
近年注目を集めている「散骨」。宗教やしきたりにとらわれない自由なお別れという点やお墓を持たない選択をする家庭が増えているため、需要が高まっています。しかし、お墓に埋葬する文化と比べれば新しい埋葬方法なので、トラブルが起こりやすく注意が必要になります。今回はトラブルを避けるためのポイントを紹介します。
目次
散骨とは
散骨とは粉末状にした遺骨を海や山に還す供養の形です。海や山など自然が好きだった方が希望されることが多く、近年ではお墓の継承者がいないことによる墓じまいや、お墓を建てる費用を抑えたい方などお墓に納骨しない選択をされる方が散骨を希望されています。
散骨におけるトラブル
冒頭にあるように散骨は比較的新しく、世間への浸透も浅いため、トラブルが起こりやすいです。ここからは散骨で起こりうるトラブルを紹介していきます。
遺族・親族間のトラブル
散骨を反対される
散骨をする以前にそもそも散骨をすることを反対されてしまう場合があります。お墓に埋葬する文化は深く根付いており、先祖代々そうしてきたという思いがあるため、お墓に埋葬せずに遺骨を撒くという供養の形はたとえ本人の希望であったとしても受け入れづらいところがあります。周りが納得していない中で散骨を決めてしまうと大きなトラブルになってしまうでしょう。
すべて散骨してしまう
遺骨をすべて散骨してしまうと、手を合わせる対象が無くなってしまうことや、故人様が形として残るものが無くなってしまうことで心のよりどころが無くなってしまい不安に思う方もいらっしゃるでしょう。散骨をするときは気にしていない方でも、散骨後や時間が経ってから後悔してしまい、トラブルになってしまうことがあります。
また、お墓参りもできなくなってしまいます。お墓参りに行くことが故人様を偲ぶということと考えている方もいらっしゃいますし、お墓参りはお盆やお彼岸などの慣習で親戚が集うきっかけにもなるため、そのような機会が減ってしまったり無くなってしまうことを懸念する方もいらっしゃるかもしれません。
▽散骨で後悔しないためには?
勝手に墓じまいしてしまう
継承者の問題や維持・管理の問題から墓じまいをする方が増えており、それをきっかけに散骨をするという方も少なくありません。しかし、先祖代々のお墓であれば、一家族の中で決断できる話ではないため、相談もなく勝手に墓じまいをしてしまうとトラブルに繋がってしまいます。先祖代々でない場合でも親戚やご友人などの関係もあるため、勝手に墓じまいをするべきではありません。
菩提寺とのトラブル
菩提寺がある場合、一般的には菩提寺が管理をしているお墓に納骨をします。そのため、お墓に入らず散骨をしたり、墓じまいをして納めていたご遺骨を散骨することをよく思わない住職もいらっしゃいます。相談せず進めてしまうと、それまで先祖代々築いてきた菩提寺との関係が悪くなってしまう可能性があります。
散骨時のトラブル
地域にお住まいの方へ迷惑をかけてしまう
散骨をするにあたって、現在日本には散骨を禁止する法律はありませんが、令和2年に厚生労働省が「散骨に関するガイドライン」を掲載していたり、自治体によっては条例で散骨を禁止している場合があります。ガイドラインにおいて、地域住民への配慮が記載されています。例えば、喪服を着用して散骨を行ってしまうと、その地域にお住まいの方は快く思わないかもしれません。また、条例が定められている地域で知らずに散骨を行ってしまうとトラブルになってしまう可能性があります。
天候などの理由で延期になってしまう
天候に関しては回避するのが難しいトラブルです。海洋散骨では海の状態や天候によっては延期をせざるを得ない場合があります。そのため、希望していた日程で散骨ができないことや、それによって参列する方の都合が合わなくなってしまうこともあるかもしれません。また、海や天候の悪い状態で出港してしまうと、船の揺れが激しくなってしまったり、海があまり綺麗に見えないなど、大切なお別れの時間がいい印象ではなくなってしまうかもしれません。
トラブルを避けるためのポイント
話し合って納得を得たうえで散骨をする
親族や親戚の方とのトラブルを避けるためにはしっかりと話し合うことが大切です。納得してもらうことは大変かもしれませんが、本人の希望や散骨を考えた背景などをしっかりと伝えましょう。また、散骨がどのようなものであるかを知らない方も多くいらっしゃいます。どのような埋葬方法であるのか、法的に問題なく行うことができるというように、安心感を伝えることも大切です。
墓じまいをする際も同様に話し合って納得してもらってから行いましょう。
全ての遺骨を散骨せず一部残しておく
散骨してしまった遺骨は戻ってきません。手を合わせる対象が無くなってしまったり、形として残るものがなく、心のよりどころが無くなってしまうのを避けるために、すべての遺骨を散骨してしまうのではなく、一部の遺骨は残して手元供養を考えてみましょう。手元供養には、自宅に置いておくことのできる小さなサイズの骨壺や、遺骨・遺灰を使用した身に着けることのできるアクセサリーなど様々な形があります。後になって後悔しないように考えたうえで散骨することが大切です。
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菩提寺には必ず相談する
菩提寺がある場合には必ず相談してから散骨を決めましょう。それぞれのお寺によって考え方は異なるため、必ず散骨をしたいという意向を伝えましょう。事前に相談することで、火葬の際に一部を分骨して、お寺のお墓に埋葬するという選択をとることもできるかもしれません。また、散骨を行った場合は無事に終えたことをお伝えしましょう。
ルールやマナーを守る
事前にガイドラインや自治体の条例などを確認し、ルールやマナーを守るようにしましょう。地域にお住まいの方や、自然環境など周囲への配慮をしたうえで、節度を持って散骨を行う事が大切です。
信頼できる散骨業者に依頼する
信頼できる散骨業者であれば、ルールやマナーを遵守し、地域住民や自然環境への配慮もしたうえで散骨を行うことができるでしょう。多くの散骨業者があるため、迷ってしまうかもしれませんが複数の業者を比較して、実績のある信頼できる業者を選びましょう。散骨専門の協会に加盟している業者や口コミや実績などを基準に調べると良いでしょう。また散骨業者は値段だけで選ばずに、サービス内容や散骨を行うエリア、参列可能な人数など、希望する散骨が行えるかどうかの判断も大切です。
サン・ライフの自然葬
サン・ライフの自然葬は海洋散骨、山の散骨はもちろん、ペット同伴の散骨など様々なプランをご用意しております。散骨専門業者ではなく90年葬儀業界で知識と経験を培ってきたセレモニーのプロとして、打ち合わせから当日までサポートさせていただきます。湘南エリア専門ながら2000件以上のご用命をいただいており、海洋散骨は冷暖房・トイレ完備の自社クルーザーにて行うため臨機応変な対応が可能です。全国海洋散骨船協会に加盟しており、「散骨に関するガイドライン」を遵守して行っておりますので安心してご依頼いただけます。また、サン・ライフでは散骨の体験クルーズを実施しているので、海洋散骨について実際に体験しながら内容をご確認いただけます。
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まとめ
散骨におけるトラブルと避けるためのポイントを紹介しました。お墓という文化が根付いている中で、散骨に理解を得るのが難しい場合もあるかと思います。しかし、理解を得ないまま勝手に進めてしまうと非常に大きなトラブルになってしまいます。散骨してしまったら取り返しは尽きませんし、菩提寺とトラブルになってしまうと先祖代々の長い付き合いや関係が崩れてしまいます。良いお別れ、供養の形として散骨を行うことができるように焦らずに周囲の理解を得るようにしましょう。
