浄土真宗のお経とは? 意味・種類・葬儀でのマナーまで徹底解説 - 葬儀、家族葬なら株式会社サンライフ 【公式】
スタッフ
24時間365日いつでも安心

0120-31-0169

  • お急ぎの方
  • ご相談のみも可

浄土真宗のお経とは? 意味・種類・葬儀でのマナーまで徹底解説

浄土真宗のお経とは? 意味・種類・葬儀でのマナーまで徹底解説
浄土真宗のお経とは? 意味・種類・葬儀でのマナーまで徹底解説
作成日:2025/08/27 最終更新日:2025/08/27

浄土真宗は、日本で広く信仰を集める仏教宗派です。葬儀や法事では、正信偈(しょうしんげ)を中心に、和讃や御文章など独自の勤行があり、合掌・礼拝、焼香の所作、香典の表書きにも特徴があります。

本記事では、浄土真宗のお経の意味や位置づけを整理しつつ、本願寺派(西)と大谷派(東)の成り立ちや考え方の違い、葬儀現場での実際の振る舞いまでを、初めての方にもわかりやすく解説します。

宗派の理解が深まれば、限られたご予算でもその方らしさを大切にしたお別れが可能です。浄土真宗の教えと作法を軸に、後悔のない見送りへとつなげましょう。

浄土真宗とはどんな宗派か

浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞聖人(しんらんしょうにん)が開いた仏教宗派で、鎌倉仏教に分類されます。その教えの根幹にあるのが、他力本願の考えです。

自らの修行や徳の積み重ねではなく、阿弥陀仏の救いを信じて「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、誰もが極楽浄土へ往生できると説かれています。厳しい修行を必要とせず、老若男女を問わず救いが開かれているのが、他の宗派にはない大きな特徴です。

一口に浄土真宗といっても、そこには複数の宗派が存在します。代表的なのは、真宗十派と呼ばれる宗派です。特に信徒数が多く勢力を持つのは、京都の東本願寺を本山とする大谷派と、西本願寺を本山とする本願寺派です。以下、それぞれの勢力を解説します。

大谷派(東本願寺)

大谷派は、京都にある東本願寺を本山とする浄土真宗の一派です。親鸞聖人の教えを受け継ぎながらも、本願寺派(西本願寺)とはいくつかの違いがあります。主に、お経や法事の作法、仏壇・仏具の仕様など、日常の信仰や儀式に関わる部分です。以下、大谷派の特徴をまとめた表になります。

仕様 説明
ご本尊 船後光がない。ご本尊を掛け軸にした場合、後光の本数は6本
仏壇・仏具 仏壇の柱は黒塗りであり、金色の仏具を使用する
線香・数珠 燭台は鶴亀型で、葬儀の焼香を2回行う。数珠は房を左手側に持ってくる(女性の場合)

大谷派での葬儀を予定している場合は、宗派の特徴を理解すると、より心のこもった参列ができます。

本願寺派(西本願寺)

本願寺派は、京都にある西本願寺を本山とする浄土真宗の一派です。親鸞聖人の教えを受け継ぎながらも、大谷派(東本願寺)とはご本尊の形や仏壇・仏具、葬儀作法の細部で違いがあります。以下、本願寺派の特徴をまとめた表になります。

仕様 説明
ご本尊 船後光があり、ご本尊を掛け軸にした場合、後光の本数は8本
仏壇・仏具 仏壇の柱は金箔仕上げで、黒い仏具を使用する
線香・数珠 燭台は宣徳製で、葬儀の焼香は1回のみ。数珠は房を小指側に垂らす(女性の場合)

上記のように、大谷派と細かい違いがあるため、知識を整理しておきましょう。

【種類別】浄土真宗の葬儀の流れ

浄土真宗の葬儀は、宗派や地域によって細部が異なるものの、阿弥陀仏の救いを讃えるという根本の教えに基づいて進められます。特に真宗大谷派(東本願寺)と浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、お経や焼香の回数、儀式の呼び方などに違いが見られます。ここからは、浄土真宗の葬儀の一般的な流れを押さえた上で、宗派別にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

大谷派

大谷派の葬儀は、大きく分けて葬儀式第一と、葬儀式第二の進行形式があります。葬儀式第一では、自宅などで行う棺前勤行と、葬儀場で行う葬場勤行の二部構成が基本です。棺前勤行では総礼や勧衆偈、念仏、回向などを行い、葬場勤行では僧侶の読経や導師焼香、正信偈、和讃といった儀式を進めます。

葬儀式第二は、これら一連の勤行をすべて葬儀場内で執り行う方式です。総礼や伽陀、勧衆偈から始まり、導師焼香や表白、正信偈、和讃などを順に進め、最後に回向と総礼で締めくくられます。

どちらの形式も、念仏や回向を通じて阿弥陀如来の救いを讃える点では共通しています。しかし会場や地域の慣習、ご遺族の意向によって細部の流れが調整される可能性があるため、注意が必要です。大谷派での葬儀を予定している場合は、ひとまず上記の形式の違いを押さえてください。

本願寺派

本願寺派の葬儀は、まず故人を葬儀場へ送り出す前に、自宅の仏前で棺勤行を行うのが特徴です。その後、葬儀場では葬場勤行が進められます。

  • 出棺勤行:故人を自宅や安置先から葬儀場や火葬場へ送り出す際に行う勤行。阿弥陀如来の救いを讃え、故人の往生を願いながら念仏や回向を唱える
  • 葬場勤行:葬儀場で行う本式の勤行。僧侶の読経のもと、ご遺族や参列者がお焼香を行い、故人を極楽浄土へ見送る

葬場勤行の一般的な流れは、開式に続いて三奉請、導師焼香、表白、正信偈、念仏、和讃、回向と進み、閉式後に喪主の挨拶を経て出棺・火葬となります。

地域や寺院の慣習、ご遺族の希望によって細部は変わるケースがあるものの、自宅での勤行から葬儀場での本式へと続く二段構えが本願寺派の葬儀の基本的な流れです。

浄土真宗のお経は3種類ある

浄土真宗では、阿弥陀如来(あみだにょらい)の救いの教えを説いた3つのお経を重視しています。総称して、浄土三部経(じょうどさんぶきょう)と呼ばれ、宗祖・親鸞(しんらん)の教義も全てこちらに基づいています。以下、3つのお経についてそれぞれ見ていきましょう。

1.仏説無量寿経

仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)は、浄土真宗の重要な経典です。阿弥陀如来の根本的な願い、つまり本願が説かれています。経典の中心となるのは、かつての阿弥陀仏である法蔵菩薩の物語です。

法蔵菩薩は、師である世自在王仏との出会いを通じて、苦しみのない理想の世界をつくると誓います。それが四十八願と呼ばれる誓いであり、特に第十八願は、浄土真宗の信仰の核となる教えです。

経典では、法蔵菩薩がなぜ衆生を救おうとしたのか、その背景や心のありようが物語として描かれます。そして完成された極楽浄土の様子や、そこに生まれて得られる安らぎについても詳細に語られます。

葬儀や法事で読まれる場面も多く、浄土真宗の教義や信仰生活全体を支える土台ともいえる経典です。

2.仏説阿弥陀経

仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)は、極楽浄土の素晴らしさを細やかに描写している経典です。七宝でできた池や楼閣、清らかな水、香り高い蓮の花など、煩悩や苦しみから解き放たれた世界の姿が鮮やかに語られます。

経典の核心は、阿弥陀仏の名を信じて、南無阿弥陀仏と称える者は、必ず極楽浄土に往生できることです。念仏の功徳の尊さ、そしてなぜ信心を持ち続けるのが重要なのかが書かれています。

仏説阿弥陀経は長大な経典ではないため、通夜や葬儀などで日常的に読まれます。浄土真宗の門徒にとって、身近なお経の一つです。極楽浄土のイメージを通じて、亡き人を想い、自らの信仰を新たにする役割も果たしています。

3.仏説観無量寿経

仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)は、阿弥陀仏や極楽浄土の姿を心の中で観る(観想する)方法を説いた経典です。物語は、インドの王妃韋提希夫人が、息子による迫害や幽閉といった苦境にあるとき、釈尊に救いを求める場面から始まります。

釈尊は夫人の願いを受け、阿弥陀仏の姿や極楽浄土の景観を心に思い描き、十六観法の修行法を説きます。太陽や水、宝樹など外界の景色から、阿弥陀仏の全身、そして菩薩たちの姿までを順に観るもので、誰もが心の中で浄土を思い描けるよう工夫された教えです。

経典では、臨終の際にも心を阿弥陀仏に向け、南無阿弥陀仏と称えることで救いが得られると説かれます。苦しみや迷いの中にあっても、信じる心と仏に向き合う姿勢が救いへの道を開くといったメッセージが強く示されており、浄土真宗における信仰実践の重要な柱となっています。

浄土真宗で読まれる正信偈(しょうしんげ)とは?

浄土真宗では、日常の勤行や葬儀・法事の場で、正信偈(しょうしんげ)が読まれます。正信偈は、一般的なお経のように仏説として伝わったものではなく、宗祖・親鸞聖人が自らの信仰を詩文の形でまとめた讃歌です。

正信偈には、阿弥陀如来の徳を讃える言葉や、親鸞聖人自身が阿弥陀如来の本願によって救われた喜びが込められています。そして自分と同じようにすべての人々が、阿弥陀如来の教えによって必ず救われるようにとの願いが随所に表れています。

さらには、インドから中国、日本に至るまで仏教の正しい教えを伝えてきた、七高僧と呼ばれる七人の高僧(龍樹・天親・曇鸞・道綽・善導・源信・源空)の業績を讃えているのも大きな特徴です。

上記のような構成により、正信偈は単なる信仰告白ではなく、浄土真宗の教義の要点を凝縮した勤行文となっています。

浄土真宗でのお経や葬儀のマナー

浄土真宗の葬儀や法事では、他の仏教宗派とは異なる独自の作法やマナーがあります。読まれるお経は、正信偈や浄土三部経の一部などが中心で、念仏の唱え方や焼香の回数、線香の扱い方にも宗派ごとの特徴が見られます。以下にてご紹介するマナーを覚えておきましょう。

浄土真宗でよく読まれるお経のマナー

浄土真宗の葬儀や法事で中心となる読経は、正信念仏偈です。正信念仏偈は、宗祖・親鸞聖人が著した、教行信証の一部を抜き出してつくられたもので、阿弥陀如来の本願やその救いに対する感謝が込められています。

浄土真宗の教えを簡潔かつ的確に表すため、宗派を象徴する勤行文として日常の朝夕礼拝から葬儀、年忌法要まで幅広く用いられるのが一般的です。仏説阿弥陀経や、仏説観無量寿経など、浄土三部経の一部が場面に応じて読まれる場合もあります。

読経の長さや順番は、所属寺院の方針や地域の慣習によって違いがあります。他の葬儀でこうだったからと思い込まず、その場の導師や僧侶の進行に合わせてください。読経中は声を出して一緒に唱える必要はなく、合掌し静かに耳を傾けるのがマナーです。

浄土真宗では、般若心経は唱えません。般若心経は、悟りに至るための修行などを重視する経典であり、阿弥陀仏の本願を信じ念仏することで救われるという浄土真宗の立場とは異なるためです。

浄土真宗と焼香の作法と注意点

浄土真宗の葬儀や法事での焼香は、他宗派と比べてシンプルです。香を1回つまんで額の高さまで上げ、そのまま香炉へくべるのが基本になります。回数を重ねる必要はなく、1回の焼香に心を込めるのが重要です。

焼香の際は、両手を合わせて合掌し「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と静かに念仏を称えます。言葉に出す場合も声は控えめに、心の中で称える場合も気持ちを集中させましょう。

数珠は左手にかけ、合掌は左右の手のひらをぴたりと合わせて行います。焼香の前後には静かに一礼し、足音や動作を大きく立てないよう配慮しましょう。立礼の場合も座礼の場合も、流れるような所作を心がけると、故人やご遺族に対して敬意が伝わります。

浄土真宗の葬儀で避けるべき言葉

浄土真宗の葬儀では、他宗派で一般的に用いられる、成仏・冥福を祈る・供養といった言葉は避けた方が良いとされています。なぜなら浄土真宗の教えが他力本願、つまり阿弥陀仏の本願によって、すべての人が往生できるといった信仰に基づいているためです。

成仏は、自らの修行や悟りによって仏の境地に至ることを意味します。しかし浄土真宗において往生は修行の成果ではなく、阿弥陀仏の働きによるものと考えます。同様に、冥福を祈るという表現も、死後の冥土での幸福を願うといった他宗派的な考えに基づいており、浄土真宗の教義とは一致しません。

代わりに適切なのは「ご往生なさいました」「安らかに」「念仏とともに」など、浄土真宗の世界観に沿った言葉です。香典袋の表書きも御霊前ではなく、御仏前とするのが正しい作法です。

浄土真宗の香典袋に関するマナー

一般的な仏式葬儀では、四十九日前は御霊前、四十九日以降は御仏前と書き分けますが、浄土真宗ではこうした区別はありません。四十九日前であっても御仏前、または御香典と表書きするのが正しいとされています。御霊前は、浄土真宗の教えにはそぐわないため使用しません。

香典の金額相場は以下のとおりです。

  • 両親:3万円以上
  • 兄弟姉妹:3万円前後
  • 叔父・叔母:1〜3万円
  • 血縁関係がない場合:5千〜1万円

香典の金額や表書きは、地域の慣習やご遺族との関係性によっても変わるため、事前に確認できる場合は寺院や親族に尋ねるとよいでしょう。

まとめ

浄土真宗は、阿弥陀仏の本願にすべてをゆだねる他力本願の教えを大切にしているのが特徴です。信仰を形にしているのが正信偈や、浄土三部経などのお経であり、葬儀や日々の勤行で読まれます。

葬儀でも、焼香は1回、香典袋は御仏前といった独自のマナーがあり、他宗派とは異なる点が多く見られます。基本を理解すれば、形式にとらわれず、故人やご遺族に対して心のこもった対応ができるでしょう。

神奈川県・東京都で、浄土真宗の教えに沿った葬儀や家族葬をご検討中の方は、株式会社サン・ライフにご相談ください。宗派ごとの作法やマナーに精通したスタッフが、限られたご予算でも心温まるお別れをご提案いたします。事前のご相談やお見積りも無料で承っております。

斎場数更新中
アクセス良107の斎場

サン・ライフでご利用いただける
お葬式の斎場一覧
(50音順)