妻は地元の大手企業で20年間ほど清掃業務に携わり、日々の誠実な仕事ぶりが評価され、社長から表彰をいただいたこともありました。性格は少し頑固な一面もありましたが、ペットの世話をすることが大好きで、現在、我が家で一緒に暮らしているシーズーの“くう”とは7年の付き合いになります。結婚した当初から色々なペットと暮らしていましたので、夫婦揃って旅行などに出掛ける機会も滅多になかったのですが、可愛い娘に恵まれ、時には心を許しあった夫婦ならではの小さな諍いも重ねながら、仲良く暮らしていました。
還暦を過ぎても大病の経験がなかった妻ですが、3年ほど前から肺炎を患い、入退院を繰り返すように。入院中も“くう”のことが気になるようで、よく看護師さんに「“くう”に会いたいなあ」とこぼしていたそうです。桜の季節を過ぎた頃に、一時退院して妻も希望していた自宅療養に切り替えたのですが、2週間後に容態の悪化で救急搬送され、間もなく67年の生涯を終えました。入院中はコロナ禍でお見舞いに行くこともままならなかったため、自宅で2週間ほど私たち家族と愛犬の“くう”と一緒に最期の時間を過ごせたことは、妻にとっても良かったのではないかと今では思っています。
自宅から近かったこともあり、妻に「もしものこと」があった場合は家から近いサン・ライフの施設でお願いしようと何となくは決めていたのですが、こんなに早く旅立つことになるとは思ってもいなかったため、何の準備もないまま病院から連絡しました。すると、後に葬儀も担当してくれることになるスタッフの細岡さんがすぐに駆けつけてくれました。突然のことで戸惑うばかりの私たちに対し、細岡さんは打ち合わせから出棺まで家族のように寄り添ってくれました。
葬儀までの日取りが数日空いてしまうため、ドライアイスを使わずに妻の体を衛生的に保全してくれるエンバーミングを勧めてくれたおかげで、出棺まで生前同様の顔立ちを保つことができました。また、葬儀にペットを連れてきても良いという説明を細岡さんから聞いた時には、娘も「“くう”と一緒に見送ることができる!」と、喜んでいました。親族7人だけの小さな葬儀でしたが、ペットと一緒に行う葬儀に理解のあるお寺様を細岡さんが紹介してくれ、“くう”とともにしっかりと妻を供養していただくこともできました。
散歩の途中などで、“くう”は今でも妻の面影を追いかけて寂しそうにしていることもありますが、私たち家族と愛犬に見送ってもらい、妻もきっと幸せに思ってくれているはずです。ありがとうございました。