葬儀に関することは、何かと困惑したり悩んでしまったりすることが多いものです。
そして迷いやすい項目の1つとして、「お布施」の書き方について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。お布施はお坊さんにお渡しする大切なものであり、しっかりと基本を守ることが大切です。
そのためこの記事では、お布施の書き方について基本や宗教別の違いなどを解説します。
お布施の書き方とは?
この章では、お布施の書き方について以下の3つに整理して解説します。
【記入場所】
- ・表
- ・中袋
- ・名前
表の書き方
表書きでは、中心よりもやや上の所に「お布施」「御布施」「御経料」「御礼」などと記述します。
最初から印字されているお布施袋の場合は、そのまま記述せずに使用してかまいません。
また、交通費をお渡しする際には「御車料」、宴席代をお渡しする際には「御膳料」と記述します。
記述にあたっては、濃い墨の筆を使うことが一般的です。毛筆がベストではありますが、扱いが難しいと感じるようであれば筆ペンでも問題ありません。
ただし、薄い墨を使用すると慌てて書いたことを連想させてしまうことから、濃い墨の筆ペンを使用することが通常です。
中袋の書き方
中袋には、主に以下の要素を記述します。
【中袋へ記述する項目】
- ・喪主の名前(左下に記述する。)
- ・住所(左下に記述する。郵便番号や電話番号を記入するとより丁寧になる。)
- ・金額(右上に記述する。頭に「金」、最後に「也」を入れる。旧字体の漢数字を使用する。)
名前の書き方
名前を書く際には、封筒の表の下の部分に記述します。
名前を書き忘れると、寺院側が誰から受け取ったものか分からなくなるため重要です。
施主の名字かフルネーム、もしくは「○○家」と記述することが通常です。
「〇〇家」とするのであれば、裏面に喪主のフルネームを記述しましょう。
記述に当たっては、表書きの「御布施」の文字よりも大きくならないようにします。
使用する筆は、表書きに使用したものを使用することが通常です。
お布施を書く際の注意点
この章では、記述の際に気を付けておきたいポイントについて解説します。
黒墨で書く
記載に使用するのは、原則として黒墨(薄墨ではない通常の墨)です。
弔事の場合は香典と混同して薄墨を使用すると思い込んでしまう方もいますが、御布施はお坊さんへのお礼を包むものであるためです。
【香典とお布施の違い】
- ・香典:故人が亡くなったことへの悲しみを示すために「ゆっくり磨る時間がなく急いで駆けつけた」と薄墨を使用する
- ・布施:お坊さんへの感謝の気持ちを示すために「しっかりと磨って用意してきました」と黒墨を使用する
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住所や金額も書く
中袋には、住所や金額についてもしっかりと記載します。
住所や金額についても記載することで、丁寧・親切な印象を与えられるためです。
裏面の右下に、住所や郵便番号、電話番号を連絡先として記載します。
また従来は、お布施は修行の内であることから、金額は重要ではないとされてきました。
しかし現代ではお坊さんの読経・供養に対するお礼・感謝の気持ちを示すとの意味合いが強いことから、金額を記した方が親切だとされることが通常です。
金額は漢数字で書く
金額を記載する際には、数字には原則として旧字体の漢数字を使用します。
旧字体の漢字数字とは、主に以下のとおりです。
【使用する旧字体の例】
- ・1:壱
- ・2:弐
- ・3:参
- ・4:四
- ・5:伍
- ・6:六
- ・7:七
- ・8:八
- ・9:九
- ・十:拾
- ・百:佰
- ・千:仟
- ・万:萬
- ・円:圓
例えば、10万円であれば「金拾萬圓也」、5万円であれば「金伍萬圓也」と記載します。
宗教によってのお布施の書き方
この章では、宗教の違いによって異なる「お布施」の書き方に関して、主なものを紹介します。
【紹介する宗教・宗派】
- ・仏教
- ・神道
- ・浄土真宗
- ・キリスト教
仏教の場合の書き方
仏教においては、「御布施」「お布施」を記載することが原則です。
ただし、「御回向料」「御経料」「御礼」と記載するケースもあります。
回向(えこう)とは、僧侶が積んだ徳を故人に分け与えることを意味する言葉です。
また、会食に僧侶が参加しない場合は「御膳料」、交通費に関しては「御車代」と通常は記載します。
神道の場合の書き方
神道においては、「御礼」「御祭祀料」と記載することが求められます。
神道におけるお布施には、神職に対するお礼の気持ちを示すとの意味があるためです。
神道での香典に当たるものに「御玉串料」がありますが、神職へのお礼である御祭祀料とは別のものであるため間違えないようにしましょう。
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浄土真宗の場合の書き方
浄土真宗においては、「お布施」「御布施」以外の表記は使用しません。
浄土真宗では、お布施はあくまでも阿弥陀如来に対するお礼であるためです。
他の「御回向料」や「お礼」などの表記を選択すると、僧侶へのお礼になってしまいます。
僧侶故人への御車代や御膳代を渡す場合、お布施とは別に封筒を用意することが大切です。
キリスト教の場合の書き方
キリスト教においては、教派によって表書きが異なります。
【キリスト教の表書き】
- ・カトリック:「御礼」「献金」「記念献金」「御ミサ料」
- ・プロテスタント:「献金」「記念献金」
プロテスタントや正協会ではミサを行なわず「礼拝」を行うため、「御ミサ料」とは書かないように注意しましょう。
どう書くべきか迷ったら、「献金」と記述しておくと無難です。
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まとめ
お布施をお渡しする際には、封筒への記述方法のマナーを守ることが基本です。
記述する際には僧侶に対して親切になるように住所や金額を書いたり、黒墨を使用したりすることが大切でしょう。
また、宗教や宗派によっても注意点は異なるため、事前にチェックしておくことも欠かせません。
もし用意にあたって不明点があったり不安になったりことがあれば、葬儀社に相談することをおすすめします。
「サン・ライフ」では、お布施をはじめとして葬儀に関することであれば何でも相談を承っています。
24時間365日体制のコールセンターをご用意しているため、どんなタイミングでもご相談いただくことが可能です。故人様やご家族様の「想い」を大切にすることにこだわり徹底教育されたスタッフが、対応させていただきます。葬儀に関しては何かとご不安になることが多いと思われるため、まずはお気軽にご連絡ください。