遺体搬送とは故人を葬儀場や自宅などの安置場所に搬送することで、身内が病院で亡くなったら遺族が行わなくてはならない手配です。
まず葬儀社に依頼し、葬儀社が保有する寝台車や霊柩車で遺体搬送してもらうのが一般的な流れとなります。しかし事前準備や当日の流れなど分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事は、遺体搬送の流れや価格相場などについて詳しく解説します。また自分でご遺体を搬送する方法もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ご遺体を病院から搬送するまでの流れ
まずは葬儀社に遺体搬送を依頼した際の流れについて解説します。葬儀社の手配以外にも病院の清算や死亡診断書の受け取り、各所の連絡など、すぐに遺族が行わなければならないことがあります。ここできちんと把握しておきましょう。
ご遺体を搬送してもらう葬儀社を決める
病院から自宅に搬送するには、葬儀社に連絡する必要があります。理由は身内が病院で息を引き取った際、院内の霊安室にご遺体を安置できる時間が限られているため、できる限り早く手配しなくてはならないからです。
すぐに葬儀社を決められない場合は病院が提携している葬儀社に依頼することも可能です。もし病院と提携した葬儀社を利用する場合は、ご遺体の搬送のみの依頼であることを事前に提示しておくことが大切です。
遺体搬送のみの依頼であることが伝わっていないと、その後の葬儀も同じ葬儀社で行わなくてはならない可能性があるので気をつけましょう。
また下記では葬儀社を選ぶ上で注意すべきポイントや各安置所のメリット・デメリットを詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
搬送先を決める
安置施設の主な搬送先は自宅、葬儀社、民間の3つです。
自宅にご遺体を安置する方も多いのですが、マンションに住んでいる場合はエレベーターによる搬送が難しかったり、部屋にスペースがなく安置できなかったりといった問題が発生することがあります。
さらに近所の方の迷惑になってしまうなどの理由から、最近では自宅以外の安置施設を検討している方も多いです。
もし葬儀社に依頼する際は、搬送先や自分の名前や連絡先などの基本情報、故人との関係や宗旨・宗派などを正確に伝えると搬送がスムーズに進みます。
なお株式会社サン・ライフではお付き添いが可能な個室タイプの安置室を用意しています。気になる方は下記を参考にしてください。
病院の清算・死亡診断書の受け取り
搬送先が決定し葬儀社を手配した後は、搬送車が到着するまでに病院の精算を済ませます。病院を出る前に遺族が忘れてはならないのが、医師から交付される死亡診断書を受け取ることです。
遺族は家族が亡くなったら、7日以内に故人が住民登録していた区市町村役所に死亡届けを提出します。この死亡届は死亡診断書がなければ受理されません。なお死亡診断書がなければ火葬や埋葬も行えないので、非常に大切な書類となります。
また遺族年金や保険の請求にも死亡診断書が必要になるため、医師から2通書いてもらいましょう。
さらにご遺体の搬送車には、死亡診断書を保管している方と同乗することが義務付けられています。搬送がスムーズに進むように、遺族は死亡診断書を持参して搬送車の到着を待ちましょう。
近親者やお寺に連絡する
ご遺体が搬送される前に、安置場所の近くにいる近親者に連絡しておきましょう。お寺の檀家で菩提寺がある場合は僧侶への連絡も忘れずに行います。
地域や宗派によっては僧侶に安置場所で枕経をあげてもらうケースがあります。後になってトラブルになる可能性もあるため、地域特有の風習や宗派による細かい作法について分からない方は、喪主の経験のある身内や僧侶にあらかじめ相談すると安心です。
自宅の場合は受入体制を整える
自宅でご遺体を安置する場合は、まずは安置する大きなスペースを確保します。仏間または座敷でご遺体の頭を北向きにします。間取りや家具の配置によって難しい場合は、西向きでも問題ありません。
また遺族はご遺体が搬送される前に、故人が生前使用していた清潔な布団を用意します。装束や枕飾りなど、他に必要なものは全て葬儀社が用意・設置してくれます。
なお株式会社サン・ライフのプランには、線香やローソク、ドライアイス(1日分)が含まれているためご遺族が用意する必要はありません。
ご遺体を搬送できる車は法律で決まっている
ご遺体の搬送を事業として行えるのは、国土交通大臣から一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者のみです。
霊柩車または寝台車は特種用途自動車として分類され、ナンバープレートには分類番号「8ナンバー」の取得を義務付けられています。
なお霊柩車の前方ドアの下部分には、霊柩または霊柩限定などと記載されているのが特徴です。
ただし身内のご遺体を搬送する際は、国土交通大臣から許可を得ていない車両を利用しなくても法律違反にはなりません。なお遺体搬送を自分で行う際の具体的な方法については下記で詳しく解説します。
遺体搬送を自分で行う方法
ここからは自宅で遺体を安置する際に、用意するものや具体的な流れについて解説します。ただし細かい準備や手配が必要になり、ご遺体の取り扱いにも慣れていないことから葬儀社に依頼するよりも時間も大幅にかかります。もし自分で遺体搬送することを視野に入れている方はぜひ参考にしてみてください。
ご遺体を格納する棺を用意する
自分でご遺体を搬送する際に必要なのは、ご遺体を安置するための棺です。ご遺体は死後硬直で動かせなくなったり体液の流出があったりするため、そのまま車両に乗せたり座席に座らせたりして搬送することはできません。
さらに棺に入れずに遺体から体液が流出すると、車両が汚染される上に感染症のリスクも高まります。遺体搬送する際は必ず棺を準備し、防水処理を行った上で搬送しましょう。
後部座席がフルフラットになる内装か
棺などを入れるスペースを確保する必要があるため、遺体搬送にはミニバン以上の大きさが必要です。そのため普通車で搬送するのは不可能といってよいでしょう。
ただし大きな車を用意できないからといって、レンタカーや知人の車を借りてご遺体を搬送することは避けましょう。特にレンタカーの場合は、目的を伏せてご遺体を搬送した際に車内が汚れてしまったら補償問題に発展し、場合によっては犯罪を疑われる恐れもあります。
そのため自分が所持している車両でご遺体を搬送するのが難しい場合は、葬儀社に依頼
しましょう。
死亡診断書を持参しておく
医師から交付された死亡診断書もしくは警察で受け取った死体検案書を持参します。とはいえ遺体搬送時に死亡診断書や死体検案書を必ず持参しなければならないなどの決まりはなく、法的には問題ないとされています。
しかし搬送中に何かあった場合は事件性を問われる可能性が高いため、ご遺体を搬送していることを証明できる書類を持参しておくと安心です。
自分ではご遺体のケアが難しい
自分でご遺体を搬送すること自体は法律違反にはなりませんが、故人の尊厳を保ちながら安置場所に移動させるのは非常に困難です。
本来、経験が豊富な葬儀社に依頼すれば、綿詰めなどの処置や専用のストレッチャーに乗せるなど、ご遺体のケアをきちんとした上で搬送してくれます。
このようにご遺体の扱いの難しさや衛生面のリスクを考えると、遺族が遺体搬送することは現実的とはいえません。よほどの事情がない限りは葬儀社に依頼することをおすすめします。
ご遺体搬送にかかる料金相場
ここからは遺体搬送にかかる料金の相場について解説します。
遺体搬送の料金は主に車種と走行距離によって異なります。他にも夜間や早朝など依頼する時間帯によって料金が割り増しになったり、車両を待機させることで留置料金が発生したりと追加で費用がかさむことがあるので注意しましょう。
実際にどれぐらいの資金が必要になるのか知りたい方は、これから解説する相場料金を参考に予算を検討してみてください。
一般的な搬送料金
ほとんどの葬儀社は、走行距離が長いほど搬送料金が上がるシステムを採用しています。
基本料金は葬儀社によって違いますが、10kmまでの費用相場は12,000円〜20,000円です。さらに10kmごとに3,000〜5,000円程度加算されるのが一般的で、搬送距離が10kmを超えるかどうかで搬送料金が左右されます。
さらに遺体搬送に必要な棺やドライアイス、防水シーツなどの付帯品を含めると合計で40,000円ほど見ておくとよいかもしれません。
搬送料金ついて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
長距離になる場合
遺体搬送が100km以上の長距離になる場合は、高速道路のような有料道路料金や、フェリーなどの運賃も必要です。
さらに走行距離が500km以上になる場合は、途中でドライバーを交代しなくてはなりません。2人分の人件費がかかる車両で搬送するよりも、航空機を利用する方が料金を抑えられるケースがあるため、500kmを超える場合は航空輸送がおすすめです。相場としては約500kmの搬送距離で25万円程度になります。
走行距離は車庫から起算されるのが一般的なので、できる限り料金を抑えたい場合はご遺体から近い葬儀社または搬送専門会社に依頼するとよいでしょう。
海外から遺体搬送する場合
海外から遺体搬送にかかる費用相場は、空輸代・証明書発行料・人件費などを合わせて100〜150万円程度です。ただし故人が海外保険に加入していた場合は、補償によるサポートが受けられるので、故人が生前に加入していた保険会社やクレジットカード会社に確認を取りましょう。海外保険が適用できるように、遺体搬送に関わる領収書類は全て保管しておきます。
なお海外で家族が死亡した場合は、現地の在外公館と日本の外務省を通して遺族に連絡が入ります。遺族は故人の身元確認のために現地に行かなくてはなりません。
現地の医師または監察医から死亡診断書を受け取り、それを日本語に翻訳して日本国内で死亡届を出す流れとなります。
ただし国の状況によっては、現地から遺体搬送することが難しいケースもあります。遺体搬送ができない場合は現地の在外公館で火葬に必要な証明書を発行し、現地で火葬を済ませてから遺骨を持って帰国する流れとなります。
身内が自宅で亡くなったときの対処法
ここからは身内が自宅で亡くなった場合の遺族の対応について解説します。主治医の有無によって対応が変わるため、主治医がいる場合とそうでない場合の2パターンに分けてご紹介します。
主治医がいた場合
生前かかりつけの病院があり、主治医がいた場合はまず担当医に連絡しましょう。担当医が自宅に訪問し、持病による死亡と判断できたら死亡診断書が発行されます。
もし担当医がその場にいなくても、故人が24時間以内に診察を受けていたなら死亡診断書を発行してくれます。
主治医がいない場合
故人に主治医がいない場合は、病院から死亡診断書を発行してもらうことはできないため、まず警察署に連絡しましょう。
警察が自宅を訪問し、遺族への事情聴取や現場検証が行われます。検視によって事件性がないと判断されると、警察から死体検案書という書類が発行されます。
死体検案書とは医師が発行する死亡診断書と同じ内容の書類です。死亡届の提出や遺体搬送時に必要となるので大切に保管しましょう。
ご遺体搬送を安く済ませるポイント
ここからは遺体搬送にかかるコストをできる限り抑える方法について解説します。主に葬儀社を決める段階でいくつか注意すべき点があるので参考にしてください。
病院からの紹介は値段が高くつく
病院が提携している葬儀社は相場より費用が高い傾向にあります。コストを抑えたい方は病院から紹介された葬儀社に依頼するのは避けましょう。
身内が亡くなった直後は冷静な判断をすることは難しいですが、無理に受諾する必要はなく遠慮せずに断っても問題ありません。
ただし病院の霊安室に遺体を安置できる期間は短いため、葬儀社選びに時間がかかる場合は、病院提携の葬儀社に遺体搬送のみを依頼するのも一つの手です。
プランに搬送費が入っていることがある
葬儀社によってはプランの中に搬送費が含まれていることがあります。特に遺体の搬送が長距離になる場合は、搬送費用が含まれているプランを利用した方がお得になることがあるため、葬儀社を選ぶ際はプラン内容まで確認しましょう。
なお株式会社サン・ライフでは10kmまで遺体搬送を無料で行うプランをご用意しています。遺体搬送付きのプランを考えている方は、ぜひ当社のプランを検討してみてください。
まとめ
遺体搬送の方法は、葬儀社に依頼する方法と自分で行う方法の2通りの選択肢があります。いずれにしても病院で亡くなった場合は院内の霊安室に遺体を安置できる期間が短く、場合によっては病院から早期撤去をお願いされるケースも少なくありません。
そのためスムーズに遺体搬送を進めるには、手厚いサポートで実績の高い葬儀社を選ぶのがおすすめです。
全国各地に多くの葬儀社があり、プラン内容や価格はそれぞれ異なりますが、中でも東京都・神奈川県を中心に多くの斎場・葬儀場を用意しているのが株式会社サン・ライフです。
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