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六文銭とは? 棺に入れる意味と由来、現代の葬儀でのルールを解説

六文銭とは? 棺に入れる意味と由来、現代の葬儀でのルールを解説
六文銭とは? 棺に入れる意味と由来、現代の葬儀でのルールを解説
作成日:2025/08/26 最終更新日:2025/08/27

葬儀の準備を進める中で「六文銭(ろくもんせん)」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。六文銭は故人の旅立ちの支度として棺に入れるお金を指しますが、どのような意味があるのか、火葬が主流の現代でも必要なのかなど、疑問に思う点も多いでしょう。

本記事では、六文銭の基本的な意味と日本に伝わる由来から、現代の葬儀におけるルール、宗派による考え方の違いまでを分かりやすく解説します。

六文銭が持つ基本的な意味と由来

まずは、故人とともに棺に納められる六文銭が、どのような意味を持っているのか、その由来と併せて詳しく見ていきましょう。古くから伝わる風習には、故人を思う人々の深い祈りが込められています。

六文銭は「三途の川」の渡し賃という説が一般的

仏教では、故人は亡くなってから7日目に、この世とあの世を隔てる「三途の川」のほとりに着くと考えられています。六文銭は、その三途の川を渡るための渡し賃(船代)であるというのが、日本で広く知られている説です。

この説によると、渡し賃を持たない故人は、船に乗せてもらえず川を渡ることができません。川岸でさまよい続けたり、流れの速い場所を自力で渡らなければならなかったりするといわれており、無事にあの世へたどり着けるようにとの願いを込めて六文銭を持たせたのです。これは、遺された家族が故人の死後の世界の旅路も案じ、安らかであることを願う、深い思いやりの心が表れた風習といえるでしょう。

由来は仏教の「六道」を救う教えから

六文銭の由来は、仏教における「六道(ろくどう)」の思想にあるとされています。六道とは、生前の行いによって輪廻転生する6つの世界(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のことです。

そして、地蔵菩薩がこれら六道のいずれの世界にいても、苦しむ人々を救うという「六道能化(ろくどうのうげ)」の教えがあります。この教えになぞらえ、六道のどの世界へ行ってもお地蔵様に救ってもらえるよう、それぞれの世界で使う一文銭、合計六文銭を故人に持たせたといわれています。このことから、六文銭は「六道銭(ろくどうせん)」とも呼ばれ、故人の救済を願うお守りのような役割も持っていました。

真田家と六文銭の関係性

一般的に「六文銭」といえば、戦国武将・真田家の家紋を指すことも少なくありません。真田家の家紋である「六連銭(むつれんせん)」は、まさに六文銭をモチーフにしたものです。

これは、三途の川の渡し賃である六文銭を旗印に掲げることで「いつでも死ぬ覚悟はできている」「生きて故郷の地は踏めない」という、不退転の決意を示したものと考えられています。いつ命を落とすか分からない戦国時代の武将らしい、力強い死生観がうかがえます。長野県上田市など真田家ゆかりの地にある博物館では、六連銭の旗印や武具などが大切に保管され、その歴史を現代に伝えています。

現代の葬儀における六文銭のルールと扱い方

古くから伝わる六文銭の風習ですが、火葬が99%以上を占める現代の日本では、その扱い方も変化しています。ここでは、現代の葬儀で六文銭をどのように扱うのか、具体的な方法と注意点を解説します。

本物のお金(硬貨)は棺に入れられない

現在の日本では、ほとんどの火葬場で金属製品やガラス製品といった不燃物を副葬品として棺に入れることを禁止しています。もちろん、本物の硬貨も金属製品であるため、棺に入れることはできません。

火葬炉内は800~1,200℃もの高温になるため、金属は溶けてご遺骨に付着し、損傷や変色の原因となります。また火葬炉自体の故障につながる可能性もゼロではありません。

さらに、お金を意図的に燃やしたり傷つけたりする行為は「貨幣損傷等取締法」で禁止されており、法律に抵触する恐れもあります。故人を思う気持ちは大切ですが、法律や火葬場のルールは守りましょう。

現在は紙に印刷した六文銭で代用する

現在は、本物の硬貨の代わりに、紙に印刷された六文銭を棺に納めるのが主流です。この紙製の六文銭は、多くの場合は葬儀社が葬儀プランの一部として用意してくれます。木製の六文銭が準備されるケースもあります。

これらは、故人が巡礼の旅に出る際の姿になぞらえた「頭陀袋(ずだぶくろ)」と呼ばれる布の袋に入れて、ご遺体の胸元付近に置くのが一般的です。ご遺族が白い紙に六文銭の絵を描いて手作りすることも可能です。特にお孫さんなどが描いた絵を納めれば、心のこもった温かい見送りの形として、より一層心のこもったものになるでしょう。

宗派によっては六文銭を入れない場合もあるので注意

六文銭の風習は仏教の教えに由来しますが、全ての宗派で用いられるわけではないため注意が必要です。

例えば、浄土真宗では「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の教えにより、亡くなった人は阿弥陀如来の力によって、すぐに極楽浄土へ往き、仏になると考えられています。従って、死後の世界を旅する必要がなく、三途の川を渡るための渡し賃は不要とされています。

また死後の世界観が異なるキリスト教(死後は神の元に召される)や神道(死後は家の守り神となる)においても、六文銭の風習はありません。

ご自身の家の宗派が分からない場合や、六文銭を入れるべきか判断に迷う場合は、先祖代々のお墓がある菩提寺や、依頼する葬儀社の担当者に事前に確認しておきましょう。

まとめ

六文銭は、故人が三途の川を渡るための渡し賃として棺に納められてきた、仏教由来の風習です。しかし、火葬が主流の現代では火葬炉やご遺骨を傷つけないよう、本物の硬貨ではなく紙に印刷したものなどで代用するのが一般的です。また浄土真宗のように、教えの違いから六文銭を不要とする宗派もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

葬儀に関する風習は地域や宗派によってさまざまで、戸惑うこともあるかもしれません。葬儀に関する疑問があれば、サン・ライフへぜひお気軽にご相談ください。

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