
ご遺体を病院や自宅、または葬儀会場に運ぶ際に使用する車両を寝台車といいます。ストレッチャーにご遺体を乗せた状態で車内にそのまま搬入できるため、移動をスムーズに行えます。
寝台車の手配は遺族が行うケースが一般的ですが、依頼のタイミングや葬儀社の選び方など、初めて手配する場合は不明点が多く慌ててしまう方もいるでしょう。
そこで本記事では寝台車の基本的な概要に加えて、実際に利用する場合の流れや搬送費用の相場、搬送時の注意点などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
寝台車とは?
ご遺体を病院や、故人または遺族の自宅に移動する際に使う専用車両を寝台車と呼びます。ここでは寝台車の用途・目的・車内の様子・霊柩車との違いなど、寝台車に関わる概要をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
寝台車の特徴
ご遺体を故人の尊厳を保ちながら安全に移送するために、専用の寝台車が使用されます。
ご遺体の搬送は白のナンバープレートが付いた普通車両で行うことは違法とされているため、貨物自動車運送事業法の許可を取り緑のナンバーのプレートを付けている寝台車が必要です。
寝台車は基本的に1〜3名ほど乗車できる仕様になっており、装飾はほとんどありません。内部にはストレッチャーや担架を畳まずにそのまま乗せて固定できるスペースがあったり、ご遺体の腐敗を防ぎ衛生的に保つために冷却設備が整っていたりと、迅速な搬送ができる車両となっています。
ただし寝台車の仕様は乗車できる人数や内部の設備など、依頼する葬儀会社によって異なります。病院に依頼することもできますが、料金や設備など事前に把握したい場合は自分で葬儀会社に依頼するのがおすすめです。
寝台車を使用する目的
寝台車を使用するのは、法的手続きや慣習、交通ルールが守られた形で適切にご遺体を搬送することが主な目的です。
また寝台車は遺族の負担を軽減する役割を担っています。専用車両である寝台車でご遺体を搬送することは適切な安置となり、故人の尊厳を守ることや遺族の精神的な配慮にもつながります。
さらに遺族の都合に合わせてスケジュールを決められるのも、寝台車を利用する際に得られる特権です。
霊柩車との違い
寝台車と霊柩車はどちらも「ご遺体を運ぶ車両」という点では共通していますが、目的や用途、内部の設計や外構デザインなどは異なり、同一車両ではありません。
寝台車は納棺前にストレッチャーまたは担架に乗せられたご遺体を病院から自宅または葬儀場に搬送する車両です。一方で、霊柩車は納棺後に棺を葬儀場や自宅から火葬場へと搬送する車両です。そのため車内の仕様は、それぞれの目的に合わせて設計されています。
寝台車を手配するまでの流れ
先述した通り、寝台車の手配は、病院に一任する場合と遺族で葬儀社を決めて手配する場合の2つのパターンがあります。
ここでは遺族主体で手配する場合の流れを具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
病院でのご遺体引き渡し
医師によって死亡が確認されると担当医から死亡診断書が発行され、病院の遺体安置室で保管されます。安置室でご遺体を保管できる期間は数時間ほどと短期になるため、すぐに葬儀社を手配し、引き渡しの手続きを行わなくてはなりません。
病院に葬儀社を紹介してもらうことも可能ですが、病院と提携している葬儀社は費用相場が高い傾向にあります。
というのも、病院で亡くなった後にそのままご葬儀の依頼をすると、事前予約や会員登録などの割引適用がされない可能性が高く、相場よりも費用が高くなりやすいことが多いからです。
ただ、家族が亡くなってすぐに葬儀社の手配をすることは精神的に負担がかかるため、病院が紹介する葬儀社を利用するのも一つの手です。しかしできるだけ費用を抑えたい場合は、死亡診断書が発行された時点で遺族自身が葬儀社の手配を行うのが良いでしょう。
葬儀社の手配以外に家族が亡くなった場合にすぐに行う必要のある手続きや手順を具体的に知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
>>家族が亡くなったらすべきことは?手続きや葬儀までの流れを解説
葬儀社への連絡
葬儀社が決まっている場合は、医師によって死亡が確認された時点ですぐに連絡します。
一般的に葬儀社はご遺体搬送対応を24時間体制で受け付けているため、夜間や早朝などいつでも寝台車の手配が可能です。株式会社サン・ライフでも24時間受付体制を整えており、緊急で家族が亡くなった場合もご対応いたします。
病院が遠方の場合や葬儀社を利用せず遺族自身で遺体を搬送する場合など、具体的な流れを知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
>>遺体搬送の費用や流れを解説。自分で搬送する際のリスクや注意点
寝台車にかかる搬送費の相場
ご遺体の搬送費用の目安は一般的なタクシー料金の約10倍です。そのため葬儀社を選ぶ際は、10km当たり2〜3万円前後を基準として比較すると良いでしょう。
ただし寝台車は移動費に加えて運転手の人件費や消耗品費などが加わり、依頼する葬儀社によって費用幅が広い傾向があります。また中には10kmまでの搬送を葬儀費に含んでいるケースもあるため、依頼する葬儀社に事前に確認してください。
ご遺体を搬送する際の注意点
ここからはご遺体を搬送する際のリスク面や事前にチェックしておきたい点をいくつか解説します。特に初めて寝台車の手配をする方はぜひ目を通してください。
自家用車は使用しない
自家用車でご遺体を搬送することは法律上では禁止されていないため、葬儀社に依頼せず遺族のみで遺体搬送を行うことは可能です。
しかし営利目的での搬送は、一般貨物自動車運送事業者としての認可が必要となります。
自家用車で遺体を搬送する場合に金銭のやり取りが発生すると、法律違反となるので注意しましょう。
ご遺体の取り扱いには専門的な知識と経験が必要です。予期せぬトラブルや事故のリスクを避けるには、専門の葬儀社に依頼しましょう。
ご遺体の搬送に関する詳細を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
遠方で亡くなった場合は搬送費がかかる
故郷から遠く離れた場所で家族が亡くなった場合、寝台車を利用するとかなりの費用がかかります。そのため費用面や効率性を考えるのであれば、飛行機による搬送も選択肢に入れておきましょう。
ただしご遺体を空輸で行うには特殊な手続きを行う必要がある他、病院から空港までの移動のため、出発地と到着地の双方に寝台車の手配も必要です。
飛行機でご遺体の搬送をする場合は事前に葬儀社と入念な打ち合わせを行い、あらゆるトラブルに備えて準備しておきましょう。また亡くなった地で火葬を済ませる方法もあります。
葬儀社のサービスをチェックしておく
寝台車を選ぶ際は費用面だけでなく、葬儀社のサービスの質や実際に利用した方の評判などを参考に総合的に考慮する必要があります。
搬送可能な距離や時間帯などにより搬送費用は葬儀社によって大きく変動するため、まずは複数の葬儀社から見積もりを取り、サービスと費用のバランスを考えて決めるのがおすすめです。
なお株式会社サン・ライフでは、全てのご葬儀プランに搬送費10km(日中)が含まれているので安心です。他にも24時間体制のサポート対応やお客さまに合ったプランの提案など、さまざまなサービスを用意しています。気になる方はぜひ以下を参考に検討してください。
まとめ
寝台車は納棺前のご遺体を病院から自宅または斎場まで搬送するための専用車両です。
遺体搬送は自家用車で搬送することも可能ですが、故人の尊厳を守り、ご遺体を衛生的に搬送・保管するには専門の知識と経験が必要になるため、葬儀社に依頼するのが安心です。
費用やサービスの内容は葬儀社によって異なるので、複数の葬儀社から見積もりを取り、比較しながら検討しましょう。
主に東京都・神奈川県を中心に多種多様な斎場・葬儀場を持つ株式会社サン・ライフは、全てのご葬儀プランに搬送費10km(日中)が含まれています。またお客さまに寄り添った葬儀を執り行うために豊富なプラン・サービスをご用意しているのが特徴です。
電話相談も24時間365日通話無料で行っており、葬儀に関わるご質問も随時受けているので、気になる方はぜひ一度当社までご相談ください。