戦中戦後を逞しく生き抜いた長姉は、年の離れた末妹の私にとっては母親のような存在で、幼い頃には姉の背中におぶられながらスースーと寝息を立てていたそうです。姉は独身の頃から生け花に心血を注ぎ、カルチャーセンターなどで華道を教える傍ら、義兄が経営する事業も手伝っていました。礼儀作法には特に厳しく、常に毅然としていた姉ですが、すい炎の悪化で手術が難しいステージ4のガンを告知され、最期はホスピス病棟で94年の生涯を閉じました。
姉が亡くなって1カ月後に天国へと旅立った私の夫は、誰に対しても献身的な人でした。配管職人として60年も務め上げ、仕事を請け負っていた大手企業からは真面目な仕事ぶりが評価されていました。引退後は肺機能の悪化で歩くことも困難になり、記憶力も衰えてきましたが、私の誕生日だけはしっかり覚えており、わざわざ街へワインと花束を買いに出掛けてプレゼントしてくれる本当に優しい人でした。
和気あいあいとしたあたたかい葬儀
身近に頼れる相手がなく、2人が療養中の間も非常に心細い日々を送っていた中、私の大きな支えになってくれたのがサン・ライフスタッフの三浦さんでした。
事前相談に伺った際に応対してくれた三浦さんは、不安で押しつぶされそうになっていた私に親身に寄り添い、全てにおいて100点満点のアドバイスをしてくれました。三浦さんには2人の葬儀も担当していただき、和気あいあいとしたあたたかい雰囲気の中で2人の旅立ちを見届けることができました。
華道の先生だった姉らしく、柩の周りは色とりどりの花々で綺麗に飾られ、好きな花に囲まれて姉もきっと嬉しかったことでしょう。一方、夫の葬儀では結婚50周年を迎えた私たちのために、スタッフの木村さんが色紙に2人仲良く並んだステキな似顔絵を描いてくれ、とても感動しました。姉と夫が好きだった料理をそれぞれ霊前に用意してくれた心配りにも感謝しています。
穏やかな海での見送り 忘れられない光景
姉は生前、「自分が骨になったら、あなた達に煩わしさが残らないようにして欲しい」と話していました。遺骨を海へ散骨する自然葬のことは事前に三浦さんから詳しく聞いており、残された妹たちに迷惑を掛けたくないという姉の希望を叶える送り方としてサン・ライフの自然葬を依頼する事に決めました。
当日は担当スタッフの伊藤さんが手配した貸切のクルーザーに次姉と甥の3人で乗船。次姉は90歳を迎えていましたが、伊藤さんが出航に最適な日程を調整してくれたおかげで高齢の姉も安心して長姉の見送りができたようです。穏やかな波間からは広大な富士山が望め、青く透き通った海には花びらが美しく漂う…。その時の光景が今でも目に焼き付いています。きっと長姉も「あなた達、よくやりましたね」と私達のことを労いながら義兄の元へ旅立てたと思います。本当にありがとうございました。