![墓じまいから散骨までの費用はどれくらい?墓じまい後の供養についても解説](https://www.moshimo.net/wp-content/uploads/2024/07/墓じまい散骨費用写真①-1.jpg)
核家族化や少子高齢化などの影響により、将来のお墓の維持や管理に不安を感じる人が増えています。先祖代々のお墓や、長年お付き合いのある寺院が管理しているお墓であっても維持、管理ができなくなってしまうと、無縁墓とみなされてしまいます。そうすると、お墓から遺骨が取り出されて同様に管理する人のいなくなってしまった遺骨とともに無縁仏として合祀されます。合祀された後は原則として遺骨を取り出すことはできないため、供養することができなくなってしまいます。そうならないために、近年墓じまいを検討する人が増えています。墓じまいの後の供養方法は様々ですがその中でも今回は散骨を中心に解説していきます。墓じまいから散骨まで一体どれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
墓じまいとは
墓じまいとは、今あるお墓から遺骨を取り出し墓石を撤去して、墓地を更地にして管理者へ使用権を返還し、別の場所やほかの方法で供養をすることです。将来のお墓の維持、管理の不安や、現段階でお墓の維持、管理が負担になってしまっている場合、墓じまいを検討します。墓じまいにはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
墓じまいにかかる費用相場
墓じまいにかかる費用の相場は20万円~50万円程度といわれています。
墓じまいにかかる費用は、墓石を撤去する費用、閉眼供養のお布施、寺院が管理しているお墓の場合は離檀料、行政の手続きの費用がかかります。
墓石の撤去費用
墓石を撤去するにあたって石材店などの専門業者に依頼をします。費用はお墓の面積によって異なりますが、一般的には1㎡あたり10万円~15万円程度です。地域や施工方法によっても費用が変わるため、依頼する業者に確認しましょう。
閉眼供養のお布施
墓じまいに限らず、お墓を別の場所に移動する際などには閉眼供養を行います。閉眼供養のお布施は、他の法要と同額程度といわれており、一般的には3万円~10万円ほどですが、お布施の金額はお寺によって異なる場合があります。
閉眼供養とは墓石に宿る仏様の魂を抜くための儀式のことです。「魂抜き」とも呼ばれます。無宗教の場合など、必ず執り行わなければないけないというわけではありませんが、昔から執り行われてきた儀式であるため、家族や親族の中には「墓じまいするなら閉眼供養をするのは当然」と考える方もいらっしゃるかもしれません。墓じまいの際はトラブルにならないように家族や親族と話し合うことが大切です。
離檀料
寺院が管理をしているお墓を墓じまいするということは、その寺院の檀家から離れることになりますので、離檀料が必要になります。離檀料の目安は3万円~20万円程度といわれており、寺院や地域性によって異なります。離檀料は先祖代々それまで寺院にお墓を守っていただいたことや、お世話になった気持ちを表すものです。離檀する際は家族や親族と話し合うことはもちろんですが、菩提寺の住職とも話し合い、理解を得ることが大切になります。
行政の手続き費用
墓じまいをするにあたり、遺骨の次の場所を決める必要があります。永代供養墓や納骨堂での供養など、供養先がある場合は「改葬」となるため、次の場所へ改葬するために、現在のお墓がある自治体から発行される改葬許可証が必要になります。また、埋葬許可証なども必要になります。それらの書類を用意するのに数百円~1500円程度の費用が掛かります。地域や自治体によって発行料金異なる場合があるので確認が必要です。散骨や手元供養の場合は改葬には該当しないため、改葬許可証は不要になります。
墓じまい後の供養
永代供養
永代供養はお墓の維持管理が難しい遺族に代わって、霊園や寺院がお墓の維持管理をする供養の形です。個別に納骨されるものや合祀のものがあり、費用も大きく異なります。基本的には初めに供養料を払うことで、その後の管理費は発生しません。
樹木葬
樹木葬は墓石ではなく樹木や草花を墓標とする埋葬方法です。樹木葬に特化している霊園では管理を請け負っているところもあり、遺族の負担を軽減し、手を合わせる場所もあることが魅力です。個人用や家族用など種類があります。一般的に一度納骨すると取り出すことができないので注意が必要です。
納骨堂
納骨堂は遺骨を納めるための屋内施設で、寺院が運営する納骨堂、自治体が運営する納骨堂、宗教法人が運営する納骨堂があります。様々なプランが用意されていることが多く、維持費を払い続けて無制限で利用できるプランや、利用期間が定められており、期間終了後は合祀されるプランなどから選ぶことができます。納骨堂は都市部に多く、駅からのアクセスがいいなどの利点があります。
お墓を建てる
お墓参りが難しいなどの理由から墓じまいをして、お参りのしやすい場所にお墓を立て直すこともできます。費用はかかりますが、お墓にお参りに行くという供養の形は昔から根付いている文化で、お墓の場所が変わるくらいの変化なので、安心感があります。
手元供養
遺骨を加工したりすることで身近に故人を感じることのできるアクセサリーや、自宅で供養できる小さな骨壺などに遺骨の一部を納めるなど様々な形で供養することができます。近年では手元供養の需要の増加に伴い、様々な手元供養品が販売されているため、自分に合った供養の形を選ぶことができます。
▽手元供養について詳しくはこちら
散骨
散骨は遺骨を海や山などの自然に還す供養の形です。永代供養や樹木葬、納骨堂は管理の負担は減るものの、「お墓」という形が残っていますが、散骨はパウダー状にした遺骨を海や山に撒いて自然に還すため「お墓」という形は残りません。そのためお墓参りやお墓の維持管理が不要で、継承者も不要です。散骨後に費用もかかりません。しかし、何も残らないことで、手を合わせる場所や心のよりどころが無くなってしまうなど、散骨後に後悔してしまうことがあります。事前に家族や親族と話し合い、遺骨をすべて散骨せずに少量とっておくことなどを検討することが大切です。
▽散骨で後悔しないためには?
散骨にかかる費用
散骨でかかる費用相場は3万円~40万円程度です。散骨はお墓の形が残る他の供養方法と比べても費用を抑えることができます。散骨の中でも海洋散骨や山の散骨があり、それぞれにプランがあり費用が異なります。
粉骨
散骨をするには遺骨をパウダー状に粉骨をしなければいけません。粉骨にかかる費用は1万円~3万円程度です。個人で粉骨してはいけないという決まりはありませんが、火葬した遺骨には発がん性物質が残っている場合があり危険です。また、長年お墓で保管されていた遺骨は骨壺の蓋が外れていたり割れてしまっていたりすると、土や砂が入ってしまっていたり水が溜まってしまっていることがあります。それが原因で遺骨が汚れていたり、湿っていたりカビが生えていることがあるため、粉骨をする前に洗骨や乾燥が必要になります。そのため、業者に依頼することをおすすめします。また、粉骨の費用は散骨のプランに含まれていることがあるため、確認が必要です。
海洋散骨
乗船し沖に出て散骨する海洋散骨には様々なプランが用意されていることが多く、費用が異なります。
貸切型のプランは一家族で船を貸切にして散骨を行うプランで費用相場は20万円~30万円程度です。他のプランと比べると費用がかかりますが、他の家族に気を遣わずに散骨を行うことができます。
合同散骨のプランは複数の家族で乗船し合同で散骨を行うプランで費用相場は10万円~20万円程度です。乗船する家族が多いほど、一家族当たりの費用は安くなりますが乗船できる人数が限られてしまいます。合同とはいえ散骨は一家族ずつ順番に行われます。
委託散骨はご家族に代わりスタッフが散骨を行うプランで費用相場は2万円~5万円程度です。家族が乗船しないためシンプルで費用も抑えることができますが、散骨に立ち会うことはできません。
山の散骨
山の散骨は樹木葬とは違い墓標がありません。自身が所有する山か散骨業者の所有する山である必要があり、どこに撒いてもいいわけではありません。土などをかぶせたり覆ってはいけないため地表に遺骨を撒きます。山の散骨の費用相場は10万円~30万円程度です。海洋散骨のように船をチャーターしないので比較的費用を抑えることができます。
サン・ライフの自然葬
サン・ライフの自然葬は海洋散骨、山の散骨、ペット同伴の散骨など様々なプランをご用意しております。散骨専門業者ではなく90年葬儀業界で知識と経験を培ってきたセレモニーのプロとして、打ち合わせから当日までサポートさせていただきます。湘南エリア専門ながら2000件以上のご用命をいただいており、海洋散骨は冷暖房・トイレ完備の自社クルーザーにて行うため臨機応変な対応が可能です。全国海洋散骨船協会に加盟しており、「散骨に関するガイドライン」を遵守して行っておりますので安心してご依頼いただけます。また、サン・ライフでは散骨の体験クルーズを実施しているので、海洋散骨について実際に体験しながら内容をご確認いただけます。
▽サン・ライフの自然葬
まとめ
墓じまいから散骨にかかる費用について解説しました。墓じまいや散骨は冒頭で述べたように、お墓の将来の維持や管理に不安を持つ人が増えていることから注目を集めています。先祖代々のお墓を無縁墓にしてしまわないように、子や孫の世代の負担になることも考えなければいけません。今回費用感を見て、墓じまいや散骨を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。トラブルにならないようにしっかりと家族や親族、菩提寺と話をしたうえで決定をするようにしましょう。
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