる
  6. 宗派ごとの作法に従って1~3回繰り返す
  7. 焼香が終わったら、数珠を両手にかけて合掌し、ご僧侶・ご家族に一礼して席に戻る

※お焼香のやり方は、宗派ごとに多少の違いがみられます。
なおお焼香は、「立礼焼香」というかたちで立って行うのが一般的ですが、座って行う「座例焼香」などの場合も同じ作法が適用されます。
ただ、弔いにおいてもっとも重要なのは「気持ち」ですから、形式だけを気にして行うのではなく、「故人(様)と最後の時間を過ごすのだ」という気持ちを持って向き合う方がよいでしょう。

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お通夜の数珠はいつから持つ?

上でも軽く触れましたが、数珠は「席に着いてから、終わりまで」持っておくのが良いとされています。着席したタイミングで出すとよいでしょう。なおこのときは、数珠の房が下に来るようにして持ちます。

数珠の持ち方は男性と女性で違う?

男性と女性で、数珠の持ち方に変わりはありません。どちらも、房を下側にして左手に持ちます。
なお持ち方は同じですが、女性用の略式数珠はピンク色や淡い紫色のものが、男性の場合は黒色や茶色のものがよく選ばれるという傾向の違いはあります。
ちなみに子ども用の数珠の場合は、淡いパステルカラーを使ったものが多く、房も愛らしい玉飾りになっているものが販売されています。学齢期前のお子さんであるのなら、無理に「左手に持たせる」というマナーを徹底させることもないでしょう。

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まとめ

数珠には略式と本式があります。略式はどんな宗派にも使えるものですが、本式の場合は使える宗派が違います。
また、宗派ごとに数珠の持ち方も異なります。
数珠は貸し借りをしたり、ぞんざいにあつかったりすることは禁じられています。また、お焼香の持ち方や取り出すタイミングについても違いがあります。ちなみに老若男女問わずに「正式数珠を持つときの正しい持ち方」は変わりありませんが、お子さんなどの場合は多少崩れてもよいでしょう。

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