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「御仏前」と「御霊前」の違いは? 表書きの書き方や金額相場を解説

「御仏前」と「御霊前」の違いは? 表書きの書き方や金額相場を解説
「御仏前」と「御霊前」の違いは? 表書きの書き方や金額相場を解説
作成日:2025/08/26 最終更新日:2025/08/27

香典を用意する際、「御仏前」と「御霊前」のどちらを使うべきかで迷ったことはありませんか。宗教や故人の宗派、亡くなってからの経過期間によって適切な表書きは異なり、間違えると失礼になることがあります。

本記事では「御仏前」と「御霊前」の違いや正しい書き方、金額の相場、そして香典に関する基本的なマナーを分かりやすく解説します。遺族に寄り添い適切に対応するためにも、香典の正しい知識を身に付けておきましょう。

「御仏前」と「御霊前」の5つの決定的な違い

「御仏前(ごぶつぜん)」と「御霊前(ごれいぜん)」は似ているようで、実は大きな違いがあります。ここでは意味や使うタイミング、宗教・宗派ごとの考え方、使用する香典袋など知っておくべき5つの違いを詳しく解説します。

1.意味の違い

まずは、それぞれの言葉が持つ意味を理解しましょう。御仏前と御霊前は、香典袋の表書きで、故人へのお供えの対象が霊か仏かで使い分けられます。

御仏前は「仏様になられた故人の前にお供えします」という意味を持ちます。すなわち、すでに成仏したとされる故人に対して使われる表書きです。一方、御霊前は「故人の霊の前にお供えします」という意味であり、まだ成仏していないとされる段階の故人に対して使用します。

つまり御仏前は仏様となった故人への弔意を、御霊前は故人の霊への追悼を表すという意味です。

2.使う時期の違い

仏教では、故人が亡くなった日から数えて49日目に当たる四十九日(しじゅうくにち)が、大きな節目とされています。多くの宗派では、この四十九日を持って故人の魂が成仏し霊から仏になると考えられており、この日を境に香典の表書きも使い分けるのが通例です。

つまり通夜・葬儀・告別式、あるいは初七日法要など、亡くなってから四十九日までの間にお供えする香典には御霊前、故人が仏様になったと見なされる四十九日法要以降は御仏前を使用するのが正しいマナーとされています。

御仏前はお盆、一周忌、三回忌などの年忌法要にも用いられます。なお四十九日法要を繰り上げて49日より前に執り行う場合でも、原則として御仏前と表書きするのが適切です。

3.宗派による違い

仏教には多くの宗派があり、それぞれの死生観や教義によって香典の表書きの使い分けも異なります。中でも浄土真宗は、他の宗派と大きく異なる考え方を持っており、香典の表書きは通夜や葬儀を含め、時期に関わらず常に御仏前を使用するのが特徴です。

というのも浄土真宗には、霊という概念が存在しません。人が亡くなるとすぐに阿弥陀如来の力によって成仏し、仏様として浄土に迎えられる即身成仏(そくしんじょうぶつ)という教えです。そのため通夜や葬儀の段階で故人はすでに仏と見なされ、御霊前という表記は使用しないことになっています。

また曹洞宗や日蓮宗などの一部宗派でも、葬儀や四十九日法要において御仏前を使うケースが見られます。宗派が不明な場合は、どの宗教にも比較的使いやすい御香典と記すのも一つの方法ですが、より確実に宗派に配慮したい場合は事前に確認するのが望ましいです。

4.宗教による違い

日本の葬儀は仏式が多いですが、神道(神式)やキリスト教式の場合もあります。これらの宗教には仏という概念はないため、御仏前は使用しません。

神道の場合は「御玉串料(おたまぐしりょう)」や、「御榊料(おさかきりょう)」「御神前(ごしんぜん)」が正式な表書きとされます。キリスト教の場合は「御花料(おはなりょう)」や「献花料(けんかりょう)」、宗派(カトリックかプロテスタントか)によっては「御ミサ料」や「忌慰料」などが使われます。

宗教が不明な場合や迷ったときは、可能であれば事前に喪主や葬儀会社に確認しましょう。

5.水引(のし袋)の違い

香典袋を選ぶ際は、水引の色や柄にも注意が必要です。御仏前の香典袋は、仏教を象徴する蓮(はす)の花を印刷したタイプなどが用いられます。一方、御霊前の香典袋は神道やキリスト教など仏教以外の宗教でも使われることがあるため、仏式特有の蓮の花が描かれたタイプは避けるのが無難です。

水引の色は白黒または双銀が基本です。関西地方など一部地域では黄白の水引が用いられる場合もあります。神式やキリスト教式では、シンプルな白無地の香典袋を選びましょう。特にキリスト教式では、水引がかけられているものを使用しないのが一般的です。

また水引の結び方にもマナーがあり、弔事では一度結ぶとほどけない結び切りやあわじ結びなど、繰り返しがないという意味の結び方が用いられています。

不祝儀袋(香典袋)の正しい書き方

香典袋には、名前や金額の書き方に細かなマナーがあります。表書きや中袋の記入方法、連名で出す場合の注意点など、基本的な書き方を正しく理解し、故人や遺族に対して失礼のない対応をしましょう。

表書きの書き方

香典袋の表面に書く表書きには、故人への敬意と遺族への配慮を示す意味が込められており、薄墨の毛筆や筆ペンで書くのが正式なマナーとされています。「突然の訃報で墨をする時間がなかった」「深い悲しみで墨がにじんだ」など哀悼の気持ちを表す方法で、昔から行われている大切な慣習です。

四十九日以降であれば、すでに故人が成仏し気持ちが少し落ち着いた時期と考えられ、濃墨で記入しても問題ありません。

仏式の表書きの文言は、通夜や葬儀であれば御霊前、四十九日以降の法要であれば御仏前とし、表書きの下には自分のフルネームを水引の中央下に記入します。名前は表書きよりやや小さめの字で、バランスを考えながら心を込めて丁寧に書きましょう。

中袋(中包み)の書き方

香典袋の中には、多くがお金を入れる中袋(または中包み)が入っています。まずは中袋表面の中央に、包んだ金額を記入しましょう。この際、「壱」「弐」「参」など全て旧字体(大字:だいじ)を使用するのがマナーとされています。

金額の前には「金」、後ろには「圓」または「圓也」を付けるのが慣例です。1万円を包む場合は「金壱萬圓也」、3万円なら「金参萬圓也」と書きます。

次に中袋の裏面、左下に郵便番号、住所、氏名を記載します。これは遺族が香典返しやお礼状を送る際に困らないよう、正確な情報を伝えるためです。住所はマンション名や部屋番号なども省略せずに記入しましょう。中袋の記載は、薄墨ではなくても良いとされています。中袋がない場合は、外袋の裏面に直接金額、住所、氏名を記載してください。

連名で出す場合の書き方

香典を複数人の連名で出す場合、人数や関係性によって書き方が異なります。例えば夫婦の場合は、一般的に夫のフルネームのみを記入します。ただし、夫婦ともに故人と親交があった場合や地域によっては、中央に夫のフルネーム、その左側に名字なしの妻の名前を書くこともあります。

3名の場合は、水引の下の中央に目上(職場の場合は役職が上)の人の名前を書き、その左側に続けて他の人の名前を並べて記入しましょう。上下関係がない場合は、五十音順で構いません。

4名以上になる場合は代表者の名前を中央に、その左に「他(または外)一同」と書き添えます。会社や団体名がある場合は、会社名または代表者の名前を中央に書き、別紙に全員の氏名と金額を記載して中袋に入れましょう。

別紙には、濃い墨または黒のサインペンで書いても問題ありません。お返しを辞退する場合は連名記入後、最後に「お返しのお心遣いは不要です」など書いておくと丁寧です。

知らないと恥ずかしい? 香典に関する4つのマナー

香典には金額の相場やお札の入れ方、渡し方、言葉遣いなど、知っておきたい基本的なマナーがあります。突然の訃報にも対応できるよう、最低限の知識を身に付けておきましょう。ここでは、特に重要な4つのポイントを紹介します。

香典の金額相場

香典の金額は、故人との関係性や自分の年齢、社会的立場などによって異なります。以下は相場金額の目安です。

故人との関係 金額
5万~10万円
兄弟・姉妹 3万~5万円
祖父母 1万~3万円
その他の親戚 1万~2万円
友人・知人・同僚など 5千~1万円

ただし、これらの金額はあくまで目安であり、自身の年齢が上がるにつれて相場も上がる傾向があります。また「4」や「9」といった数字は「死」や「苦」を連想させるため、金額や枚数に関わらず避けるのがマナーです。偶数も「割り切れる=縁が切れる」と解釈され、避けるのが無難ですが2万円は例外として問題ないとされる場合もあります。

より具体的な金額相場については、以下の記事も参考にしてください。
>> 四十九日法要の香典はいくら?金額相場・書き方・渡し方のマナーを紹介

お札の入れ方や向き

香典に包むお札には「新札を避ける」というマナーがあります。訃報は突然のことも多く、新札を用意すると、不幸を予期して準備していたかのような印象を与えかねないからです。

手元に新札しかない場合は、一度軽く折り目を付けてから使用すると良いでしょう。反対に破れていたり、汚れがひどかったりしても失礼に当たるので、極端に古いお札を使用するのは避けましょう。

またお札を中袋に入れる際の向きにも注意が必要です。人物の肖像画を裏向きにし、下を向くように入れるのが正式なマナーとされています。これは故人を悼み「顔を伏せる」という意味合いがあり、同時に遺族が中身を確認しやすくするという配慮も込められています。細かな点ではありますが、こうした気遣いが弔意を伝える大切な要素となるでしょう。

香典の渡し方

香典を持参する際は、むき出しで持ち歩くのではなく袱紗(ふくさ)に包んで持ち運びましょう。袱紗とは金封を包むための布で、弔事用と慶事用で色が異なります。弔事用の袱紗は、紫・紺・深緑などの落ち着いた寒色系が適しています。紫は慶弔どちらにも使えるので、1枚持っておくと便利です。

香典の包み方・渡し方の手順は以下の通りです。

  • 袱紗をひし形に広げ、香典袋は表書きが正面になるよう中央に置く
  • 袱紗を右→下→上→左の順で折りたたんで包み、つめを留める(慶事とは折り順が逆)
  • 渡すときは袱紗から取り出して、相手が読める向きにしてから両手で差し出す
  • 受付で渡す場合は、一礼してから丁寧に渡す。言葉を添える場合は簡潔にする

香典を渡す行為は細かな所作が求められますが、故人と遺族への敬意を表す意味として適切に対応しましょう。

香典を渡す際のお悔やみの言い方

香典を渡す際に言葉をかける場合、大切なのは長々と話さず丁寧かつ簡潔に気持ちを伝えることです。例えば受付で香典を袱紗から取り出し「この度はご愁傷様でございます」と一礼しながら淡々と渡します。

同時に言葉遣いにも気を配りましょう。弔事における忌み言葉として避けたいのは「重ね重ね」「再び」「また」「いろいろ」など、繰り返しを連想させる言葉です。弔事においては不幸が重なるイメージとして捉えられます。

また「浮かばれない」「消える」「死ぬ」「大変なこと」などの言葉も避けたい言葉です。不幸や不吉な連想を思い起こし、いずれも遺族を悲しくさせる可能性があります。言葉を多く語る必要はなく、誠意を持って対応する姿勢が大切です。

「御仏前」に関するよくある質問

御仏前の表書きや香典の扱いには細かなマナーがいくつもあり、知っているつもりでも実は誤って覚えているケースも少なくありません。ここでは香典にまつわる、よくある疑問に関して回答します。

表書きをボールペンで書くのはマナー違反ですか?

香典袋の表書きをボールペンや万年筆で書くのは、適切とは言えません。香典は故人への弔意を表す大切な所作であり、正式には毛筆で書くのがマナーです。筆が苦手な場合でも、毛筆を使う心遣いが、遺族への配慮となるでしょう。

濃墨を使い、丁寧に書くのが望ましいですが、現代では筆ペンを使用するのが主流となっています。薄墨で書く必要がある場合も、コンビニや文房具店などで薄墨用の筆ペンが手軽に購入できるので、通夜や葬儀など突然の訃報に備えて一本準備しておくと安心です。

遺族から香典を辞退されたら、どうすればいいですか?

故人の遺志や遺族の意向で香典を辞退されるケースが近年増えています。そのような場合は無理に香典を渡そうとすると、かえって失礼に当たります。受付で香典辞退の案内があった際には「ご遺志を尊重いたします」など一言添え、静かに香典をしまいましょう。

ただし、どうしても弔意を伝えたい場合は、別の方法を取ることも可能です。例えば後日改めて弔電を送ったり、供花や供物を手配したりすることもできます。その際は、事前に遺族や葬儀会社に確認を取るのが望ましいです。

葬儀に参列できない場合、香典を郵送してもいいですか?

やむを得ず葬儀に参列できない場合でも、香典を郵送して弔意を伝えるのは問題ありませんが、現金を普通郵便で送るのは法律で禁止されています。香典を郵送する際は現金書留を利用しましょう。現金書留用の封筒を郵便局で購入し、中に香典袋を入れて送るのが一般的です。

香典を送るタイミングは、葬儀の2~3日後から1週間以内を目安にするのが推奨されます。通夜や葬儀に間に合うように斎場へ郵送する場合は、日付指定をして通夜の日までに届くよう手配しましょう。

会社の代理で香典を預かった場合、受付でどうすればいいですか?

勤務先や上司の代理として香典を預かることもあるかと思います。その場合、受付では「〇〇(上司名)の代理で参りました」と一言添えて、香典を丁寧にお渡ししましょう。

受付の芳名帳に記帳する際は、まず勤務先の住所と会社名を記入し、その後に上司のフルネームを書きます。さらに、その名前の左下に「代」と小さく書き添え、自分の名前もフルネームで記入するのがマナーです。

これは、後日ご遺族が代理人を把握しやすくする配慮でもあり、代理人にとっても香典を預かっている以上、自分が責任を持つという意思表示にもつながるでしょう。

お通夜と告別式の両方に参列する場合、香典は両方で渡すのですか?

お通夜と告別式の両方に参列する場合、香典は一度だけ渡すのが一般的です。通常はお通夜で香典を持参し渡すのが基本的な流れとなっています。そのため翌日の告別式にも参列する場合は、再び香典を渡す必要はありません。むしろ、二重に渡してしまうと「不幸が重なる」ことを連想させ、マナー違反になる可能性があります。

告別式の受付では、丁寧に一礼しながら「お香典はお通夜にて失礼いたしました」と一言添え、その上で芳名帳にも忘れず記帳します。さりげない気配りや所作が、遺族への思いやりを伝える大切な手段となるでしょう。

まとめ

香典やその表書きには、宗教や地域によって異なる作法やマナーが存在します。どの表書きを選ぶべきか、金額の目安、渡し方の言葉遣いなど状況に応じた配慮が求められますが、大切なのは形式にとらわれ過ぎず、故人やご遺族への思いやりを持って行動することです。真心を込めた対応こそが、何よりの弔意となるでしょう。

不安な点がある場合は、事前に専門家に相談するのも方法の一つです。

サン・ライフは、東京・神奈川を中心に弔事全般の手続き・業務をトータルでサポートし、豊富な実績を有しています。香典や供花など、マナーに関するご相談にも丁寧に対応いたします。突然の訃報でも24時間365日、電話での相談を受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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