過酷な夏が終わり、ようやく秋の訪れを感じるようになりましたね。
連日TVは新型コロナの話題で持ち切りです。
車の交通量が増えたり、街並みを見渡すと閉店を余儀なくされた店舗があったりと、コロナの影響をいたる所で感じます。
早く、本当に早く収束に向かってほしいと切に願います。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?八王子滝山ファミリーホールの林です。
世間でよく聞くのは「ご先祖を粗末にしたら罰が当たる」という声です。
故人様は、愛する子孫と共に喜んだり、悲しんだりして寄り添ってくださるのであって、決して災いをもたらす存在ではありません。
厚生労働省が日常生活と新型コロナウイルス感染予防を両立させるべく『新しい生活様式』を公表しました。
人との接触をなるべく避けることを目的として、さまざまなシーンでの実践例が示されました。
外出自粛の期間、集会や式事などが中止・縮小を余儀なくされましたが、その中で延期や中止が簡単ではないものに葬儀、法要があります。
多数の施設が利用自粛の制限下にあった時でも、葬儀場は社会生活を維持する上で必要な施設とされ、自粛の対象ではありませんでした。
しかし、当初のクラスター発生場所の一つにもなったために、厚労省の実践例でも「冠婚葬祭などの親族行事」を項目にあげて、特別に注意を促しています。
人の死は予測できないものですから、どのような時節柄であっても、大切な人を見送る気持ちや、葬儀そのものも決しておざなりにできるものではありません。
昔から葬儀や供養に多くの親族が集まるということには、
「血縁の絆を深める」とか「喪失感の共有」「悲しみの癒やし」といった大きな意味があり、大切な営みでした。
葬儀だけでなく、その後の節目ごとの儀礼などには、遺された人の「グリーフワーク」という側面もあります。
本来の意味は知らずとも、一つ一つの行為を進めていくうちに、悲しみを受け止め、癒やし、喪失感にふさぐ心を整理して立ち直っていくというものです。
そうした儀礼的なことを何もかも省いてしまうと、後日、一段落したときにふと
「あのとき、もっと何かしてあげられたはずだ」「なぜこうしなかったのだろう」と、後悔の気持ちが沸き起こることがあります。
何か一つでも、気持ちを込めた行いができていたら、そんなときにも自分の心を慰める大きな助けになるのではないでしょうか。
それは、献花でも、メッセージを書いたメモでも、そのとき折った折り鶴でも、故人と撮った写真でも構いません。
メッセージを書く時間、写真を選ぶ時間、そうした少しの時間でも、故人の生前の姿を心に蘇らせることは、形にならない思いを亡きがらに添えることになります。
そこに本来の弔いの意味があり、まさにグリーフワークの始まりでもあります。
いずれにしても、葬儀に関わることはその人の人生にとって最後のセレモニーになります。
どのような状況下であっても、命の尊厳や生きることの意味を考えつつ、故人を送り出すたった一度の機会であることを忘れずにいたいものです。
ご遺族が、これからを生きていくためにも大事な時間だと思うのです。
私たち葬儀業者は常にご遺族に寄り添い、ご遺族が最愛の故人と最後のお別れの場となる葬儀に真心と誠意を持ってお手伝いさせて頂きたいと思っております。
なお、当社ではできる限りの感染症対策を行っておりますのでご安心していただけると幸いです。
八王子滝山ファミリーホール 林 千鶴