4月末から5月にかけての大型連休であるゴールデンウィーク。普段は学校や仕事で忙しく、できないことをするいい機会です。皆様はどのように過ごされるでしょうか。
そのようなゴールデンウィーク期間中にもしものことがあった場合、連休中にご葬儀を行うことは可能なのでしょうか。また、気を付けるべきことはあるのでしょうか。
ゴールデンウィーク期間中の葬儀について解説していきます。
2024年のゴールデンウィーク(GW)はいつ?
2024年のゴールデンウィークは最長で4月27日(土)~5月6日(月)の10連休です。
土曜、日曜、祝日でのお休みは、4月27日~4月29日の3連休、5月3日~5月6日の4連休です。その間にある4月30日~5月2日の3日間で休みを取るとあわせて10連休にすることができます。
これほど長い連休であれば計画を立てての旅行など、遠出する方も多くなり、それに伴って休業する企業も出てくるでしょう。
それでは、ご葬儀にあたって葬儀社はゴールデンウィーク期間中営業しているのでしょうか。
ゴールデンウィーク期間中の葬儀は行える?
結論から申し上げますと葬儀を行うことはできます。葬儀社は突然のことにも対応が必要なため24時間365日対応していますのでゴールデンウィーク期間中も休業はしていません。
しかし、葬儀社が営業しているだけで葬儀が行えるわけではありません。斎場(式場)の空きや火葬場の空きなど、葬儀をするにあたっては様々な都合を合わせる必要があります。
特に、火葬場は友引を休みにしている場合があるので日程を決める際は注意しましょう。
▼友引のお葬式についてはこちら
ここからはゴールデンウィーク期間中、長期休暇ならではの注意点を紹介していきます。
ゴールデンウィーク期間中に葬儀を行うにあたっての注意点
菩提寺の都合に注意
檀家が連休を使って予定を合わせて法事を行ったり、法要を行ったりするため、ゴールデンウィークはお寺にとっても忙しい時期になります。
菩提寺があり、そこのお墓に納骨を予定している家庭の場合、菩提寺の都合が最優先になります。そのため、菩提寺の都合が合わないからと呼ばずに葬儀を行ったり、他の司式者を呼んだりして式を行ってしまうと、菩提寺にあるお墓に納骨できなくなってしまうトラブルが発生してしまう可能性があります。
そのようなことが起きないように、必ず菩提寺と連絡を取り、菩提寺の都合の良い日に葬儀を執り行いましょう。
菩提寺の都合に合わせた結果、葬儀が先延ばしになってしまうこともありますが、その場合については後程紹介します。
会葬者が集まりづらい
ゴールデンウィークの長期休暇を利用して、計画を立てて過ごす人や旅行に出かけたりする人、帰省する人など、特別な予定を過ごす人が多いでしょう。
そのような中で葬儀を執り行うと、参列を希望する人が参列することができずトラブルになってしまったり、旅行を切り上げたりするなど負担をかけることになります。家族としても突然の不幸に冷静な判断を取ることは難しいとは思いますが、葬儀に参列すると思われる親戚や関係のある方には連絡をして、十分に考慮して日程を決めなければいけません。
ゴールデンウィーク中は外出中であったり、普段とは異なる生活を送っていたりすることもあるので、連絡がつながらない可能性も考えられます。無理に急いで葬儀を行うよりも、ゴールデンウィークが明けて会葬者が集まることができるタイミングで行うほうがトラブルは起こりづらいでしょう。
家族を中心とした人達のみで行う家族葬であれば都合を合わせやすい場合もあります。
▼家族葬について詳しく解説しています
交通網の混雑
ゴールデンウィーク期間中は高速道路や飛行機、新幹線などの交通網の混雑が予想されます。そのため、遠方から駆け付けるにしても普段より時間がかかってしまいます。遠方からの参列があるようでしたら、できるだけ連絡を取り合ったうえで日程を決めるのがよいでしょう。
チケットや宿泊施設などの予約も取りづらいのでそこにも配慮が必要です。
銀行の休業
ゴールデンウィーク期間中は銀行が休業になっている可能性があります。コンビニのATMなどは利用可能ですが、銀行によってはサービスが停止していることもあるので、注意してください。
ご葬儀の前後では出費が増えます。病院の入院費用や、お寺へのお布施、葬儀費用など必要な費用は事前に準備をするか、ATMを利用しましょう。葬儀費用は葬儀が終わった後の支払いですが、病院やお寺への支払いはその場で現金が必要になってくるので、ゴールデンウィーク期間中にご葬儀が発生する可能性がある場合には、まとまった金額を準備しておくと安心です。
役所の休業
銀行と同様に役所も休業している可能性があります。火葬をするためには、役所に死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらわなければいけません。
ご葬儀までに、死亡届、火葬許可申請書の提出が必要です。死亡届は故人様が亡くなられてから7日以内が期限です。
ほとんどの場合、これらの手続きは葬儀社が代行するので、あまり心配しすぎず、わからないことがあれば葬儀社に相談してみましょう。
休日でも提出用の窓口を設けている役所や、夜間窓口で対応してくれる役所もありますので、ご家族が死亡届を提出する際はそちらを利用しましょう。
死亡届には故人と届出人の本籍の記入欄がありますが、現在では免許証など身近な身分証明書には本籍は記載されていません。本籍が不明な場合には、あらかじめ戸籍などを取り寄せておくと安心です。
やむを得ず葬儀を先に延ばす場合の安置、リスクと対処法
前述したように、ゴールデンウィーク期間中にご葬儀を執り行うことは可能ですが、多くの注意点がありました。その中でもご葬儀の日程についての問題が多く、やむを得ずゴールデンウィークが明けてからのご葬儀を考えなければならないケースもあり、連休明けまでご遺体を安置することになるかもしれません。
ここからはGW期間中のご遺体のご安置方法と、長期間安置することによるリスクや対処方法について解説します
ご自宅での安置
ご自宅での安置では入院生活が長くご自宅になかなか帰ることのできなかった方はもちろん、住み慣れたご自宅で最期の時間をご家族とゆっくり過ごしていただけます。ご自宅に安置することで、弔問に来る方にも直接対応することができます。
葬儀社などの安置室をご利用の場合は使用料がかかってしまいますが、ご自宅なので使用料もかかりません。
しかし、長期間ご自宅で安置となると通常以上に負担が増えてしまいます。例えば、弔問客の訪問やスタッフがドライアイスの交換に伺うので誰かが必ず自宅にいなければいけません。また、ゴールデンウィーク期間中は暑くなるため枕花やお供え物が傷んでしまいますので、空調の管理も必要です。その他にもお線香やローソクを買い足したりなどご自宅での安置も利点だけではありません。
安置室(霊安室)での安置
安置室(霊安室)での安置は、故人様のご安置の準備や管理などを葬儀社に任せられる安心感と、弔問客への対応の負担や、ご葬儀式場への移動(搬送)の負担や費用が軽減される事などが利点です。
安置されている式場、霊安室へお参りに足を運ぶ負担や、1日あたり数千円から1万円前後の安置料金がかかる場合があり、長期間のご安置になるほど金銭的な負担が大きくなることが考えられます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、希望を伝えたうえで葬儀社と相談してどのようにするのかを決めるとよいでしょう。
▼ご遺体安置について詳しく解説しています
安置期間が延びるリスクと対処法
ゴールデンウィークが明けるまで安置することになった場合、ご自宅、霊安室のどちらでもご遺体の状態が懸念されます。毎日ドライアイスの交換は行われますが、ドライアイスの処置はあくまでお身体の傷みの進行を遅らせるものです。冷房の効いた部屋で毎日ドライアイスの処置をしていればお身体の状態が悪くならないというわけではありません。
長期間ご遺体の状態を保つための対処としてエンバーミングの処置が挙げられます。
エンバーミングとは闘病生活で変わってしまった表情や、事故で負った損傷を化粧や修復技術を用いて生前にお姿に近づけることができるご遺体の長期保全技術のことです。
エンバーミングを行うと長期的・衛生的にご遺体を保つことができます。ドライアイスの処置の必要がなくなるため、お身体に冷たい想いをさせずに済みます。また、エンバーミングをしたお身体であればご自宅での安置でも安心してお休みいただけます。
近年、葬儀件数が増加しており火葬場の空きがなくゴールデンウィーク期間中でなくてもご葬儀までの日にちが延びてしまうケースが増えています。エンバーミングの需要が高まり利用される方も増えているので、そういったお客様の声などを参考に検討してみてはいかがでしょうか。
▼エンバーミングについて、お客様の声はこちら
https://www.moshimo.net/embalming/
エンバーミングを依頼する際は、事前に内容をよく理解し、葬儀社と相談したうえで依頼しましょう。
ゴールデンウィーク期間中の法事・法要
ゴールデンウィーク期間中の法事・法要は基本的には問題ありません。しかし、友引などの六曜や国民の祝日に法事を行うことに抵抗がある方やお寺様もいらっしゃるかもしれませんので注意が必要です。
ご葬儀と同様にお寺様の都合が重要になりますが、休みを合わせやすいということでゴールデンウィーク期間中に法事・法要が立て込み、お寺様の都合が合わない可能性があります。この期間に法事を検討されている方は早めにお寺様と連絡を取り、予定を決めておきましょう。
まとめ
ゴールデンウィークのご葬儀には多くの注意点がありました。突然のことに少しでも対応できるように、いざというときのために備えておきましょう。親族・親戚や菩提寺とはトラブルが起こらないように、連絡を取り合うことが大切です。
葬儀の日程や安置などわからないことがあれば、ご葬儀のプロである葬儀社に詳細までしっかりと相談して、後悔のないお別れができるようにしましょう。